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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第19章「LDO」西暦2035年9月4日

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第350話「難易度ハード、イベント終了」

 ゾンビ達の猛攻が止まらない――。


「ぜい! ……ぜえ、ぜいん……!」

 MPは回復したが、今度は体力、HPが悲鳴をあげていた。


 わかったこと、10000ログで十分体力切れを起こす。


 そこへおじさんが声をかけてくる。

「何だ? もうへばったのか、別にイベント失敗でもいいぞ? 他のプレイヤーが何というかわからんがな」

 サキはまだ頑張った方だろう、マルチタスクだ。眼の事情を話せばわかってくれる。

 しかし、1個人の事情で皆のイベントを失敗にさせるのも忍びない。

 何より、前回の豪華客船より。色んな意味で弱くなった事を示しているようにも感じて。それはそれで嫌だった。


「ん~、かと言って動ける体力も無いし……」

 HPの話では無く、現実世界の肉体の話だ。精神力が枯渇しているとも言う。

 動けないもんは動けない……。それはそういうゲームだ。遊びだ。

 

 おじさんも、他の親衛隊も。うま~く状況修正してカバーしてくれている。上空も難なく攻防は問題無く機能している。

 機能していないのはサキ自身のほうだった。


 目の前には無限湧きのゾンビ……。

 終わるか、休むか。

 並の人間なら、未開の地のイベントで10000ログの情報収集をして帰ってきてくれたのなら。それこそ上出来だろう。

 しかし、……未開の地のイベントで10000ログの情報収集をして死にました。

 だと、それはそれで後味が悪い……。

 サキは、念のためにお姉ちゃんに通信網を使って聞く。

『お姉ちゃん、イベント失敗ペナルティってある?』

『あるぞ』

 なんとどっこい、あるんだこれが。


『全体責任で、全員の習得アイテムが半分になって終わる』


 今、サキはまともに戦った中だと。〈海賊の眼〉×50個を入手しているので。イベント失敗をしたら半分の25個になって終わる。しかも、それがどれだけ重要なアイテム素材かと言うことも知らずに。だ……。

『とりあえず。失敗ペナなしだと思ってたよ……』

『まあ、今までそんな失敗無かったからな。サキは』

 前進しか知らない、サキならではの失態である。


『お姉ちゃん』

『なんじゃ?』

『それはそれでプレイヤー達の阿鼻叫喚な叫びを聞けて楽しそう』

『鬼畜かお前は』


 ちなみに。

『ちなみに個人的なデスペナルティもあるぞ、イベント中限定だが』

『どんなの?』


『自身が1回死ぬ度に、全てのステータスが半分になる』


『鬼か! 悪魔か! 社畜か! それ再復帰させる気ねーじゃねーか!』

『まあ、難易度ハードだし?』

 ぐうの音も出ない言葉が返って来た。

『ウグッ!』

 つまり、一回死ねば。もう、まともなプレイングは絶望的と言うことだ。せいぜい一回も死んでないプレイヤーを死なせまいと、盾に成ることしか出来ないだろう。


『関係ないが、課金すればステータスは元に戻る』

 ここでまさかの課金要素。

『お姉ちゃんもテキトウだねえ……』

 今は大将、サキが西陣形に来たから。〈海賊の眼〉は西を視認している形だ。そのせいもあってか、ただでさえ弱そうな西に。ゾンビが集中砲火を放ってくる。

 そこへおじさんが。

「嬢ちゃん、ここは一回中央に帰って体制を立て直しな! はっきり言って邪魔だ!」

「うぐ! 無双するつもりだったのに!」

 もっと自分が〈眼〉に慣れていればこうは成らなかっただろう。しかし、無茶な動きは無茶な動きだ。リタイヤが嫌なら、撤退するしか無い。

「じゃあ、この場は任せた! 頑張れおじさん!」

「あいよおぉおおおおおー!」


 こうして、サキはゾンビ達の〈眼〉を一心に背負いながら。ある意味囮と成るべく。中央へと戻った。



「状況は?」

「ん~状況も何もサキ以外は皆、絶好調かな~……見渡す限りは」

 どうやら、へばってるのはサキだけだったようだ。

「後半戦だし、テントでも張って寝るか?」

「中央だからってそんな悠長な事してたら、勝てる戦も勝てないよ……」

「……、それもそうか」

 そして今までの経験も踏まえて……。

「んじゃ今度は北陣形に行ってみるわ、シャンフロさんと話してみる」

「ケンカするなよ~」

「しないよ! それとエンペラーとグリゴロスの様子も観てくる。お姉ちゃんは行く?」

「な~んか今までのサガかな~……行く気がしない」

 話をしている時間も惜しい。

「むう、じゃあ行ってくる!」

 そうして、HPを持ってる道具でてきとうに回復。

 早速、北陣形に足を運ぶサキであった。



「状況は?」

「見ての通りゾンビばっかりだよ!」

「なあなあ上の方のバハムートの眼、あれレアものだったりしないか? 取ってきたいんだけど」

「それ今回の目的じゃねえ! 今回は防衛が目的!」

 それもそうだった、なら。豪華客船の沈没がバットエンドなわけだ。

「どれぐらい倒しましたか?」

「こっちは200! あっちは220! 俺は300!」

「私は50……、完全にお荷物な件について」


 と、その時。ゴッドジーラが。

 グゴゴゴっと口に向かって、エネルギーを貯め込んでいる。

 バハムートはソレを〈破局〉で薙ぎ倒そうとするが効かず……。

 

 ――ピカア!

 ――轟音。


 全てを焼き尽くす業火を吐いた。

 破壊光線はバハムートに見事当たって命中。

 ゾンビバハムートは粉々に砕け散った……。

 敵の大将がやられて、海賊ゾンビ達は退散していった……。

 

《防衛戦イベントクリア!》

《西暦2035年9月6日、18時30分。イベント時間30分、ゾンビ撃破合計数5124。合計ログ数約12000!》

《各種報酬は、自身のマイルームでお受け取り下さい!》


「あぁ、何だかんだでイベント終わったのね……」

 個人的にはあと5000ログ稼ぎたかったという過去の想いもあるのだが。……結果は結果だ、受け入れよう。

 プレイヤー達は豪華客船ミルヴォワールから、リミテッドデータログ・オンラインのホームルームへ転移した。


「ということは、次は報酬受け取りターンか!」

 と内心ワクワクしながらマイルームへ足を運ぶサキであった。


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