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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第31章「心氣教室」西暦2037年5月20日

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第530話「心氣教室⑦」

アレ(・・)やってみるか」

 30秒の攻防は一瞬だった。

 

「――変換(リンネ)……心氣(ハーツ)! 」

「!?」

 和季が能力(スキル)から心氣(ハーツ)へ性質変化の回転を始めたのだ!

 

(あれは!? お姉ちゃんが闇の力を(セイ)しようとした時の動作!?)

 今回は闇の力では無い、光の力だ。


 中パワータイプから、強パワータイプへの変換(リンネ)である。

 当然スピードは遅くなるが、下手したら湘南桃花先生同様の心氣(ハーツ)が飛んで来る可能性さえある、サキが一回死んだアレ、あの指パッチンだ。


 修行1日目からソレが出来る? イヤ出来ない、普通なら(・・・・)、だが相手は世界1位だ! 出来ても不思議では無い!

 

 その中からサキに焦りが生まれるが、元よりスピードタイプ、連撃の型で押し切るしか無い、相手は普通の型から、一撃の型に変換(リンネ)しただけだ。

 その必殺の一撃が来る前に、スピードと数の勝負で……。

 

「潰す!」


 やられる前にやるしかない! 実行された瞬間に、ジ・エンドだ!

 

 連撃! 連打! 連怒!

 サキは目にも止まらぬガトリングガンのような神速が、和季の全身をバチバチと当たる。

 が、和季は心氣(ハーツ)にしたことにより防御力も岩のように固くなっていた。

 サキと同じく全身を薄い心氣(ハーツ)にして薄く(マトウ)行為をしている。

 これでは両者決着がつかない? 否、(リュウ)がある以上、川の流れの速い遅い停滞はあるのだ。流れていない箇所だってある、つまり、弱点を突く!


「狙うは目玉!」

 極悪非道の目潰し! が! ガキィン! と強力な(リュウ)が発動している、激流だ。弱点たり得ていない!


「!?」

「まあ両目(そこ)を狙うのは常識の範囲(セオリー)だろうよ!」


 普通の人体の急所(弱点)が弱点たり得ていない!?

 となると……。サキは困惑するが頭の回転力も高速処理化していた。


アンサー(答えは)……!」


 サキの全身は天上の頂きまで達し、最高地点から急速落下のかかと落としを和季に食らわせた!


バースコート()!!!!」


 パワーを貯めている和季の錬貯(ストック)を根こそぎ心室(サークル)ごとぶち壊す!

 

 パリィン……、と心室(サークル)が砕け散る音が聞こえた。

 

「グフ……!?」

 決定打だった……。

 

 桃花先生は宣言する。

「そこまで! 時間内での決着を確認! 勝者はサキ!」


『うおー!』とか『キャー!』とか『パチパチパチ』とかの歓声が鳴り響く。


 ヒメがサキの傍らに近寄って、走りながら抱きつく。

「うおー! よかったな! 久々の勝利じゃないか!? 良かったよかったー!」


「負けた?」

「世界1位が負けた?」

「いやでも今日初めての授業だぜ?」

「それ言ったら相手も同じ条件だろ」

「サキ様すげー! 俺親衛隊やっててよかったー!」

「サーキ! サーキ! サーキ!」

「白の剣士が勝った!」

「何で勝ったんだろ?」

「自信ついたんじゃね?」

「信じる心が! 俺達の強さだ!」


 桃花先生も拍手をしながらサキの方へと向かう、てくてくてくと歩き……。


 そして一言。

「これは始まりだ」


「!?」

「あんたが本当の自由を手に入れた証拠だよ、選別ながら普通のスキルをやろう」

 言って、桃花先生はステータスバーを開き、サキにスキルをプレゼントする。

 

《サキは、スキル〈空歩(くうほ)〉を手に入れた!》

《サキは、スキル〈エボリューション(ダブル)〉を手に入れた!》


「ただ〈空を駆けるスキル〉だけどさ、今のお前なら使えるだろ。Wの方は……、まあ遊んでみれば解るよ……! 自信(・・)持って冒険しな!」


「は、……はい!」


「……まずは1敗か……」

 世界1位は何を思うのか、それは解らない。が口から発した発言は、割りと真実味を帯びて本気だった。

 

「サキ、……次は戦場で会おう」


「……、は、ハイ! 今度こそちゃんと勝ちます!」

 何か忖度でもあったのか? と思わせぶる発現だが、お互い今度は〈本番で相まみえよう〉という意図は伝わったようだった。

 

 そう言って、最強ギルド『最果ての軍勢』約30名と、そのトップ、世界第1位の真城和季(ましろかずき)は去って行った……。

 そう、まるで……、散歩をするように……。

 

 ヒメは何かを悟るように、和季とは反対方向を向く。

「んじゃサキ次の冒険へ行こう!」

「う、うん! 今度こそ待ってろよおー打倒! 四獣王ミラーライオン!」


 ……。


 遙か遠く、霧の中……、鏡の向こう側からソレを見ていた、四獣王ミラーライオンは。雄々しく遠吠えをし、そして霧の中に走り去って、消えた……。

◆心氣教室◆


~心氣の造語集~

三大心(サンダイシン)心氣(ハーツ)能力(スキル)精霊(スピリット)のこと。

(ショク)。食べ物、料理、元となる食材のこと。

(ココロ)。気持ち、心そのもの、造語ではない。

心室(サークル)。心と心の絆を信じて繋げ合わせた部屋のこと。

錬貯(ストック)(ネル)を貯めて置く行為。

変換(リンネ)変換(へんかん)と書いて輪廻(りんね)と読む、心や魂が輪廻転生するという意味。

心氣(ハーツ)精霊(スピリット)能力(スキル)。努力の結晶。過程や結果に力が宿る。行動と意思が一致してなくてはならない、という誓約がある。その威力は絶大。


~心氣の略語集~

(ヒク)。引く力。

(オス)。押す力。

(ソウ)。想像力、夢想する力。

(ネル)。心室で「力」を錬る行為。

(リュウ)。流れる力。

(ドウ)。勝手に動く力。

(セイ)。支配、制御できてる力。

(マトウ)三大心(サンダイシン)を体などに宿す行為。

(エン)(ドウ)が自然と援護してくれる行為。


~その他、よく使う言葉~

出力、入力、技巧、利き手、右回転、左回転、正回転、逆回転。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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