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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第24章「3年生編・世界1位」西暦2036年4月1日

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第399話「運営対策会議2」

 西暦2036年4月3日、運営会議室。


 新たな問題が発生したので、解散したゲームマスター達を集めて。急遽再会議を始めた。


「あー。再び集まって来て貰って申し訳ない。今度の議題は【人口AIの寿命について】だ……」


 ザワザワザワ、と話し始めるGM運営陣。

 GM2は口を尖らせる。

「それは私達と話すに値する議題なのですか?」


 GM1姫は返す。

「大いにある。事実、他のゲーム内では人口AIが人の魂そのものになって。世界樹で育った例もある。この問題は、VRゲームをプレイしてるプレイヤー。ゲームマスターにとって、避けられない議題だと考えられる」


 GM1姫は続ける。

「簡潔に言う。ウチのゲームの場合。時間加速度は『等倍』だ、AIも同じ時間を人間達と過ごしている。そこで問題。【彼らの寿命はいつなのか?】……だ。これはさっきのGM会議の話で出てきた。『本当なら、NPCやAIも定期的に新規と削除もしたほうが良いくらいだ!』……という声からも解るように。運営陣のキャパシティーにも限界が近づいていることを意味する」


 GM9は言う。

「つまり。仕事でお金を貰っている我々にも、もはや制御出来ないほど。人口AIの問題が深刻化していると?」


 GM1は鬼気迫る顔で言った。

「そうだ。現にわしなんて『AIの死についてのクエスト』を作ったら、病院送りにされたんだぞ。……まあ妹は悪くないが」


 横で聞いている妹は会議中に「すみません」と頭を下げる、というか恥ずかしい。


 頭のいいGM8は「わかったぞ」と先回りして話を進める。

「つまり。運営の都合で『このNPCの寿命はあと1ヶ月です』と設定したら、愛着のあるプレイヤーからリアルタイムで暴動になるわけか。苦情じゃ済まないと」


 さっきの話をまとめると。AIも定期的に新規と削除もしないと。運営のキャパをオーバーしてしまい運営が出来ない。深刻な事態に発展しかねないのだ。GM1姫は、割と本気で危惧している。

「もしも、仮にだ。ここにいるゲームマスター24人が。プレイヤー達に病院送りにされたら、どうなると思う?」


 その時。事の深刻さにGM全員が悪寒と共に戦慄した。

 GM23は「ははは……」と乾いた声で。

「それじゃ、まるでプレイヤー達の暴動じゃないですか……。こっちは政府も絡んでるんですよ? そんなこと起きるわけ」


 GM20は「そうとは限らないぞ」と釘を刺す。

「GM1姫様が病院送りにされたんだ。全ての人口AIに寿命を設定する。完全に姫様の件のバージョンアップだ。最悪の場合を想定した場合、プレイヤーに【ここに居る全員が病院送りにされるぞ?】、動機も十分だ、不可能じゃない」


 GM10は言う。

「かと言って、加速世界じゃあるまいし。等倍の時間軸の中で、寿命を50年に設定したら。サービスが終了するより長く、人口AIは生き続けることになる。つまり、実質のサービスを続けている限り。AI達は【不老長寿】だ。普通の経営者なら、寿命を普通のプレイヤーがゲームに飽きる直前。1ヶ月から3ヶ月に設定する。プレイヤーもいなくなり、人口AIも居なくなり、綺麗さっぱり俺達の仕事が軽減される……そうなったらいいな……って話だろ……だろ?」


 GM13が剣幕を隠せない……。

「やばいな……、アレ? この問題割とマジでヤバくない? ……俺の感覚がおかしいだけかな?」


 GM1姫がそりゃもう真面目に言う。

「ヤバイと思ったから会議してるんだ。事実、前例がある上、自然放置をしても良いが。優秀なゲームマスター諸君がこの難題に、答えを出さないのはそれはそれで危険と判断したんだよ。詰め将棋だと結構詰んでるぞこれ、もうすぐ王手ぐらいだ。そしてこのAIの寿命問題は、ゲームマスターしか決められない。こんな重要なこと、運営のしたっぱに任せられるか? 責任なんて取れないぞ? 故に、私達が決めるしかないんだ。というわけで、議論の余地はあると思う」


 咲がようやく口を開く。

「余地っていうか。議論するしかない……って感じなんだね……」


 別件で判明した状況、世界同率1位の湘南桃花も。ただも黙して、口を、瞳を閉じて黙っている。

「……、……。……」


 変な霊感があるわけではない咲は「どうしたんですか?」と話を持ちかける。


「いや、変な方向に話が転ばないように。……最悪の状況は避けられたかなあ~とか思っただけ」


「?」


「とにかく、このGM24の総意。……結果論を粛々とつつがなく見守りましょう……」

 湘南桃花にはそれぐらいしか言う事が出来なかった。

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