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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第20章「残存する上位空間」西暦2035年9月11日

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第362話「天上院咲の寝不足」

 西暦2035年9月14日、現実世界。夜。



 天上院咲は体の痛みと共に目が覚める。

 

 この痛みを、咲はもう知っている。天災ゴッドジーラに〈成った時〉と同じ痛みだ。

 即ち、人間が、自衛隊が、巨大不明生物に攻撃を仕掛けている。操ろうとしている。【という日本の映画の話だ】。


 なので、咲は。今、ココで起こった事を。【偽らないことにした】。現実世界で起こったことを偽らないことにした。

 四重奏との戦いは、まだ始まっていない。にも関わらず、妄想で【寝たときにシュミレーションしていると言うことは】、仮想世界で【本当に戦っていることを意味する】。


 ――誰が?

 【誰かが。私の代わりをして】

 ――何故?

 【姫に危害が及ぶから】

 ――どうして?

 おそらく【戦争の阻止だろう】そのけん制、警告。【本物の警告だ】遊びじゃない。

 ――どのように?

 ちょうどリスクが居たから【逆撃を使っている】可能性は十分にある。


 ――違うところは?

 【小さな存在に気づくことが出来る】……とかだ。


 よって、放課後クラブVS四重奏のバトルを望まない人が居る。あるいは【人じゃない誰かが】望んでいないから攻撃している。

 なぜ? それは教えてくれない。おそらく【都合が悪いから】……。


「ん~……」


 物語としては駄作になるだろう。つまらなくなるだろう。しかし、それよりも【健康を一番】に考えた場合その限りではない。

 

「ということは」


 天上院咲は更に思考する……。天上院咲は天上院姫に、明確にノーと言う。

「お姉ちゃん。放課後クラブVS四重奏はやっぱやらない」

「ふむ……そうか。一応理由を聞いて良いか?」

 ここでもやはり、偽らないことにした。



「2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件と同じ事はしない。全ての空が繋がってるなら、同じ失敗はしない」



 明確な理由と動機はそこにあった。たまたま咲の時に当たった必然かもしれない。しかし、現に咲の時に、体の異変が起きている以上。眼を背けるワケにはいかない。

 【自分で何とかするにはこうするしかなかった】、という理由。


「……そうか」

「一応聞くけど、仮想世界でダメージを受けたら。痛みは伴うの? 現実世界で痛いと実感できるの?」

「? うんや、そんな【設定はしていなし】。するつもりもない、どっかのメモ帳に書いたかもしれないが、咲の物語に組み込んだ記憶は無い」

「なら。【部外者がお姉ちゃんのゲームに土足で踏み込んでる以上、このイベントは願い下げだわ】、やる気が失せた」

 それは姉のゲームへの明確な違反。――咲の明確な怒り。


「そんな卑怯で、姑息で、お姉ちゃんが純粋に私を楽しませようとして作ってるゲームに。ご都合主義を混ぜた世界を、私は許せない」

「ふむ、――わかった」


《イベント中止のお知らせ。何者かがご都合主義でイベントを妨害したので。閉幕イベントは中止とさせて頂きます。》


 それは世界が望んでいるのか、誰かが望んでいるのかはわからない。

 しかしそれは、天上院姉妹にとっては不都合で、面白く無くて。閉まらなくて。何より誇りも、約束も、誓いも、名誉も傷つける。最低な悪手だった。

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