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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第26章「高校受験シーズン」西暦2036年7月1日

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第418話「9月までには志望高を決めないと」

 現実世界、西暦2036年7月1日。放課後。

 学校全体が受験シーズンへと突入していった……。むしろ他の学校と比べたら遅いくらいだ。

 天上院咲、天上院姫も、その荒波の中を流れてゆく……。


「9月までには志望高校を決めないと……」


「アルバイトの履歴書に一生〈中卒です! 高校へは行ってません!〉っていう奴隷市民みたいな烙印が押される」


「縁起でも無いこと言わないでよお姉ちゃん! ちゃんと行くよ! 高校へは!」


「てゆーか、お前の場合。高校のあと、専門学校へ行くのか、大学へ行くのか。そしてどの企業へ就職したいのかも決まってないからな? 最終的な就職先を決めないと高校選択もミスるぞ?」

「他人ごとみたいに……、そういうお姉ちゃんはどうするのよ?」

「わしは神様じゃし? 天才だから? 咲の進路についていくだけだから楽なもんよ。全ては人間、咲しだい」


「うわ~……ありがたいけど複雑……」

 漫才の相方が居ないと本当にやりずらいので、そこだけは感謝する咲。しかし進路か……受験か……。


「〈出願(しゅつがん)〉の提出は9月から本格的にスタート……。あと2ヶ月で高校を決定しないと、……ヤバいな……」

「ゲームプレイもなあなあだし、人生設計もなあなあだな、我が可愛い妹よ」

「ホントお気楽に、人ごとみたいに……」

「自然放置よりは良いじゃろ?」

 昔はどうだったかは咲は知らないが、コレでも自由の悪神はだいぶマシになっているのだ……。


「エレベーター式だったら良かったのに……」

 コレばっかりは神を呪う。自分も神様だけど。


「ちなみに咲の成績表ってどんな感じになっとるんじゃ? 知らないんだけど」

「えっと、国語5、数学5、あとは全部2です……」


「あ~、じゃあ平均2.5ぐらいの所か。行くのは私立? 公立? わしは私立には通ったことあるけど他は知らないからなあ~」


「通った事がある……? いつ?」


「1週目に。あ、これは聞かなかったことにしてくれ、またややこしくなる」

 と言って、姫は自分で広げた話しを断ち切った。

「あ、……そう……。じゃあ私も私立行こうかなあ~、特に将来も決めてないし」

「イヤ……、高校はそれで良いかも知れないが……専門と大学はそうは行かないぞ……」

「そうなの?」

「わしは軽く私立って言ったけど。あれは学費が高いんだぞ? 交通費も小田原だったから確か片道500円だったような……通学も1時間かかるし大変だったなあ~」

「そうなの?」

「まぁ、平塚市に私立高校あったか解らんが。それがあったらそこに通学することをオススメしとくよ。だって、通学1時間分がゲームに費やせる」

「あ~、なるほどそんな差が……」


「悪いことは言わん。平塚市内にしとけ、固い意思で就職先が無いなら尚更だ」

「あ、それはそうとさ!」

「?」


「例のデスゲームをした人達が通ってたって言う学校に、えっと、学校見学に行ってみたい!」

「あぁ、〈帰還者学校〉だっけ? 名前、何か東京らへんにあるっぽいやつ」


「〈関係あるかも知れないけど〉、デスゲームってお姉ちゃんがやったの?」

「厳密には違うんだけどな~、ミュウ=星明幸=天上院姫。って3次元の人格があるから、たぶん無自覚のミュウがやったんだと思う。たぶん、だって天上院姫が生まれて無い時代だもん」

「あ~、なんかそこも複雑そうだね……」

「うん、なんか巻き込んですまん……」


「良いよ。〈家族の善神〉として生きるって決めたんだから、むしろ、巻き込んでもらって苦楽を共有してもらわないと!」

「は、はは、……ほんとスマン……」

 ちょっとだけシュン、となる姫は複雑な心境のままだった。


「ちなみにお姉ちゃん。2036年に〈帰還者学校〉ってまだあるの? もしかして廃校?」

「ん~、今となっては【無いとこっちが困るので2036年に〈帰還者学校〉は、まだ有る】で、ヨロ。」

「ほほ~(ニヤニヤ」

 咲は弱いところを突けたぜ、やったぜ! と微笑みでお姉ちゃんを視ていた。


「……、あんまジロジロ視るな……!」


「ふっふっふ、勝ったぜ!」

 何に勝ったんだよ、とかツッコミする余裕すら。姫には無かったので。咲はニヤニヤしっぱなしだった。

 めったに無い自称ラスボスのデレだった。

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