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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第35章「城下町カーン・魔王城ロキ」西暦2037年7月8日

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番外編43「これまでのまとめ〈桃花サイド〉」

 現実世界、アース018。

 これより話のは天上院咲の話じゃない、湘南桃花の話だ。

「便宜上、私はラスボスを夢見て今まで生きてきたら。悪役ぶることを許して欲しい我が友、湘南桃花よ」

「そうね、これは天上院咲の話じゃない、私、桃花の話だ。咲は遊びたくて真似して眠りについた被害者だ、だから責任は私にある……」


「さて、根深い時系列がぐちゃぐちゃだから順を追って説明しよう。お前の、歴史の話だ。……初めはうさぎの動物だった、それが着ぐるみになり、大学生の女の子になった、桃花はシャフランを助けたかった。そのためにボツにしたネームの時間のループの中で、試行錯誤した。そしてたどり着いたのが完成形のネーム、桃花はデスクに座り、意気揚々と時間を、動画を作り始めた。ここまでオーケー?」


 桃花は姫の会話に耳を傾ける、それは真実であり、今後の咲にとっても重要な内容だったからだ。

「そうだな、その通りだ。作ったのは私達デスクで、神様や紅世の王がソレに力を与えた、それを知るのはもっとあとになってからの話だ」

 姫は続ける。

「んで、自分の役目は終わったと思い、外に出て世界を見て回った。初めは桜愛夜鈴の冒険、次に秘十席群の冒険、そして天上院咲の冒険……ざっくり言うとな。ところが、次第に桃花、お前のしたことが良く解るようになった」


「ええ、そうね。この世界に時間が生まれ、その時間の中で人々は物語を形を変えて、繰り返し、繰り返して行った。自分にそんな力があるなんて信じもしなかった」

「そう、そしてやがて知った。しかしコントロールは今も微妙に出来なかった」


「桃花は物語の前半部分で時を止めた、何故か? 誰かが死ぬことを繰り返すことを知っていたからだ、手遅れかもしれないし、実際桃花も、群も、爺さん婆さんが死んだ、寿命だったかも知れない、でも良かれ悪かれ、死ぬ動機を作ったのは、桃花と……私だ、天上院姫、厳密には自由の悪神の方だ。ここまでは良いな?」

「えぇ、……認める。その力を持ってた存在はもう死んでることも、何となく解っている……」


「ただ、問題はここからで、時間を前に、先にしか進まないと勘違いしていた桃花はずっと、時計を、動画を、前進させ続けた。3話で止めてるから当然、胸のピクピクはシャフランが迷わずやり続ける、そこで繰り返している。……止め方を知らなかったからじゃしな。自分で作った動画を自分でコントロールできない自体に陥ってしまった。何故か? そんな力は無いと信じていたからだ、ただの動画・ただの物語・ただのフィクション。……しかし現実はどうだった?」


「……薬を飲んでから胸の鼓動はや早くなり、フィクションはリアルになって行った。医者に治らないと言われて諦めた、それが現実だから……」

「でもある神様のおかげで、……コントロールできることを知った、この世界、現実世界の時間は止められて、過去にも未来にも行き来出来る、例えフィクションであっても、誰かが・皆がフォローしてくれるし。リアルの鼓動もコントロールできそうだ、それが今だ……!」


「……それで、私に何が言いたいの?」

「咲は寝て・夢見てネットワークで遊んでるだけだ、そこにお前の時間が重なってる、もう観ていられないんだ。咲が時々苦しむ姿を、耐えられない、だからお願いだ、時間を……変えてくれ……。新しい時間を作ってくれ、今ある時間を止めて、作り直してくれ」

「……、でもネーム段階で時間は何回も作った、これはどういうことなのさ?」

「正式に何度も動くのは完成原稿だけだ、本当に変えたいシーンは、カラーで描けば良い……」

「でも……できないのよ……」

「なぜ……?」

「そこに愛が無いから……」


「……」

「贖罪で描く、動画に何の意味があるの? 私はシャフランがベストにゴールできる道を作った……、愛があるから出来た、アレ以上のものは作れない!」

「今は違うだろ!? 死に続けるのが愛か!? 殺し続けるのが愛か!? 別に作った動画を消せと言ってるわけじゃない! ただ、ルートBを作って欲しいだけだ!」

「だから、仕方なくで作る時間に私は意義を感じないのよ……!」

「……その時間の永遠の中で……、咲は知らずに眠って苦しんでるんだ、たまに! 桃花の代わりに! それが堪らなく嫌なんだ、だから……」


「だから描けない! 結末も実害も嫌だから仕方なく描く、何て私には出来ない! 姫ちゃんも行ってたじゃない、一度生んだ我が子を否定されたって、彼女の個性を消させはしないって……! それと何が違うの!」


「……、……!!」


「話はここまで、これで心の整理はついたでしょ?」


「そうか、良くわかった……お前が描けない動機がな……、だから戦空の時間に移す必要があった。……なら、私が描く時間なら文句はないよな? 動機なら十分にある! 咲のため咲のため咲のため!!!!」


 それは決定的な一言だった。

「少女は異世界ゲームで名を上げる。を動画化する!! これで文句ないよな!!」

「言うのは簡単よ、……ご自由に、あなたの【愛がなければ描けない】もの、ちゃんと表現出来るか観ててあげる」

「あぁ! 吠え面かくなよ! なのじゃ!!!!」

 それは、最も困難な道のりだった――。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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