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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第20章「残存する上位空間」西暦2035年9月11日

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第356話「妹の世界、姉の世界」■

 その後、ゲームマスターにおねだりして二獣王の居場所を聞くという、一般プレイヤーからしたらチート行為をして。

 どうせ初見じゃ勝てないだろうと思って〈投擲〉をしてやられたあとに。つまり当然のように負けた。生なウニの情報を手に入れた後。

 (ちなみに場所は海辺の海里)


 ピコン! と咲のステータス画面にアップデートが入った。


《全プレイヤーに〈豆知識図鑑〉をアップデートしました、図鑑は自分の力で埋めてください。》


「お、お~。これが新しい図鑑か~。お姉ちゃんもちゃんと仕事してるんだねぇ~」

 と思ってから図鑑を眺めたら……。


 豆知識の連番号は今後のアプデで変動する可能性もあると記載されていたが。

 それにしたって〈全文検索〉と〈分類検索〉が便利すぎて度肝を抜かれた。


「うわ、何じゃこりゃ!? マジで便利なんですけど……!?」


 今までの情報がボタン一つで見つかる事に驚愕していた。

 ウニの強さにも驚いたが。今までのアクションログを検索出来る、全文検索。豆知識図鑑の検索能力にも驚かされた。


 衝撃的で驚きっぱなしだったので、刺激が強すぎると思い。今日はこの辺にしておこうと、ログアウトした。

 それほどまでに革命的で、興奮で中々寝付けない程だったのだ。



 西暦2035年9月13日、現実世界。


 日をまたいで13日の夜1時……。寝ぼけ眼の鬱状態に入ってしまった天上院咲は、PCでEWO2の攻略掲示板を探しながら、眺めながら瞑想する。


 神域にまで到達した、今だから解る。

 ご都合主義で身勝手で、でも誰もが幸せになれる世界を姉は作れた。


 ――本当に?


 ――実は寄り道で作った世界が、偶然、たまたま幸せになっただけじゃないか?


 神域にまで到達した、今だから解る。

 姉が本命で作りたかった世界は失敗作だったのか? 


 ――本当に?

 ――実は著作権の問題で、皆のものにできないから公募で落とされただけじゃないのか?

 ――本当はラストを作り直したかったけど、時間切れで仕方なく公募に出したせいで。自分で落としたんじゃないのか?


 神域にまで到達した、今だから解る。

 姉はどこか違う世界へ旅立ってしまうのか?


 ――、……逆だ。

 ――姉は元の世界へ、自分の故郷へ帰りたいのだ。


 私が主人公ではなく、戦空が主人公の。今までずっと夢みてきた世界へ帰りたいのだ。

 では何が彼女を妨害させている?


 ――私だ。

 私と、皆との。こっちでの関係を切りたくないから。なあなあに時間だけが過ぎていったのだ。

 

 だから姫お姉ちゃんは帰れない。

 私との関係を切りたくないから。

 ではどうすればお姉ちゃんは望む未来へ帰れる?


 一番なのは様式美で言うと、私達家族が引っ越すことだ。私の世界からお姉ちゃんの世界へ。そしたら、世界を消すとか作るとか言う話にならないはずだ。ただ隣町へ移動する、それだけ。


 ゲームの世界は、お姉ちゃんが望んでたからOKなはず。

 だが、主人公が私という事だけが。お姉ちゃんの足を引っ張っている。

 この場合、他人の人気云々は度外視だ。数字が良かろうが関係ない。

 

 ――第一希望は私の世界ではない、それは確かだ。


 例えば。

 一番最初の初心者の頃に書いた小説が落選してから9年経った。

 1年目で3作品書いてから、4作目を書いてなくて9年……。


 ではもし、今から【本命の作品を公募に応募したら……?】どうなる……。


 何が正しくて、何が間違っているかは解らないけど。

 きっとたぶん、相手も解ってないんだ。しかしソレは、無難なものを選ぶ。ではきっと無い。

 足並みがそろっている以上、本当に面白いもの、本当に売りたいもの以外は通らないんだ。たぶん。


 自分が「これはプロットだけど公募に出しました」って思ったら「これはプロットだけど公募に出しちゃったやつだな」って相手も読み取る。文字通りの意味で。


 だから当たらない、と考えるのが【自然】だと思う……。


 だから、私がやるべきことは。

 私は――……。



 と、雑念だらけの瞑想ゾーンに没入してしまった中で。ふと掲示板のスレッドの中から目に止まったのは……。

「ん? スキル項目だ、何々。伝説の19連撃……?」


 豆知識_第356話「伝説の19連撃」

 分類◇秘奥義_限界超越_EWO2

 EWO2、このゲームは通常スキルMAX6連撃が最大である。これは全職業・全スキル・魔法や不思議な技でも共通で例外はない。スキルとスキルを組み合わせるとその例には入らないが。システム上は、第1フェーズは通常MAX6連撃。第2フェーズの上限開放をするとMAX12連撃。 第3フェーズの最終上限開放をするとMAX18連撃。そして、最終フェーズの限界超越をすると発動可能。この伝説の19連撃は独自の固有ルールがあり、19連撃は『愛が無ければ撃てない』とシステム上で決定してる。


 ただ闇雲に剣を振り回して19回攻撃することは可能だが。技・スキルとして発動するには相当な付加価値と発動条件をクリアしないといけない。その変わり威力や効果はケタ違いの性能を誇っている。

 18連撃までは理論上可能とされているが。19連撃は前人未踏の大記録で、それを成功したプレイヤーは今のEWO2には居ない。


 と言うのも、11連撃でさえ。NPCが永遠に死亡扱いされるか、プレイヤーが仮想世界または加速世界で3年間練度を重ねないと発動できない領域なのに。

 16連撃だって第1層から第100層のダンジョンをクリアしないと到達できないレベルで夢のまた夢なのである。

 加えて17連撃はプレイヤーが仮想世界または加速世界で8年間練度を重ねないと発動できない領域と記録されている。

 そして18連撃はそれら全てをクリアして、『真実から出た誠の行動でないと発動できない』というルールだったり。とてもじゃないが条件が重すぎてまともに発動できるものでは無い。しかし、理論上はこれがMAXで可能として扱われ。現在、18連撃のスキルを発動できるのはEWO2に5人ほどしか居ない。

 

 そして、伝説の19連撃であるが。これを扱えるプレイヤーは前人未踏で存在しない。誰も到達したことの無い新天地、それが伝説の19連撃なのである。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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