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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第22章「EWO3始動」西暦2035年11月11日

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第382話「物理型弓術士エンペラー」

 廃人エンペラーは考える。

 咲の足手まといになっているのでは無いか? という想いは無いが、一方で咲と差別化出来てないプレイスタイルなのは薄々感じている。

 

 遠距離で支援したい、そこは変わらない。

 咲が接近戦だから。

 

 影で、銃使いを色々試してみたがどうも自分の肌に合わなかった。

 悪くは無いが咲と比べると何か違う。


 黒魔道士を選んで戦うと言うのも考えたが。咲も魔法使いなので差別化出来てないし、効率も悪い。

 そうやって、ああでも無いこうでも無いと考え続けて1年間。


 未だに自分はコレだ! というものを決めかねている。

 今回も路頭に迷って終わるかもしれない。そんなこんなで決めた今回はこちら。


 〈物理型弓術士〉いわゆるアーチャーだ。

 遠距離で物理技をやって、弓矢に魔法を重ねて攻撃するタイプ。

 

 物理がメイン、魔法がサブの遠距離型。

 プレイスタイルとしての理想像としてはまあ良い。問題は技。戦闘をしている時の使用感、肌感覚。


 というわけで、とりあえず試し撃ち。ならぬ試し戦闘だ。街の外へ出て手頃なモンスターを探す事にする。

 今回のモンスターは今のレベル的に、すぐに死ななくて。動かなくて、何かボーっとつっ立ってるタイプが良い。


 で、出てきたのは。逃げる気がさらさら無い〈メタルスライム〉だ。普通のスライムと比べてバカみたいに防御力が硬いアレだ。


 ……そして、試しに弓を射る……。


 ――カン。


 硬い――……。流石メタル、鋼の矢と鋼の体じゃ傷一つつかない。

「って、モンスターの評価をしてどうすんだ。……こっちは弓の技量を確かめたいのに……」


 とりあえず、何も解らないので。デフォルトで付いていたアーチャー系の技で強い方の技だと思われるスキルを選択し。射る。

「〈ドラゴンアロー〉!」


 エンペラーのプレイレベルからすれば、別段不自然な習得レベルというわけでは無い。

 弓から放たれた矢は、一本の線を描きながら弧を描き。飛び、2本の竜状の青色の雷へと姿を変え、左右変則的な動きに変わり。スライムがちょっと動いても標準を合わせるような動きで。……当たった。


 ――カン。


 硬い――……。

 ドラゴン系の不可思議な物理技とは言え、こうも硬いとちょっと気分の良いものでは無い……。


(物理の矢に、地水火風の魔法を纏わせるか? いや、これだとやってることが咲と同じだ。あいつは地水火風闇光を一気に与えるスキル〈森羅万象のワルツ〉がある。やってることが、咲の遠距離バージョンじゃ意味が無い。もっと咲が使わなそうな技を……毒とかか? 状態異常系の毒・マヒ・やけどを狙った、変則型の物理系魔法か……? いや、状態異常は姫の〈モルボルの毒袋〉でやってる。あっちは、混乱・バーサク・睡眠・毒・暗闇・沈黙・麻痺などなど。嫌らしい状態異常をこれでもかと使ってくる……。これも被る)


 あの2人の姉妹ならではのコンビネーションの間に入って援護するというのも中々骨が折れる。今の状態でも十分変幻自在のリベロガールで、ほぼ完成形と言っても良いだろう。ジ・エンドだ。

 

 逆に、今から付け足しでアレコレ足すと逆効果のマイナス評価ポイントになりかねないほど。2人の連携は完璧で互いの相乗効果で補っている。

 無理に入るのもパーティーに混ざるのも厳しい……。


 メタルスライムは何食わぬ顔で、道草を食っている……。

 ……と廃人特有の、1人で悩んでしまう所に。「話し相手になろうか?」 という体で、天上院姫が来た。

 

「おぉ、この世界のゲームマスター様が。俺なんかに何のようだ?」


「硬いこと言うなって~。同じ咲をおもんばかって試行錯誤する仲間じゃないか。相談には乗るぜぇ~?」


「仲間、ね……」


「そう! 仲間仲間! フレンズだよ! 君は良い方のフレンズさ! んで、今度は物理アロー系って所か?」


「……普通の弓矢じゃ。もう咲と姫を援護出来ないことは解ってる。どっちも神様? らしいし、ただの魔法の弓矢を物理に纏って放ったところで。所詮は付け焼き刃。これじゃ効果的な援護にはならない」


「ふーむ、そうじゃなあ~。文字で形成される。ログ世界ではそれだけじゃ通用しないのも確かに解るし。理解も出来る。弓矢単体では無く、もうちょっと、全体を網羅出来るスキルじゃないと難しそうだな。スキル〈飛行機アロー〉とか〈戦車アロー〉とか〈潜水艦アロー〉とか……何だったら〈空軍アロー〉とか〈陸軍アロー〉とか〈海軍アロー〉とかそう言うのも視野に入って来る」


 (そこまでかよ……)

 と思うエンペラー。やはり考えていることの次元が数階層ほど違っていた。


「ま、しばらく一緒に考えてやるよ。同じパーティーメンバーだからな!」


 エンペラーと姫との、この話はもうちょっと続きそうだ……。

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