第305話「オーバーリミッツ1995」
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
西暦2010年、フランス西海岸、モン・サン=ミシェル。にタイムジャンプしてきた2人、そこでは激闘が繰り広げられていた。
空は暗く、赤い満月が世界を支配している。
真のゲームマスターたる湘南桃花とはここで別れて、今度は駒の湘南桃花と会うことになる。が、その前にオーバーリミッツと。どのタイミングで会うかシェイクと会話することとなった。
「話を聞く限り、やっぱりリミッツさんが一番キレてるところ?」
「いや、ゲームだけどゲームじゃないんだ。無理に戦う必要はない、どうしても必要になったら俺が戦う」
「なるほど……、じゃあ桃花さんには悪いけど。……やっぱり痛い目に会ってもらおう、本人も望んでやってるしね」
そうなってくると問題は『未来の神楽スズの乱入』と『未来の桃花の乱入』あたりだろう。そこから先は滅茶苦茶ゴチャゴチャになる。
「で、私達の目的は【原作者が了承できるくらいの】流れを繋げる……だっけ?」
「いや、【そこじゃない】」
「ん?」
仮面木人シェイクが核心を言う。問題は目では見えない概念の方だ。
「乱入者は時期は違えどその場を収めたいのは一緒だろう。ヒーロー達も動いてるし、そこは仲間達を信じれば何とかなる。一番の問題は、創造神ミュウ……【お前の姉が知らないことが大原因だ】。視覚出来ない概念の世界で、妹のお前が姉を説得させて理解させないとこの話は治まらない」
「つまり、神域を支配しろってこと? 私達2人が」
「そうだ、俺が戦う・嬢ちゃんが説得。それしかない」
本当にそれしか無さそうだ。
「でもお姉ちゃんがいた場所って……どこだっけ?」
「記録には残ってない。いや、まて! あるぞ! 一つだけ! 奴が地に足ついてた場所が!」
「どこ? 私は知らない」
「咲はそもそも生まれてないし、姫は神だからな。オーバーリミッツは罰神・天上院姫は罪神。同じ神なら、元は同じ場所で地に足ついて無きゃおかしい。ロボットとしての俺の記録が正しければ。ちょっとややこしいが2010年に神ミュウは1995年【にも居た】ということになる!」
ややこしいにも程がある!
湘南桃花が小学2年生の時、その時確かに神様は地に足をつけていた記録が、記憶がある!
「今でこそ神様と話しまくってるがな。荒れ狂う神を治めるにはそれしかない」
「えーっとてことは。日本の神奈川県の、……どこ?」
「神奈川県の平塚市の松ヶ丘小学校に飛ぼう! そこまでなら足で追える!」
「よし! それで行こう! オーバーリミッツ1995! 場所は日本国の松ヶ丘小学校!」
そして演唱呪文を唱え始めてタイムジャンプする咲だった。
【祝え! 時空を超え、過去と未来を指し示す時の王へ命ずる! 我と汝が力もて、等しく正しく導くことを! ここに誓う! 極大魔法『運命時計』!】
◆
西暦1995年、日本国、松ヶ丘小学校前。
「で、そのお姉ちゃんはどこ?」
「名前は知らんが小さな公園の所だ! 走って行くぞ!」
「あ! うん!」
ダッシュダッシュで走って行く2人だった。と、しばらく走っていく内に。1つの寂しい声が響いた。
「二度と遊びに来るな!!!!」
――――――ッ!!
響き、響き、響く――ッ。
神にも届く最強の悲鳴が、創造神をこの場に留め続けていた……。
留まりし思念。
いた。
(あれが、私が生まれる前のお姉ちゃん……)
そこには、静寂と哀愁が漂っていた。
ここが、着火点。始点。神が生まれた場所。全ての始まり。ここで創造神を止めなければ、追跡は不可能だ……。
説得するには、ここしかない!
「お姉ちゃん……」
そこには、姿形がまるで違う。少女が立って泣いていた……。涙を流していた……。
ずっと、ずっと……そこに立っていた。
泣いている少女は、独りぼっちで立っていて。立ち尽くしていて。【今ある全てを理解して】そして、……呟く。
「咲か……」
原点回帰し、地に足をついた。幼い現人神がそこには居た――。
元凶がいた。
戦うか・説得するか。
それとも…………。
Q、オーバーリミッツと天上院姫って同一人物なんですか?
A、たぶん、W・ダブル。みたいな、感じ、なんじゃないかな????




