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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第31章「心氣教室」西暦2037年5月20日

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第529話「心氣教室⑥」

 ――争いは、同じレベル同士でないと発生しない!

 

「というわけで! サキVS和季の組み手を始めます!」

 同じレベルか甚だ疑問だが、少なくとも桃花先生は実力差ありすぎるし、運営であるヒメは闇のコントロール・(セイ)で忙しいし……。となるとやはりこの2人のマッチアップしか無いという事なのだ。

 

 さて、(ココロ)の源となる(ショク)についてだが……、正直良くわからないので。

 手当たりしだいにゲーム内で食べてから組み手に挑んで貰うこととなった。

 具体的には。

 お茶、卵、蟹、牛、ドーナツ、アイス、飴、コーヒー、桃、梨、スッポンの汁缶、チャーハン。あたりである。

 これらの(ショク)を一通り食べ終わってからのバトルとなる。これで戦闘後にお腹の中がカラッポ……となる事態は避けられるとは思うが……何が起こっても不思議ではないのが戦闘である。……いや、組み手だが……。

 

 桃花先生が審判を務める。ルールは(ココロ)三大心(サンダイシン)のみを使うこと、普通のスキルは使わない、もちろん念波も使わない。

 純粋に心氣教室としての技を競い合う戦いとなる。

「制限時間は1分!」


 和季がサキに対して言う。

「別にサキのこと、倒しちゃって良いんだろ? ちゃんと修行したし勝つさ」

「そういうのは負けフラグって言うんですよ? 私だって修行しましたし~」


「始め!!!!」


 両者、右手を胸に当てる。互いに相手に接近、走りながら心室(サークル)(ネル)行為なんてまだ出来ないからだ。したがって制止したままの距離で簡単に言うと力を貯める。

 (ココロ)心室(サークル)を作り、錬貯(ストック)して変換(リンネ)する、出力して互いの三大心(サンダイシン)へ力を(マトウ)……!


 重要なのはその過程が、2人とも微妙に違うこと。

 したがってその結果も違う。2人の努力の結晶は明らかに違う光を放った。

 

 簡単に中略して言うと。

 サキは、右手、(オス)精霊(スピリット)

 和季は、右手、(ヒク)能力(スキル)

 

 格闘ゲームで言うと。

 サキは、右手、弱、弱。

 和季は、右手、中、中。

 と言った戦闘スタイルである、当然威力が大きい方がタメが大きい、錬貯(ストック)が大きいとなる、つまり同じ手を胸に当てている動作でも、スピードが違うのだ。

 

 そして同じ食べ物を(ショク)したとしても、〈何〉を錬ったのかが違う。その(ネル)が違うので錬貯(ストック)も違う。

 何を錬ったかはド付き合い(実食)してみなければ解らない……!


 結果、先手は言わずもがなサキ、後手は和季となる。


 体による身体能力の組み手でない以上、システム上のタメの動作がそのまま色濃く反映される。……もちろん〈実戦〉ではこうはいかない。何故なら地形・天候・精神状態などもろもの条件が違うからだ、条件は全く同じ、と言うことの方が実戦では有り得ないと言って良いだろう。

 

 サキは、右拳に宿した精霊(スピリット)を、密度を薄くして全身に(マトウ)。疑似神威のつもりだろう、そしてその軽さから、神速に(マトウ)を組み込んだ異次元のスピードを手に入れた。

 

 結果、和季の前頭部にサキの軽くて早い拳が当たることになる……。

 

 さて、ド付き合い(実食)の時間だ。

 お互い同じものを食べた、そして錬ったものは何だ? という味見の時間だ。

 味覚が全身を駆け巡る……!

 

 和季が錬貯(ストック)して(ネル)したのは、アイス、スッポンの汁缶、そして牛だった。

 この3単語だけで解るものが有る。


(この人……勝つ気で挑んでる……!)

 

 同時に、サキに触れた和季にもその味覚が駆け巡る。

 サキが錬貯(ストック)して(ネル)したのは、蟹・飴・桃。

 

(あーこれヒロイン的に本気なヤツだわ……!)

 一般人が見ると、「弱そう」とか言いそうな組み合わせだが実は違う。

 蟹には角・刀・牛・虫の合わせ技が入っているし、桃は文字通り桃花の存在を食った事になる。何より一番の問題は飴だ……!

 飴とは雨であり、黄金の魔女が得意とする反魂能力を付加した可能性が非常に高い、これほど精霊(スピリット)との相性も良い味も無いだろう……!

 

 したがって、両者、ある程度のガチだと言うことはこの攻防で読み取れる。

 

 お互いに読み合った結果、どうするべきかの一瞬の長考(・・)が生まれ、距離を取る。

 

「クッ……!」

「ふむ……!」

 

 負ける気では来ていない、勝つ気でいる、互いにそれを読み取った。

 食べて錬って出力したと言うことは不可逆的に待ったや戻るが出来ない状態に他ならない。

 つまりもう後戻りは出来ない。(リュウ)とは元よりそう言うものだ。しかし回転は出来る。

 

 桃花先生が宣言する。

「残り30秒!」


 残り半分、後半戦に入った。

 ド付き合い(実食)は終わったのだ。次は、

 完全敗北(完食)を示して〈ゴチソウサマ〉の時間である。


 デザートは邪魔だ、その場から退け。

◆心氣教室◆


~心氣の造語集~

三大心(サンダイシン)心氣(ハーツ)能力(スキル)精霊(スピリット)のこと。

(ショク)。食べ物、料理、元となる食材のこと。

(ココロ)。気持ち、心そのもの、造語ではない。

心室(サークル)。心と心の絆を信じて繋げ合わせた部屋のこと。

錬貯(ストック)(ネル)を貯めて置く行為。

変換(リンネ)変換(へんかん)と書いて輪廻(りんね)と読む、心や魂が輪廻転生するという意味。

心氣(ハーツ)精霊(スピリット)能力(スキル)。努力の結晶。過程や結果に力が宿る。行動と意思が一致してなくてはならない、という誓約がある。その威力は絶大。


~心氣の略語集~

(ヒク)。引く力。

(オス)。押す力。

(ソウ)。想像力、夢想する力。

(ネル)。心室で「力」を錬る行為。

(リュウ)。流れる力。

(ドウ)。勝手に動く力。

(セイ)。支配、制御できてる力。

(マトウ)三大心(サンダイシン)を体などに宿す行為。

(エン)(ドウ)が自然と援護してくれる行為。


~その他、よく使う言葉~

出力、入力、技巧、利き手、右回転、左回転、正回転、逆回転。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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