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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第23章「第3回EMTアース017大会」西暦2027年1月

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第392話「セミファイナル 戦空VSレジェンドマン」

 【10分間立っていたらレジェンドマンは負けて良いよ】


 それがレジェンドマンとミュウとの約束だった。



 警備員達が観客席に居た、野次馬共をどける……。


 この神聖な決闘に、邪魔者も。姑息な策略も許されない。

 ただ、彼ら同士の真の実力をぶつけ合うのみ……。

 

 故に、2人は試合開始前から〈ゾーン〉に入っていた。

 雑念というノイズは彼らには一切入らないように、自分で環境をシャットアウトする……。


 純粋なる力と力の勝負。


 だらこそ、鏡の向こうで悪さをしている者も。影や鏡で反射させようとする不埒ものも。ハッキリ言って邪魔だ。


 男と男の真剣勝負に水を差すなど、言語道断。


 故に、〈その時〉を。ただひたすらに〈待つ〉、純粋な100%の力を発揮出来るコンディションまで、待つ……。


 2人が、瞑想し。精神を研ぎ澄まし、何の音も自身の耳に入らなくなったところで……。

 2人は試合会場に入場した。


 実況と解説は、場外乱闘の一部始終を見ていたが。それに気を取られ過ぎたらこの試合を汚してしまう。

 第3回エレメンタルマスター公式トーナメント大会、セミファイナル。大切な、大切な試合。


 場外乱闘の政治的キャスティング臭など無粋の極み。

 別に無視したいワケではない。ただただ邪魔。

 場外で誰かが死のうが、ハッキリ言って邪魔。


 この試合を正しく実況・解説をするために。全神経を研ぎ澄ませる……。

 余計な不純物は一切入れない。入念にフィルターをかけ、ホコリを取る作業に専念する。

 

 それが決闘だ。


 観客はアクシデントを観に来たわけでは無い。

 ただただこの決闘を純粋に楽しみに見に来たのだ。

 

 そして、心が瞑想を終えたあとに。……ようやく、来る。

 その時まで、待つ。待って待って待って。自分の実力を100%発揮出来る時まで、待つ。


 だから、邪魔者は引っ込んでろ。


 2人は、両目を閉じて。ずっと瞑想している。

 津波が、波に変わるまで待つ。波が波紋になるまで待つ。波紋が全く揺れず。揺らがぬ意思になるまで待つ。


 レジェンドマンから先に口を開く。

「では、始めようか」

 信条戦空はただ短く、一言。

「おう!」


 ゲームマスター舞姫から忠告が響く。

『ただいま、場外乱闘がありましたが。このセミファイナルとファイナルバトルに限っては。試合中に何かあったら場合、試合時間は無制限に止まります。試合会場全てが静寂に満ちたとき、再開し。時間が動きます。以上、何人たりとも両界を犯させない、不可侵領域で、2人の崇高で誇り高く。純然たる実力勝負を。ここに開催いたします! 以上、小物は引っ込んでろ!』


 ゲームマスターも流石に激おこぷんぷん丸のようである。

『では、初めて下さい!』


「「オス!!!!」」


 2人だけの純然たる真剣勝負が、ここに幕を開けた。


 ――カァン!!!!


 信条戦空 国力 5兆4000億円

 レジェンドマン 国力 8兆円


 戦空は、その魔法という名の初手を、ハナッから捨てる!


「全身強化! 5兆円!」


『え!?』


「なるほど、ではこちらも。全身強化! 5兆円!」


 ざわざわざわ!


《試合開始から4分が経過しました》


 元から時間が無いのに〈余計なことに時間を食ったので〉更に時間が減る。だがコレばっかりはしょうがないことだった。


 ――シュ!!!!

 2つの力と力が弾けて消えた……!


『消えた?』

『いえ、超高速で戦っているだけです』

『完全にドラゴンボ○ルの世界ですね……』


 その迫力は鬼気迫るものが有った。大花火を大音量で打ち上げられ、爆発したような空気の振動。地響きが鳴る。


『さあ! 初手で有るだけ出し惜しみせず国力を使う戦空選手! これが切れたら完全にガス欠! 残り4000億円で戦わねばなりません!』

『対するレジェンドマンは国力という魔法を残り3兆円残す形となります。4000億円で3兆円を削り取るのは至難の業でしょう!』


 ドン!


 そうして2人は、刹那の空間の中から再び姿を現し。〈戻ってきた〉そこには驚くべき数字が表示されていた。

『何とレジェンドマン選手の残り国力1兆円になってます! あの刹那の攻防の間に、魔法を追加で使用しなければならない〈何か〉があったのかあああああああ!?!?』

『尋常ならざる攻撃を受けて、レジェンドマン選手。足に来てるみたいですね、体全体にも疲労感が漂っています』

『それでも、戦空選手は全く気を緩めず! この闘争を楽しんでるような笑みです!』


 あんまり喋らない戦空は、ここで口を開く。

「追加の魔法で凍らせようとしたみたいだけど……、生憎ウチはそんなのに縛られる気はさらさら無い!」


「く……! 何て運の良い奴だ!」

 幸運だけでここまで出来るものなのか? いや違う、この幸運は戦空が日頃から鍛えていたからこその……。


 ――必然。


《試合開始から6分が経過しました》


『さーて追い込まれたぞーレジェンドマン選手ー!』

『残り4分、……いや。あと2手でケリつけるつもりの空気ですね』


 信条戦空 国力 4000億円

 レジェンドマン 国力 1兆円


『再確認ですが、国力はマジックポイントですので体力ではありません!』

『見た感じ、体力はレジェンドマン劣勢! このまま終わってしまうのかあー!?』


「いくぞ! こっからがケンカだ!」

「あァ! そのケンカを、私も待ち望んでいた――!」


《試合開始から7分が経過しました》


 あと3分……恐らく次の1手でセミファイナルのケリがつく……、決着がつく……ッ!

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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