第327話「4Cエリア上空」★
第7話 4Cエリア上空
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4Cエリア、NPC街、その上空。
Cランクギルド『世界観探索隊』は、ドラゴンに乗って飛んでいた。
「さて、この調子なら2分で主戦場に着くね!」
「あぁ! つってもまともなゲーム対戦でSランクギルドには勝てないと思うんだが!?」
農林水サンの言っているとことは当たっている。
いくらこの二人に運営権限があったとしても、ここはゲームの世界だ。ルールの中で戦わなければルール違反で失格になるのは重々承知だ。
「! 赤いお婆ちゃん止まって!」
「! ――……来る!」
サンの視線の先には浮遊する物体3人が待ち構えていた。そして紅蓮の炎の双翼が巨大な火力となって襲いかかる。
フェアリーマザー・ドラゴンは、その炎を辛くも〈妖精のバリア〉で防ぎきる。
オーバーリミッツの真紅に防御力で勝った。
ゲームマスター農林水サンが吠える。
「来たな! Aランクギルド第3位! 非理法権天! わしらとガチでバトルするつもりか!?」
代表者としてアリスがその問いに答える。
「私達は非理法権天の分隊です。Bランクギルド第5位、金色の八咫烏。3人で一組のギルドです!」
ヤエザキは「アリス? 初めて会う顔ね?」と新顔を眺めていたら。桃花先生が答えてくれた。
「私達、桃花とリミッツの『お姉ちゃん』つまりは、姉貴よ~!」
こりゃまた厄介そうな重要人物が現れたと思う天上院姉妹。そりゃあそうだ。あの桃花とリミッツの義姉妹と来たら、厄介じゃ無い方がおかしい。
ヤエザキはピンと来ないのでお姉ちゃんに「あのアリスって人、どれぐらい強いの?」と聞き返すと。「立ち位置的にはワ〇ピのエ〇スと同等の立ち位置じゃ」と、帰ってきた。……ヤバイ。
「つまり、リアルタイムの同時代制だと。『革命軍のナンバー2』レベルか~う~ん。実際に戦ったこと無いから何ともな~」
どうやら実感が沸かないらしい。
魔法使いアリスは、可愛い人形をばら撒き。糸でそれを繰り。浮き。操りだした。
「じゃあ、お手合わせってことで。戦ってみる? 咲お嬢ちゃん? サシで」
農林水サンは「受けてみろ」と促す。
「こんな機会めったに無いぞ、私もアリスの実力を観ておきたい」
「お姉ちゃんが言うなら。……わかった」
そしてヤエザキは、「勝った方がこのエリアをいただく、って言うルールでどうですか!?」とアリスに言い。「ええ、良いわよ!」と金色の八咫烏もこれを了承した形となる。
《4Cエリア上空で、ヤエザキVSアリスのPVP戦が開始されました!》
◆
【序盤】EWO2総合掲示板【合戦】
【ヤエザキVSアリス!? どどどどうなるんだ!?】
【ももも餅つけ! まだ合戦は始まったばかり!】
【あちこちのエリアでドンパチが始まったぞ。どのエリアにもエリアボスが居るから、そいつ倒さないとエリア占領にならない】
【決着がつけば一気にエリア埋まりそうな予感】
【何マスぐらい埋まるかな……5マス?】
【エリアの色埋まったら勝ちじゃなくて、制限時間までに色が多い方が勝ちだからな? 色が埋まってからが本番の陣取り合戦】
【終わったら、一気に8マスぐらい埋まると予想】
【てことはいったん戦況を見守るしかない訳か】
【戦闘するってことは負傷するってことだから、回復班もしっかり対応するんだぞ!】
【焦らずしっかりな! みんな!】
【3CのSランクバトルは何かもう凄いよ、花火みたいになってる。屋台があったら最高だったのに……】
【メシ食ってる場合か!w】
【速報! 4Cエリア上空の決闘決着! アリス選手の勝利! 詳細不明! ヤエザキ選手は5Eダブル王国にリスポーンした模様!】
【ふぁ!?】【速い!?】【内容みせろよ!?w】
【4Cエリアはデュオ王国に占領されました!】
【ぎゃー!?!?!?】
【ももも餅つけ! まだ勝負は決まってな……】
【3C! 4C! 1B! 3A! 4A! 5A! が、デュオ王国のエリアになりました!】
【3E! 2E! がダブル王国エリアになりました! あーこれはまずいっすね~!】
【とりあえずヤエザキだ! ヤエザキの治療を!?】
【こんなに速く決着がつくもんなのか~……】
◆
その数分後、集まったSランクギルドが猛スピードで各エリアを制圧。全ての陣地のエリアがダブル王国とデュオ王国エリアで埋まり。空白が無くなった。
デュオ王国16エリア、ダブル王国9エリア。
ここから、残り制限時間2時間による接戦が始まる。




