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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第20章「残存する上位空間」西暦2035年9月11日

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第360話「VS増勢ディアボロウニ2」

 ――1770、1760、1750――。

 カウントダウンが減っていく。だが、その数字の減少が恐ろしく長く感じてしまう。

 無理も無い。はぐれメタルが1秒間ずつ10匹に増殖してゆくのだ。怖いなんてモノじゃ無い。

 とにかく硬い! 神速で速い! 戦車の大砲が飛んで来る! 大玉花火が爆発する! そして真骨頂、1秒間で10匹増える!

 怖いなんてもんじゃない! 誰だこの無理ゲーを考えた奴は!?

 Aランクプレイヤーが走力をあげて隙を与えず間髪入れずに攻撃してスタン、仰け反りやガード状態にするが、それでも止まらない!

 流石〈天災ゴッドジーラ〉と同等の獣王だ。ハンパねえ……! 唯一の救いはこのモンスターは物理型で、魔法らしい特殊効果を一切使ってこない事だ。


 ――1740、1730、1720――。

 幸いにも皆、今は元気なので総力戦で攻撃に当たっている、……が。硬すぎて誰も1匹も倒せずにいた。

 そして、ステータス画面に無慈悲に敵の総数が表示されてゆく……。絶望があたりを包んだ。

 

《増勢ディアボロウニ×1万0000匹に増殖しました!》

《増勢ディアボロウニ×10万0000匹に増殖しました!》

《増勢ディアボロウニ×100万0000匹に増殖しました!》


 Aランク冒険者が悲鳴をあげる!

「誰か! 誰か一匹でも倒してくれー!」

「誰だ! 一匹一匹は弱いとか言う偽情報を出した奴は!?」

「一匹一匹が強い……! (語彙力」

 それでも増殖は止まらない!


《増勢ディアボロウニ×1000万0000匹に増殖しました!》

《増勢ディアボロウニ×1億0000万0000匹に増殖しました!》

《増勢ディアボロウニ×10億0000万0000匹に増殖しました!》


「ヤバイヤバイヤバイ!?」

「数字がゲシュタルト崩壊してる……!」

「今何匹!?」

「10億、100億、1000億……オワター!!!!」

「走るゾンビの比じゃねえよ!?」

「流石【エンドコンテンツ】、倒させる気が無いw」

 このあたりからお手上げ状態で死亡するプレイヤーが続出した。

 流石、〈四獣王〉と呼ばれるだけある圧倒的な数量……!


《増勢ディアボロウニ×1兆0000億0000万0000匹に増殖しました!》

《増勢ディアボロウニ×10兆0000億0000万0000匹に増殖しました!》

《増勢ディアボロウニ×100兆0000億0000万0000匹に増殖しました!》


《第1拠点は崩壊しました――!》


 Aランク冒険者は言った。

「数字が多すぎてわからん、今何匹?」

「今は100兆匹」

 逆に冷静になり悟りを開いたプレイヤー。これが一回死んだら終わりのデスゲームだったら、間違いなくこの世の終わりに見えただろう。


 Aランク冒険者は言った。

「ダメだ、手が付けられない。というより手が足りない!? 手数が足りない!?」

「コレは遅延ディレイ、または時止め系の魔法が無いと無理だ!?」

「あー第2拠点がー!?」

「ていうか! 増殖上限いくつだよ!?」


《第2拠点は崩壊しました――!》


 ――1740、1730、1720――。

 もはやAランク冒険者100人が、アリンコの群れのように小さな存在感になってしまった。


《増勢ディアボロウニ×1000兆0000億0000万0000匹に増殖しました!》

《増勢ディアボロウニ×1京0000兆0000億0000万0000匹に増殖しました!》

《増勢ディアボロウニ×10京0000兆0000億0000万0000匹に増殖しました!》


 Aランク冒険者は言った。

「獣王ってレベルじゃねーぞ!?!?」

「おい! ディエルさせろよ!?」

「キャー!? 死ぬー!? 誰か助けてー!?」


《増勢ディアボロウニ×100京0000兆0000億0000万0000匹に増殖しました!》

《増勢ディアボロウニ×1000京0000兆0000億0000万0000匹に増殖しました!》

《増勢ディアボロウニ×1垓0000京0000兆0000億0000万0000匹に増殖しました!》


 Aランク冒険者は言った。

「第3拠点がやられるー!?」

「タダで死ねるかー! 食らえー! 〈時止め〉!!」

 すると不思議な事が起こった……。

 1匹、たった一匹のディアボロウニを止めることに成功した。つまりこのモンスターには魔法は効くし、〈時止め〉も効く……!

 が、消費MPの減り方がおかしかった。


 そのAランク冒険者のMPは5000という高い数値だった、それが1秒後500、2秒後50、3秒後5……。そして4秒後には0になり。〈時止め〉を持続出来るMPが切れた。

 よって、増勢ディアボロウニは再起動する。


「な、……一匹3秒しか止められなかった……! グアー!?」

 その冒険者は汚い花火となって散った。


《第3拠点は崩壊しました――!》


 ピー! という終了音が鳴る。


《ゲーム終了。二獣王、増勢ディアボロウニは姿を消しました。ディアボロウニは何処か違うエリアに移動しました。ヒント情報はありません、自力で探してください》


 サキは親玉から眼は話さなかった。ターゲット補則も完璧だった。だが、それ以上に増殖力がケタ違いにおかしな事になってしまった。

 他のエリアに去ってしまった以上、獣王との再戦も難しい。プレイヤー達は検証班との反省会の時間に入った。


 天上院咲は思った。

(前情報から予想はしてたけど、お姉ちゃん容赦ないな……)

 

 ――結論、相手にならなかった。

 豆知識29◇#時止め

 分類◇#スキル #上級職業 #白魔導師 #EWO2 #第20章

 解説◇白魔導師レベル100で覚える上級スキル。あくまで目安だが、MP5000ほどの冒険者ならMP500ほど消費して発動する。演唱時間は長く10秒間。白魔導師レベル80ほどで遅延ディレイという下位互換の魔法も覚える。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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