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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第15章「ゼロから」西暦2035年7月15日

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第307話「第2次姉妹喧嘩2010◆2」

 剣線が飛ぶ、銃弾が飛ぶ、魔法が飛ぶ。

 それら、咲と姫に降りかかる火の粉は全て、仮面木人シェイクは防いでいた。

 両方、頭の中には言いたいことは山ほどある、だけど言いたいことが多すぎて。あるいはまとまらなくて声に出ない。互いに沈黙を保ったまま、しかし先に動いたのは姫だった。両の拳を強く、強く握る。


「お前に、お前に、咲に何がわかる!? 始めはただの姉妹だった! それが天才ゲームクリエーターになった! ここは自分の意志だ! 本物だ! しかし途中からお前は神だ社長だと祭り上げられて! 神が溶け込んでると知って! 咲にしか相談できず! でも全てを話すことは出来なくて、裏通りで壁にヒソヒソ自分語りしか出来なかった! お前に何が分かる!? 唯一神だぞ!? 神はこの世にたった一人! 同類も居ない、話し相手も居ない! 全てを知っているのに全てを語れない! 語ったとしても一部だけだ! 他の奴らはさっさと居なくなる! 私と同じ時間を歩いてくれる人なんて1人も居ない! なのに世界は私を放っておかない! 神を信じる!? 信じない!? 知るかそんなこと! 何年前の話をしてるんだよ! 設定山盛りのボツタネ山盛りなのにそのための犠牲って何だよ!? 知るかよ! 勝手にやってろ! 神にも成れない! 社長にも成れない! 咲の姉にも成れない! わかるだろ!? 気づいてたからこんな話になるんだろ!? そうだよ! お前の知ってる姉はとっくの昔に居なくなってる! 神である私が支配してしまった! でもしょうがないじゃないか! したくてしたわけじゃない! 全ての心は繋がっている! 境界線何て引けない! 溶け込んじゃったんだよ! 薄れて行ったんだよ! お前の姉は! もう乗っ取り終わってるんだよ!! 愛すべき我が妹とか、言葉だけで! 字ずらだけで! もう咲の知ってる姫じゃない! お前の知ってる天上院姫は! もう! いないんだよ!!!!」

 貯め込んで貯め込んだ洪水が溢れ出す。感情が溢れ出す。したくてしたわけじゃない、そうなってしまったのだ。それを今の今まで考えることも避け、話すことすら出来なかった。自分はただ1人だったから。

 だから咲は言う。

「じゃあ。次は私のターンだね、行くよ……」

「あぁ! 来い!!」

 咲は咲で想いのたけをぶつける、叫ぶ!

「言えよ!! 私は天上院姫じゃありませんって! 家族でしょ!? 姉妹でしょ!? 何なら仲間でしょ!? どんだけあんたと過ごしてきたと思ってるの!? 溶け込んでるとか気づいてたわボケ! 何で相談しないわけ!? どうすれば良いかって助けを求めないわけ!? ラスボスだから!? 悪者だから? 悪党だから? 悪役だから? 知るかそんなの!! 間接的だけど助けてくれたヒーローだっていたじゃん! なんで助けてって言えないの!? 自分のことが解らない!? んなの私だって知らないわよ! 自分のことが何者かなんて、中学生で自我が確立してる同級生なんて見たこと無いわ! そんなことで私が縁を切るとでも思ってるの!? するわけ無いじゃん! 家族だよ!? 姉妹だよ!? そりゃお父さんお母さんに迷惑をかけたことだってあったし、無傷ってわけにもいかないかもしれないけどさ! でも家族じゃん! 悩んでるならうち開けてよ! なんで私を信じてくれないの!? 家族と、姉妹と距離を置こうとするの! 私達2人の絆ってそんなに弱っちいものだったの! 適当に話そらして、核心に触れないで! なあなあに話や、会話や、言葉を紡いでたなんてわかるわボケ! もし仮に、あなたの中に天上院姫が居ないのなら! 私の中の姫お姉ちゃんを教えてあげるわよ! 私のお姉ちゃんはね! 変態で天然で実は凡才で! 私のため私のため私のためって言って、行動原理は全て私を中心に動いててバカわかりやすくって! 私が寝たら私の所に添い寝してくるバカ変態のことよ! あんたみたいにクールで! イカれ野郎で 中二病全開なだけの! ただのナルシストじゃないわよ! 名前を名乗ったところで! 心まで騙せると思ったら大間違いだよこのわからずや!!」

 そして咲は大きく息を吸って、思いっきり吐き出す。


「あんたはあんたを信じてるかもしれないけどね! 私を! 天上院咲を信じてよ! 姫お姉ちゃん!!!!」


 まるで50万文字分の齟齬を埋めるような静寂が、そこに発生した。

 縁なんて、運命の糸なんて、因縁の鎖なんて。千切れたらくっ付ければ良いじゃない!


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