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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第28章「高校1年生VR科学科」西暦2037年4月1日

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第435話「おにぎりとドーナツ」

 とある公園のシーソーに二人はユラユラと揺れていた……。

 キー……キー……鳴る音からは元気が無い……。

 落ち込んでるのは天上院姫の方、姉の方だった。


「ネタ切れだ……、深刻なネタ不足だ……」

 そう愚痴を零すのは、散々迷った挙げ句、本気で使える材料が無い事から起こるものである。

 どうやら、

 西暦2037年1月1日から西暦2037年4月1日まで、本気でネタ切れして一人じゃもうどうしようも無いくらい追い詰められたらしい……。


「まあ、流石にこんだけ長く歩くとネタ切れもするよね……」

 と、妹。咲は姉を宥める。ついでに、おにぎりとドーナツを買ってきてくれた。

「明太子味のおにぎり2個と、チョコレート味のドーナツ2個、どっちを食べる?」


「……、明太子おにぎり、2個」


 言うと姉はおにぎりにかぶりついた。

 コンビニ飯、いいじゃないかコンビニ飯。最近のは美味しいし。

 咲はドーナツにかぶりついた。


「最近ゲームしてるお姉ちゃん?」

「……そんなヒマ無い、いっつも作ってる」

「作るのも大事だけど、遊ぶのも大事だよ?」

「つっても、この衝動は抑えられないし……、でも椅子に座っても……、何も浮かばないし……」


 愚痴に愚痴を零した所で、妹の咲は渾身のギャグを披露した。

「下手だなぁお姉ちゃん、……遊ぶのが下手……!」

 賭博とかしそうな顔でざわざわと変顔をする咲。


「なにいィ……?」

 冗談を冗談で返せず、真面目顔で返す姫。もはや鉄仮面である。

「いや、今のは冗談……」

「解ってる、解ってるけど、最近、ネタのキレや、イベントの高揚感、掲示板の実況観や、バトルの没入感がマジで下がって下がって下がって、……止まる気配が無い、これをスランプって言うんだろうなあ~……最近じゃVRや科学、仕舞いにゃ魔術に手を出して。〈ゲームとは何ぞや?〉って所にまで追い詰められて……本当私ダメダメじゃ……」

 言いたいことは解るのだが、横で姫を見てる咲にとっては、マジで頑張りすぎて【遊んでない】のである。そう、【ゲームで遊んでない】これに尽きる。

「ゲーム遊んでないからだよ、最近は漫画は読んでるけど……」


「……、ゲームと漫画のインプットの両立は死ぬほど難しいんだよなああああああああああああああああああ……」

「なんでそうなったん?」

「……、作ってると。ゲームに時間を奪われて、将棋とか無限に終わる気配が無いゲームにハマって、作る時間が減って、作らない。っていう未来が怖い……」

「あぁ、だから最近はENDマークが付かないゲームは避けてるんだ、ソシャゲとか。VRゲームとかソシャゲなのにね……」

「かと言って、最近のゲームはプレイ時間24時間で終わらない! 100時間とか余裕で吸収するゲームが多すぎる! 一生時間を吸い続ける気か! 人生賭けなきゃ終わらねーじゃねーか! あんなゲーム!」

「……、あんなゲーム??」

「グラブル、私ランク90で止まってる」

「まあ、……アレも相当頑張らなきゃメインストーリーも区切り無いもんね……(そして無限に増え続けるイベント欄」

「今じゃコラボキャラだけで本編攻略できそうな勢いだろ……? 世界観ぶち壊しじゃねーか……3ヶ月やってないけど……」

「まぁ、……気持ちは解る……。でも人生賭けて攻略させようとしたの、神様の方のお姉ちゃんだよね」


 言われて、ぐうの音も出ないお姉ちゃん。

「それは……あとから知った……」

「じゃあさ、『せめて24時間プレイで、一区切り付くように作り直せバカ!』ってソシャゲ会社にメールでも送ったら?」

 石頭みたいに硬い頭を、抱えている両手が少し緩む。

「……その手があったか……」


 どうやら、本当に頭の中に無くて、手詰まりだったらしい。

「……、ありがとう。わし、ちょっとグラブってみるよ、1ヶ月ぐらい、それで何か掴めるかも知れない」

「そうだね」

「うん、年休でこう……、5連休・仕事・仕事、を4週間してみるよ……」

「????。あ~、まあしても良いけど勉強はしてね? 私の時のゲームに没頭しすぎ。じゃなくて、作るのに没頭しすぎになってるからさ。違う意味で引き籠もりニート生活だから、それ……(てか高校生活初日の1ヶ月ゲームで引き籠もる宣言してるよこの姉……」

「うん、うん、うん、……ありがとう」


 あーうん、結果オーライだから、まあ良いか。

 (よくない)


 翌日、姉の部屋のドアの前には。

〈1ヶ月籠もります、探さないでください。部屋にいます。〉


 という、止めて欲しいんだか、探して欲しいのか、いや部屋にいるじゃん。

 というツッコミどころしか無い立て張り紙と共に、見事にお姉ちゃんは仕事のし過ぎでぶっ壊れたサラリーマンのごとく、ヒキ籠もりになった……。

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