番外編42「レベル30の冒険者」★
ある日の昼、受付嬢桃花は今日もプレイヤー達の前でわいのわいのと仕事に明け暮れていた。そんな中、プレイヤー〈ああああ〉がレベル10からレベル30になって来店して来てくれたしだいである。
「こんちわー」
「こんちわー、ておおー!? ああああくんじゃないかー久しぶりー! おっといつの間にかレベル30になってるじゃないですかスゴーイ!」
「えへへ、どうも」
「まさかタダのモブプレイヤーかと思って適当にスルーしたのにまた再開するとは」
「え?」
「ままま! こっちの話はさておいて! 今回は何の用事?」
「新しいダンジョンに挑戦したいんですけど、良い所ありませんか? こう拠点型で、ゆっくり腰を据えて冒険したいのです」
「あーレベル30で拠点型か~、それなら良い所があるよ、ちょっと一緒にワープホールへ入って」
「え? はい」
そして入ると、さっきまで人でぎっしり埋め尽くされていた、ギルド中央広場のプレイヤーや冒険者の人数がガクッと2桁ぐらい減った。
「ん? ここは? どこですか、見た感じ同じ場所に見えますけど皆装備が数段上ですね~」
「そう! ようこそ! カルテットタウン第2階層へ~! てところかしら、あ、ハイ。これ地図ね」
言うと、受付嬢が新しい地図を渡してくれた。簡単に言うと世界の上に世界があった、みたいな感じらしい。
「この難易度Nの『無限タワー』エリアとか良いと思うよ? しっかり拠点がただし」
「なるほど、ありがとうございます」
「ふふ、ココまで来るの大変だったでしょ? また会えると良いね」
「はい、まだまだ僕の知らない冒険が待ってるんですね! 楽しみです!」
「はいよ! んじゃ、私はちょいとカルテットタウンの闘技場で解説役も頼まれててるから、そっち行ってくるね! それじゃーねー! またねー! 本当にまたねー!」
言って、爆速でカルテットタウン第1階層へ戻っていった受付嬢桃花。
「はい! まずは拠点と言う名の家造りからです! 頑張ります!」
こうして、冒険者ああああは、〈カルテットタウン第2階層〉から出て南へ行き、拠点を築くのであった。




