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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第32章「全面戦争!VS最果ての軍勢」西暦2037年5月27日

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第533話「全権代理者」

「フルパーティー同士のPVP戦はキツすぎるから、全権代理者を立てるか……確かに勇敢なる海の戦士以外にはフルバトルはキツそうだしな」

「でしょ? 私には弱くても良いから大切な仲間がいる、みたいな」

「だな、理に叶ってる。ここは先人の知恵に乗っとるか……」


 咲はゲーム作品の中から、集団戦の時は全権代理者を立てる。つまり皆の代わりに戦う数人でゲームに白黒付けようという案を出したのだ。

 今まで5人VS5人とかのPVP戦とかなら経験はあったが数十人規模、具体的には今回のような12人VS30人の集団戦なんて、経験が無かったからその考えに至らなかった。要するに、実力不足の放課後クラブの7名をちゃんと全員育成? しなくても別に良いルールが、過去にあった事を咲が見つけて姫に言ったのだ。


 GM姫がその論法で行くと、と頭の回転を働かせる。

「それなら、3対3のPVP戦かな。勝ったらギルド全員の勝ち、負けたらギルド全員の負け……、逆も然り。咲は出るのは確定で、本気ならワシもか……」


 咲は姫の言葉を続ける。

「で、残り1人は修行・特訓だね。誰であろうと実力不足」

「まあ、そうなるか。ちなみにそれなら蒼葉くんと天スズちゃんは論外な、あれはマスコットキャラ的な立ち位置じゃから」


 言いたいことは解るが他に言い様は無かったのだろうか……? と思う咲だったが。そうも言ってられない。何せ相手はあの最果ての軍勢、総合ギルドSランクのランキング第1位だ。

 ちなみに相手にこの話はまだ言って無いが、伝えた場合、同じレベルのプレイヤー同士と戦うか、それとも圧倒的な実力差でねじ伏せられるかはさっぱり解らない。向こう側にはそれぐらい余裕がある。

「まあ、本気の全力なら上から順に。真城和季、キャビネット、不動武、の3人だけど……そんな単純なもんかな……? あいつら」


 不動武とは一度、四重奏戦で共闘したことがある。あの時は、全員の体力を敵味方問わず平等にしてくれて、危機回避してくれて救われた。その1回だけだ。

 他にこれと言って戦闘情報は無い……。下位順位の軍勢とはこれまで何度か当たったが、……今は最強戦力でのPT戦なので、情報としては意味を成さない。

「戦術レパートリーも相手の方が上か~……」

「というか、全レパートリーに対処出来るのが故の最強ギルドだからな? 陰陽五行論とは自然の流れそのものの言語化だから……」


 ギルド、最果ての軍勢。

 簡単に言うとルービックキューブみたいなギルドなのだ、色も形も型もレパートリーも平均値で相手に合わせて変幻自在にバランス良く戦える。元は最終防衛戦線の治安維持部隊のプロ、ここが抜かれたら世界の治安は悪化する、それぐらい強い意志で〈最強〉を極め・論じ・集結させた組織がアレなのだ。

 全員が最強の能力者な上に、全員が最強の物理武器、拳銃も持っている。

 国単位じゃ無くて、国連を相手取ってると言っても過言では無い……。

 だから掲示板でも言われている通り「理論上無理な最強」と言われている。


 ギルド、放課後クラブ。

 方や、放課後クラブはというと。その場でのらりくらりとやってきた、ただのゲームを楽しみたいだけのエンジョイ集団、別に最強になりたくて集まったわけでも無いし。何かその場で仲間になれたから仲間になった。ただそれだけで、楽しいんだけど元々戦闘には向いてない……そんな一般市民集団なのだ。

 いくらGMが居ようと、現実世界の神様が居ようと、結局は小市民。

 戦う前から負けているというのは、このギルドとしての相性の悪さにもある。


 最強を目指している四重奏や、社会的大人が集まった非理法権天だったら、まだやりようはあっただろう。しかし今回はそうのを度外視して考えねばならない戦略的ゲームなのだ。誰も助けてくれない、制限付きのゲーム。自分達で何とかしなければならないサバイバル……。


「とりあえず、エンペラーくんとグリゴロスくんのどっちかになるのが安全パイな気がするけど……」

「うーん、決められないなあ~~」

 女子2人に男子1人を決められるという何とも男子にとっては歯がゆいシュチュエーションである。

 エンペラーは昔から居る古参の廃人ガチ勢の拳銃使い。

 グリゴロスは途中から入ったスピード極振りの政治家の息子。

 ちなみにミチビキは2年生から入った火力極振りの新人、ちょっとこんかいはお呼びじゃない。

 マゼンタもシアンも、今は咲と姫の武器になっているので緊急事態以外ではお呼びじゃない。


 そして、散々悩んだ挙げ句姉妹が出した結果は。

「折角だから2人に戦ってもらおうか?」

「だな、そっちの方が白黒はっきりつく」


 放課後クラブトップ3の席につくのはどっちか?

 の椅子取りゲーム、PVP戦をやることになった。


 と、その時。ピロリン! と姫の方から効果音が鳴った。

 相手は世界1位真城和季、姫がさっきの全権代理者の話を速攻で横流ししたら速攻で返信が帰って来た。まだ作戦会議中だったのにこの姉である。

 それはともかく、和季の内容はこうだった。

《こっちはバイタル、チェン、バハムートで行く。》


 これだけ。プレイヤー名だけで言われても解らないのが咲、解るのが姫。

「どう言う意味?」

「簡単に言うと最強チーム順位、第2位で挑むってさ。つまり弱め手の中の本気」

 いまいちピンと来ない咲に対して、しょうがないと3名のステータスを掲示板からコピペして咲へ送る。ちなみに姫の補足付き。

 

 改めて、最果ての軍勢。最強各チーム第2位のデータはこちら。


《最果ての軍勢、全権代理者3名のデータ》


師団長、バイタル。強化系第1位。ナンバー5。

能力、生命の起源(コアセルベート)。分裂・融合・周囲の物質や能力の吸収などが行なえる。

補足、アメリカ合衆国代表第1位、装備に拳銃持ち。


師団長、チェン。陰陽系第1位。ナンバー15。

能力、和を以って潰しとなす(ツーピース)。指定したモノとモノを平等にする。

補足、中華人民共和国代表第1位、装備に拳銃持ち。


師団長、バハムート。未覚系第1位。ナンバー25。

能力、正体不明の進化者(アンノーンタワー)。指定した能力の未知の可能性Xに上位進化する。そのX進化した理由を説明する必要は無い。

補足、ロシア連邦代表第1位、装備に拳銃持ち。


《以上》


 改めて、それを見た先はそれこそ顔面蒼白にして活気だった血の気が一瞬で潮の満ち引きみたいにサー、と引いた。

「強くね?」


「だから最初から言ってるじゃん! 強い強い強いって!!!!」

 咲の感覚がアホなのかバグったのかマヒしなのかは、この際どうでもいい。

 事の重大さが……抜け落ちている咲。

 改めてヤバイのにケンカふっかけた咲の自覚が少し芽生えた。

 いや……全然萌えないし。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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