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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第34章「タイムパラドックス」西暦2037年7月1日

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第549話「心氣教室⑩色彩型と第4条」

 白と黒を携え世に問うGMが1人、寄り道してきた。

 出迎えるは、煌めく海緑色の瞳をしたただの人間、ギルド受付嬢湘南桃花。


色彩型(しきさいがた)心氣(ハーツ)とかどうじゃろうか?」

 言ったのは姫、ある意味遥か昔からある型の名前をGMは言った。


「……、それって朝日か夕日か判らない太陽のこと?」

 誰がどう見たって話や説明が飛んでいる。

 

 正確に言うには、昔、桃花や姫がカラー絵を落書きして絵描いた太陽型の風景がそのままこの世の王と契約され、彩り。世界が形成されていった。

 そんな事は知らずに世界を作りに作りまくったら、世が荒れ、咲は小説に行き。

 桃花の世界だけが巡り回り続けている。そんなこんなで、色々な色の名前に王が契約をし、その力を行使し。……そんなことをしていたら彩る桃花の世界に、咲はデジタル小説で挑んで抗った……あと黒色のシャーペンで桜愛夜鈴も挑んだ。

 だが、ある意味。盲信した恋愛感情が強すぎるが故に。

 全部返り討ちにしてしまった、という意味が込められているのが。

 〈朝日か夕日か判らない太陽のこと?〉である。


 まるで専門略語で解り合っているオタクそのものだった。

「細かく言うのめんどいから言わないけどさ……虹色じゃダメなん? まぁ型としては既に出来上がってる終わった? 完成型だけどさ、ソレって使っていいの? 例えば二歩ゆずって桜色とか……使っていいの?」

「さあ~? でも使ってみないと判んね―じゃん?」

 もっともな意見であった。


 桃花は、仕方ないと深呼吸をして言うだけ言ってみる。

「じゃあ、色彩型(しきさいがた)精霊(スピリット)を発動、色は桜色(さくらいろ)で、王はその権限で数個……空でも適当に飛んでみてちょうだい。んじゃ、ログアウトして散歩……行ってみる」

「いてらー」

 型としては解るのだが、自分の手を離れてその力を執行できるのか。皆目検討がつかないので困っているのである。

 何せ基本執行する力は黒色だ、想像し創造するものは全部黒色、故に実験が足らず、解らないのである。


現実世界、空は曇天状態の雨で上空の飛行機は目視で確認できず、航空音がちょっと響いた程度で終わったので、即効性も威力も確信に至る情報は得られなかった。


 仮想世界、EWO3。

「飛行機じゃなくて、パトカーで良かったんじゃないか?」

 第一声はGM姫の困り顔。

「心氣系統ならもうちょい高威力と即効性出るかな~と思ったんだけどねえ~」

 これでは型として採用して良いのか微妙である、何せまだ紙面で公式決定化していないのも引っかかる。次とかの本番で高威力が出るかどうか祈るほかない。


「ん~とりあえず保留かな、私にとっては色は色だし、デジタルパレットの色は価値ほぼ平等だしね……」

 中世ヨーロッパの色探しならまだ解るが近未来で絵の具の心配なんてしないのでこれまた解らないのである。……タイプライターならまだ解るが……。

 そもそも黒色の文字で青色の王の力、……とか真似して執行して絶大な力が働くのかも甚だ疑問である。

「まー最初の設定で赤って書いて、3回転ぐらいして赤い炎の剣、とかならまだ解るんだけどねぇ~」

 結局この色彩型の案は保留となった――。



 ギルド内で少し大きな間が生じる、重い雰囲気だ。

 天上院姫が湘南桃花とちょっと話す。そう、ちょっと重い話をする。


「……、桃花。お前確か今、病気持ちだよな? 病名は確か、統合失調症とうごうしっちょうしょう、……だったっけ? なぁ身重な女性、しっかり毎日薬を飲んで安静にしてさ~」

「え、あぁ、まあそうだけど……何? そこまで首をツッコムの?」

「まぁ、そうだが、ちょっと場外口論乱闘するぞ?」

「え、嫌なんだけど。ココだけにして……内密に……」


 GMはある仮説を立てる。

ノックス(・・・・)第4条(・・・)。未発見の毒物や、難解な科学的説明を要する器具を犯行に用いてはならない」


「ん? 何? いきなりミステリー?」

「うみねこの作品内でしっかり出てきたってことは、その病気、その毒、その薬品は、お前が解ける(・・・)ように出来ている事を指してないか? つまり、お前なら解決出来る(・・・・・)って……思っただけだ 逆を言えば簡単な薬品(・・・・・)なら使って良いってことになる」


「……。????」


「作家なら作品で勝負しろってルールは今も継続している。つまり、原理不明、理解不能な技術により、可能とする。は通用しない(・・・・・)、何か意図があるはずだ、お前の身を案じて言ってるだけだ、思考を止めるなよ? 受け入れるな、抗え。愚直に、挑み、突き破れ」


「……ん、心配して言ってるって事だけは解った。ありがとう」


「ん、じゃあまた今度な」

「うん」

 そう言って、姫と桃花は別れた。



 カルテットタウン、ギルドの店の前の外。

「お姉ちゃん用事済んだ?」

「ん、まあ一応」

「じゃーまーコロボックル探しにいくよー!」

「おー」

 一抹の不満を残しながら、GM姫の旅路は続いていくのだった。

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