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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第2章「雲の王国ピュリア」西暦2034年5月1日

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第35話「第1次姉妹喧嘩2034◆2」

「目を覚ませ咲!」


 咲とフェイは互いに歩み寄り歩幅はだんだん早くなりそして全力疾走で互いに顔面パンチを食らわせた。ちょうどクロスカウンターみたいな形で両者顔面にパンチが当たった。二人ともよれよれになり互いに体制を立て直す。

「お姉ちゃん、決闘をしよう」

「PVP戦か? それで咲の怒りが治まるのならやってやろう」


「それでお願いがあるの、私が勝ったら、フェイの設定を変えてあげて」

「……まだ言うか……だからそれは無理だと……」


「じゃなきゃお姉ちゃんのこと一生許さない」

「……わかった、ただし私も全力でやるぞ。私が勝ったら夜更かししない、勉強もする、ちゃんと真人間になってもらう、いいな」


「うん、いいよ」

 互いに武器をステータスバーから取り出し構える。


「お姉ちゃん…」

「なんじゃ? 我が愛すべき妹よ」


「最終決戦のつもりで行くよ…」


「……」

 姫はその言葉を聞いて理解した、いつも言う口癖のようなものだが、今回はドスが効いていて言葉に重みがあった。

「もう一度警告するよお姉ちゃん、最終決戦のつもりで行くよ!」

「…ああ、わかった。じゃあ童も…最終決戦のつもりで行くぞ!」


 ドン! 二人は地面を思いっきり蹴り、スタートした。

 こうして二人の姉妹喧嘩が始まった。

 咲と姫の姉妹喧嘩が始まった所で間が悪いがシステム説明をしておこう。咲がゲーム中ステータスを開くと名前、所持ゴールド、プレイ時間の欄が記載されている。そしてそれ以外の詳細なデータは別のアイコンとして表示される。~~~…………。

 以上でバージョン1.0.2のステータス画面の紹介を終了する。


 ここまでが咲が知っている一般的なルールだ、そのルールの中で咲は自由に遊んでいる…のだが〈姫は初撃から咲が知らない技を放った〉

「念波! 掌波!」


 3D空間がぐにゃりと歪み、その歪みのまま咲の方まで到達し衝撃波を与えた。空間が歪むのが見えていたので剣を構えてガードしようとしたがそのガードをすり抜けで当たった。防げなかった、防ぎようがなかった。

「咲……お前は言ったよな…最終決戦のつもりでやるって…だから私は出し惜しみをせず…このゲームを知り尽くしてる運営として…裏技を使ってお前を倒す!」

 姫は構えなおす。


「か……は、な……なによそれ……!」


「念波! 眼力!」

 突如として姫は咲に怒りの眼光を放った、その気迫はライオンが遠吠えをして威嚇をしたような絵も知れぬ迫力があり、ゾワゾワゾワっと鳥肌が立った。

「今のはただの威嚇だ…これ以上は…」


「な……なにがなんだかわかんないけどフェイのために負けるわけにはいかないのよ!」

 咲は姫に向かって走り出す、そしてフェザーソードで切り付ける。その攻撃を姫は〈素手で受け止めた〉


「念波! 鉄甲!」

 姉の皮膚は鉄のように固く、ダメージを通さなかった、ノーダメージ、ガードすらしていない。


「な……」

「念波! 掌波!」

 続いて謎の攻撃により腹部あたりにまたも衝撃が走る、咲はたまらず膝をつきそのまま倒れた。


「約束通り健康に過ごしてもらうぞ」


 咲の脳裏にはチャットをした時の禁断の秘奥義の言葉が頭をよぎっていた。

スズ【ん~それは「秘奥義の制約で二度とゲームをできなくなっても良いからすごい力を手に入れたいって制約したらどうなるの?」って話】


スズ【それがさー出来ちゃうみたいなんだよね~制限一ヵ月とか1年とか、まあその制限に見合った能力が思いつかないから皆やらないんだけどさ】


 姉である姫は何をやって来たのかわからないがとにかく知りうる全力で挑んでいるに違いない、だがしかし、咲はこれ以上パワーアップする方法は〈エボリューション〉〈エボリューション2〉そして秘奥義の〈エボリューション3〉しか知らない。それ以外は技量でカバーしなければならないのだ。その技量ですら圧倒的に勝てないのは一目瞭然、いや、まだ一太刀しか浴びてない、まだやれるはずだと咲は思う。


「約束通り健康に過ごしてもらうぞ」

「まだ……終わってないよ!」

 咲がフェザーソードを振り上げる、それを華麗に避ける姫、そのまま流れるように掌底の構えをとり……。


「念波! 掌波!」

 またもダメージが外側ではなく内部にダメージを与えるような攻撃を姫は繰り出し。咲は彼方へ大きく吹き飛ぶ。


「説明がまだだったな、念波の説明、咲にとっては何が何だかわからないだろう」

「……」


 倒れこんだまま片目を閉じ辛そうな顔をしながら咲は無言の威嚇をする。

「これは3D空間を歪めて一種の3D酔いを引き起こす代物だ、ゲームは情報を伝達し相手に電子記号として脳に直接伝える、それの強化版だ。もっともこれには欠点があって使用者の体力を大幅に削る欠点がある、現実世界で疲れるんだ、ちょうどマラソンをした後のような症状に陥る。よく漫画とかに出てくる未知の超能力とかあるだろ、それだと思ってくれればわかり易い」


 姉である姫が言いたいのはつまりこういう事だ。ハ〇ターハ〇ターの念。ジ〇ジ〇の奇妙な冒険のスタンド。ワ〇ピースの覇気そしてこのEMOの中ではどうやら〈念波〉というのがそれに当たるらしい、不思議な力、第六感、特殊能力。


「さっきの念波・掌波は3D空間を歪めて拳に集中させそれを放つというやつだ、念波は念じる波動。掌波は飛び道具になる、眼力は相手を威嚇する技、大抵の対象はこれを受けると気絶する、そして鉄甲は3D空間の内の物質の属性を金属にした。よって腕が鉄のように固かったと言うわけだ。ここまで親切丁寧に教えるのはお前が我が可愛い妹だからに他ならないぞ」


(相手を気絶させ…飛び道具を放ち…更には空間内の属性を変化させる…はっきり言って無敵じゃない!)


 咲は絵も言えぬ反則感を味わった、だがそれで負けを認めたらフェイの死のループはずっと変わらないままだ、負けるわけにはいかない。せめて〈エボリューション〉状態になれれば……。


「咲……お前の思考が手に取るようにわかるぞ、エボリューションを使いたいんだろう。いいぞ、待っててやるからなってみろ」


「……ならお言葉に甘えて…後悔させてやる! エボリューション!」

 全身からオレンジ色の気合のオーラが立ち込める、クールタイムは15秒、それが終わった後に次の〈エボリューション2〉に移行できる。しばし15秒ほどの緊迫した間が発生したのち15秒のクールタイムが終了する。すぐさま咲は〈エボリューション2〉の状態に移行する。


「エボリューション2!」


 咲は地面を蹴り疾走する、青色のオーラが体を包み込み〈エボリューション2〉の効果時間は1分、その間にケリをつける!

「念波・全身鉄甲」

 目にも留まらぬ速さで姫を切り付けるがカキンカキンカキンと体から金属音が鳴りHPゲージも減少しない。


「全く効いてないぞ我が妹よ! 念波・掌波!」

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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