第423話「魔法科学高等学校2」
〈メタ世界〉
てちてち歩きのゲームマスター、天上院姫は。サブゲームマスター湘南桃花に対して。強さランキングの説明を求める。
「桃花、あの〈白のガンダルフ〉って人はどれぐらい強いんじゃ? 〈中国のゲームマスター〉より強いのか?」
「私が知りたいわそんなん……、とにかく。知らないことが多すぎて今は〈測定不能〉ってことにしといて」
「ん~……おk。わかった、その方向で動く」
桃花はこのお爺ちゃんとは中学時代に会っている、したがって世界を創造するより前の存在。というのが非常に高い。
ただ、ここは魔法と科学の世界。
1986年以前に亡くなっている黄金のお爺ちゃんかも知れないし。その場合は桃花と群は産まれてない。
湘南桃花と秘十席群が中学生だったときに亡くなった親族のお爺ちゃんかもしれない。それが魔法で蘇ってるとか……?
知ってるのは、桃花の父親か、父親の姉か……。ただそれを知ったところで、今現在生きている桃花達に魔法で影響はあったとしても無害なので……。
「とどの所、〈無害ゆえに無敵〉でも良いのかも知れない……」
と、桃花はちょっと汗を流しながら姫に言う。今さら親族に強さランキングとかおこがましいし失礼だし。そもそも意味が無い……。
「そもそも、うちのお父さんが子供の頃の〈ワンちゃん〉が生きてる〈魔法の世界〉よ? 1987年生まれの、私が解るわけないじゃない……! 姫、あんたの方が知ってるんじゃないの!?」
「……、そ、それもそうか。思い出せるとしたらワシの方か……」
「ついでに、アベンジャーズが1970年代で何かをしたんなら。私の産まれる17年前の昔話を親から教わるしか手は無いし。……知ったところでどうしろって話なのよ……、家系図は見せてもらったけど……」
「確かに……今ならタイムトラベルとかで過去に戻れるけど、知っても意味無いな……」
むしろ知らない方がメリットがある、矛盾が無いと言う意味で。
コレばっかりは誰かのリアクション待ちにするしか手が無かった。
〈現実世界、魔法科学高等学校、校内の道中〉
と、てくてく〈ナイショ話〉をしているが。その隠し事さえも、隠し通せるはずも無く……。
「ふぉっふぉっふぉっふぉ!」
と、魔術師。〈白のガンダルフ〉は笑っているだけだった。
ついでに〈守護犬〉まで〈いつの間にか〉憑いてきた……。咲に。
「わ~ワンちゃんだ~可愛い~!」
「わんわん!」
コマ犬だ……。あとメダカも泳いでいた、金魚も空中をそこら辺で空中を泳いでいる。
「おぉ~不思議~。お姉ちゃん、コレ全部本物の魔法なんだよね!? すごーいゲームじゃないんだ! 触れるし本物だコレ!?」
「お、おう。咲が楽しそうで何よりだ……」
と、姫はと言うと。きょどっている……。まあ科学の世界にどっぷり浸かっていたらこうも成るか……。
「ところで咲くん、お主はやはり科学科への見学かのう? ここには魔法科と科学科、どちらを重点的に学ぶかの選択制なのでのう」
白のガンダラフは咲に訪ねる。
「? まあ私達はVRゲーム世界だからやっぱり科学科だよね、お姉ちゃん?」
「ん、あぁそうだな。本物の魔法を覚えても意味無いし……近未来SF科学的なそんな分野の勉強をお望みじゃ」
姫もそれに呼応する。
(関係ないけどお爺ちゃん言葉が2人になった……)
咲が割りとどうでも良い思考を廻らせながら。近衛遊歩は。
「俺、何となくでもここまで来ちゃったけど。良いのか?」
と、今さらの第一発言をした。
学校の生徒達は、現在全員授業中で。咲達は教室の外から授業を眺める。教室内は先生の声のみが響いて来た。
「なるほど、〈空想科学科〉じゃなまずは~~……」
そう言って、色々な基礎知識を最初の頭だけ教わった。重力制御/タイムトラベル/タイムパラドックス/質量保存の法則。と、名前という単語だけ教わった。
~~……。そうこうしているうちに太陽が夕方へ差し掛かり、放課後となった。
「ずいぶん最初の方で時間食っちゃったな……」
「コマ犬ちゃんまたね~!」
「わんわん! わんわんわん! へっへっへ!」
「君たちの入学を楽しみにしとるよ。では今回はここまでじゃ」
と、白のガンダルフは言うのであった。
『ありがとうございました!』
魔法科学高等学校を後にして、結界の外へ出て。現実世界の車と橋のある空間へ戻ってから。
「さて、来週は超人国際総合高等学校の学校見学だからね、忘れないように!」
『は~い!』
こうして、咲達の学校見学は。今日のところ解散となった。




