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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第23章「第3回EMTアース017大会」西暦2027年1月

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第388話「第3試合 武VS咲」

 第3試合 武VS咲


 戦闘を開始して1分が経過した。

 咲17は息と汗絶え絶えである。


「ダメだ……何の攻撃も通用しない……」


 弾かれたり、跳ね返されたり、透き通ったり。

 相手の出方に合わせて属性を変える。まさに変幻自在だった。


「最長文学少女、咲。プレイヤーの中で一番芸達者なキミが、まさかこれで終わるはずあるまい? 何か対策はあるんだろ?」


「……? 対策? いや無いけど……」


「……」


「?」


「では聞くが。世界最強の僕を相手に、何の〈研究〉も〈対策〉もせずに乗り込んできたと?」


「……、あ~はいそうですけど」


「は~、呆れた。ならキミの実力はそれまでだ!」


「あー! 待って! まだ思いつかないけど今から思いつくから!」


「――知は未知に!」


 ギュン! と〈何か〉に、地面磁石が咲の服をくっ付かせる。

「あー! 待って何やってるの!?」


「――神は信者が居なければ消える存在!」


 ギュイン! と、家族の善神という権能も霧散してしまった。


「わ! 神力が風船みたいに空気が抜けてく……!」


「今のキミは、全能神じゃない。ただの、非力な少女だ」


「あんただって! ただの人間でしょ! でやああああ!」


「――位置入れ替え」


 トリック、咲の位置と武の位置をスリ替えた。


「わ!」


 そして、後ろの背中からズドン!


 〈何かの〉衝撃に耐えられず、咲17は吹き飛び倒れた。

「安心しろ。空気ピストルだ。あいにくキミと違って国力が少なくてな。攻撃100。1兆円」


「わわわわ! 全身防御100! 10兆円!」

 

 ドキュン!

 空気ピストルは防げた。


「た、助かっ!?」

 咲のシックスセンスが反応した。幻影に隠れていた手を掴んだ。


「捕まえた」


「無駄だ」


 ボフン! と忍者特有の煙幕が場を包む。

 その勢いで手を離してしまった。


「ケホ! ケホ!」


 煙の向こうから何か声がする。

 そして何か飛んできた。

「キミにはこれがお似合いだ」


 ボフン! 何かが咲の体を覆う。

「!? これは……!」


「モルボルの毒袋。そのまま毒に溺れてゲームオーバーさ」


〈石化・混乱・バーサク・睡眠・毒・暗闇・沈黙・麻痺・ヘヴィ・バインド・スロウ・ストップ。にかかりました!〉


(ダメだ、何もかんがえふいsぅでぃうあぃうえbふ!?)


「頼みの綱の経験も。神力も。万物の流転の運命の前には無力だ。キミは言葉の揚げ足取りが上手いようだが」


「ういおうぇrh;ふぉういw」


 空気ピストルを構え直す、武。


「攻撃100。国力1兆円」


「;おりhf;おいうぇrh;rをいh!?!?」


「――大自然の摂理には、無力だ!――」


 ドキュン!


「――ピ――! 勝者! 武選手!」

 ゲームマスターがホイッスルを鳴らす。


◆実況解説席


 ほうおう座と湘南桃花がマイクを取る。


『あーっとやっぱりダメだった咲選手ー!?』


『いつものその場しのぎで、のらりくらりとやってきたけど。……今回は長年から伝わる熟練の論理。叡智えいちに絡め取られましたね……』


『てか無策で挑んだんかい! 咲選手ゥー!?』

 

『まあ、無敵理論と本人の情報量の少なさから探し当てろ。は難しいですけど……。それにしても〈あるもので何とかしよう〉で通じる相手じゃ無かったのは納得ですね……』


『ガチ勢なら、当たり前のように対策を考えるんでしょうが。流石エンジョイ勢、……雰囲気で勝とうとしてましたね』


『雰囲気……てことは……。警戒していた最初の1分で勝機を掴んでたらもしかしたら勝ててた?』


『いやーどうでしょ? 素人が拳銃を一分でテキトウに撃つのと。それを知ってプロがゼロ距離で拳銃を撃つような感じですから……。やっぱ情報不足で無理だったんじゃ無いですかねえ~?』


 例えがいまいちだが、言ってることは解らなくも無い。


『というわけで! 皆の予想通り。不動武選手の勝利です!』


『ちょっと流石にエンジョイ勢にはこのトーナメントはキツかったか……』


『まあ、だからこそのエンジョイなんでしょうけど』


◆観客席


「あー私が負けちゃったー!?」


 咲18が咲17の負ける所を観てしまった。オーバーリミッツもこれには同情する。


「まあ、無策じゃしょうがないよ……。てゆーか、これだけの舞台でノープランなあんたも凄いよ……」


「あれ? もしかして誉められてる?」


「……、いや、全然褒めてないっす……」

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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