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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第25章「強くてニューゲーム」西暦2036年5月1日

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第414話「秘十席群の部屋」■

 西暦2036年5月3日、仮想空間。ギルド中央広場、ギルド受付嬢前。


 湘南桃花は天上院咲を案内していた。

「ねぇ、そろそろゲームして良い? 何か6話分ぐらいずっとゲームと関係ない話をしてるんだけど?」

 無理もない、天上院咲は家族の善神として。〈この世の本当のこと〉を話され続けていた。VRMMOとは関係の無い真実。で、最後にトドメ? (シメ)としての重要人物を湘南桃花は紹介しようと言うのだ。


「結構前から名前だけは出てるんだけどね、本当の紹介がまだだったなって。大丈夫、コレが最後よ。終わったらゲームしてて良いわ」

「よかった、これが最後か……」

 若干もうすぐノルマ達成か、と落ち着いた天上院咲だったが。今度の相手は〈秘密の鍵〉が無いと入れないらしい。


「その人って誰?」

秘十席群(ひじせきぐん)、豪華客船ミルヴォワールですれ違った人。サブマスターよ」

「……、いやそれ伏線にならないって。めっちゃ昔過ぎるよ。で、どの部屋に居るの?」

「不思議な不思議な〈ドアの世界〉の中の映画館です。あそこって一杯イスがあるからね」


 言って、そこら辺にある。ドア口に、湘南桃花は人差し指を認証させる。


〈指紋認証が適用されました、お帰りなさいませ。桃花様〉


「指紋認証ね……」

「まあ、見た目は指紋認証だけど。彼の部屋の世界は。右手で創造した世界と繋がってるって意味よ」

「要するに?」

「つまり漫画の世界」

「はぁ……正直者ですね」

「どうも、ほれ。ついたわ」


〈ドアの世界、映画館広間〉


 言って、ドアを開けると。そこは大画面の映画館と、無数のイスとポップコーンとドリンクが並べられた大広間だった。

「よ! 群! 今は何の映画視てんの?」


「……、無印版アベンジャーズ」

 それが、秘十席群。その人だった。

 咲は話を戻す。

「彼はどんな人なんですか?」

「文字通り、裏で糸を引いている黒幕みたいな?」


 群は、訝かしげに顔を引きつらせる。

「おい~その言い方は無いだろ。折角裏で色々と調整してやってるのに……」

「……、どっち道〈裏〉なんですね……」


「コッチでは雑談部屋とか舞台裏って呼んでる。それがココです」

 映画館で今まで打ち合わせしてたんかい……。とツッコミたくなる咲。


「観客が誰もいないでっかい映画館に3~5人でいつも打ち合わせしてる」

 ここで、桃花は群のことを説明する。

「彼はね、実は私なのよ!」


「……、はい?」


「お互い、自分のことを自分だと思ってるから。恋愛感情のまるで無い幼なじみ。みたいになってるの。五感もリンクしてるから、彼がクシャミするときは私もクシャミする。……みたいな?」

「……ん~。うちのお姉ちゃんとどう違うんですか?」

「私、湘南桃花が活躍してる裏で。〈反転世界〉で活躍してる相棒みたいな? 何なら〈被ってる〉のよ、ココ、重大なネタバレだから」

「はぁ……、で。何で教えたかったんです?」


「あなたのお姉ちゃん。ミュウ=星明幸=天上院姫がゲームマスターなら。サブマスターは湘南桃花と秘十席群はサブマスターって立ち位置なわけ。だから説明して置く必要があるかなって」

「でも、私とは直接会ってませんでしたよね?」

 群が喋る。

「裏ではたまに話してたぞ。お前が〈配役〉を演じられるか調整する感じで、まさに演劇の調整役みたいな」


「ほほー、……でも私にそんな記憶無いですよ?」

「それはお前は今、キャラクターで裏の役者じゃ無いから。ほらややこしくなった!」


 咲は?マークになった。

「私も裏の世界に居た? 記憶が無い? どういうことです?」


「舞台裏で咲はキャラクターを演じようとしているように。今は逆。キャラクターが舞台裏に入り込んだ形だ。だから今混乱してる」


「……、何を言ってるのか解らない……」

「それは〈ココ〉が表舞台だからさ。だから本来、俺は顔を出さない」

 何とか理解しようと努める咲、に群が補足する。

「咲がこの映画館、表の世界から出たら。に元通り戻りココは裏の世界になる。逆に、今入って来たから〈表の世界〉になってる」


「ん?」


「ま、要するにスポットライトの当たらない下っ端が。頑張る部屋、さ」

「そこのサブマスターなんですね。よくわからないけど解りました?」


 湘南桃花が右手をあげて大らかに喋る。

「ここはVR空間じゃ無いから。マジで咲ちゃんと関係ないけど〈こんな世界もあるんだな〉程度で留めといて。とりあえず、今回は挨拶です」

「えっと~……、よろしくお願いします?」

「はいよろしく。んじゃ、表舞台に戻って良いよ」


 というわけで。〈裏の世界〉のドアを閉めて、再びVR世界に戻ってきた咲と桃花でした。


 ……。


「不思議な体験だった……」

「まあ、今まで話さなかった理由も。これで察して欲しいかなって」

「ん~……、解りました」


「んじゃ、VRゲーム。遊んでていいよ」

「よかった! ありがとうございます!」

 そう言って、ようやく咲は。VRMMOの世界、EWO3の世界にダイブすることが出来たのであった。

 豆知識

 単語◇裏の世界

 分類◇世界・空間_舞台裏_メタ世界

 解説◇ここで起こる事は、現実世界の更に上の現実世界。つまり作者の世界と同様の広がりを見せている。表舞台が華やかなように、裏舞台ではその過酷さは厳しいものである。最近はずいぶん丸くなったらしいが……。ある意味、「夢しかない世界」の対局「夢がない世界」かもしれない。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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