第381話「二次創作桃花」
『受付嬢湘南桃花 総受け本 同人誌 R18指定』
無法地帯エリアのVRゲームの空間で見かけたのは、そういう怪しい本を買ってゆくプレイヤー達であった。とりあえず12人は買って持って帰って行った……。
同人誌、つまり漫画である。小説もある。
湘南桃花とオーバーリミッツは同人誌、つまり。薄い本について一応耐性はあるため。その体で話が進む……。
「はぁ~……前もって言って欲しかったなあ~……まるで三次元アイドルだぜ……」
「それ、今さら言う? まぁ元親が東○とかうみ○この二次創作だから、三次創作に入るのかもね」
三次元の自分が二次元の存在になって、オタクたちのインスピレーションであられもない姿になって受け入れられ。買われてゆく……。
ちょっとした奴隷だ……。
「桃花的にはダメだったの? 総受け本」
「いや、ダメって事は無いけど。……いちド素人が。まさか二次創作のエサになるとは思ってもみなかったからさ……」
「良いじゃん。桃花が普段やらないシュチュエーションで楽しめる。私は賛成派だよ?」
「いや、私だって世界を観て回ったから解るけどさ。でもな~……どうも私にはR18Gの耐性は無いみたいで……。そういう表現は抑えない方が良いし、自由にやって欲しい側面はあるが……。生憎、観たくは無いね、特にGの方は全然無理だった……」
湘南桃花のゲーム設定では、R18Gは見えないように、カスタマイズ設定されている。ちなみにR18は観られる。
「今の桃花って名探偵コ○ンもダメだもんね」
「だってアレ誰かが必ず死ぬじゃん。……もう軽くトラウマ入ってるよ……。よって、私の主観でガイドラインを作ると、かなり偏ってるので。神主にお任せですね、うん。元々あそこの庭を借りて遊んでたんだから。私があーだこーだ言っても。全体を知ってる神主の方が上位に来るよ。権力・優先順位」
業に入っては業に従えという事なのだろう。
ただ、今回ちょっと違うのは。それが一次創作で売られている所もあると言うことだ。これは結構かなり特殊。
「たぶん、天上院姫ちゃんの。一次創作願望が入ってるんだろうね。創造神的な位置の、始祖的な位置の」
「まあ、そんなこんなでの総受け本なわけだ」
「前もって言って欲しかった上に。使わせてもらいます! の報告は0.1割りぐらいってのが、また辛いところね。予告無しにホクホクの傑作が出来上がるし」
「しかも完成度たけーなオイ、だからぐうの音も出ないって言うね……」
「まぁ、解った時には解ったで。『あ、そうなの?』って雰囲気だったけどね~。とりあえずガイドラインは無いな、うん無い」
「ただ『言っておいて欲しかった』ってこと?」
「うん、そんだけ。心の準備的にね~……。幻想郷も黄金郷もある意味シュレディンガーの猫箱だし? 別段誰も開けないだろうけど」
「まーうん。その上で受け入れなきゃね。って気持ちにはなる」
なんともオドオドした湘南桃花の心持ちがそこにはあった。
そして、紳士淑女達の妄想に華が咲く。
それをヨシとしているが、桃花的には「う~ん」な面持ち。
「それはそれとして。劇場映画、シン・ウル○ラマン良かったよね!」
「あーうん。もっと真剣にネーム描いとけば良かったと思ったよ」
風とともに今をゆく、
新旧混ざった今に向かって。
世界は混沌の後に夜明けをみる。




