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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第14章「同じリングで戦う」西暦2035年7月6日

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第286話「最果ての軍勢を倒せ!」

《蜀帝匱縺ョ譖ク縺ッ豸医∴縺セ縺励◆縲!!!!》


「あん? なんじゃバグた」

「どうしたのお姉ちゃん?」

「いやあ、表示を観ての通り文字化けした」

 ヤエザキは観ると、こりゃまた見事に意味不明な文字列が並んでいる。

「ありゃあ~、こりゃまた見事にぶっ壊れてるわね~……原因はわかるの? 治せる?」

「まあわかってはいた事じゃが、処理能力の限界じゃな。《出来ないものは出来ないぜ!》と悲鳴を上げておる」

 ということは、出来るところまで要望を下げれば出来るようになる。ということだ。

「やっぱステータス表記に無理があったか、変えるぞヤエザキ」

「うん」

 言って農林水サンは「システムコマンドID天上院姫」と言ってから、【ステータス表記の数式や構造そのものを変更した】こればっかりはどうしようもない。出来ないのならば、出来るところまでレベルを下げるしかないのだ。


 ガチャリ!


 ヤエザキ

 冒険力――8

 成長性――2

 総合力――16

 弱点―――果断速攻系

 特性―――エンジョイ勢……メインシナリオ以外の行動に対して成長性が+1される。


 農林水サン

 冒険力――7

 成長性――2

 総合力――14

 弱点―――物理攻撃系

 特性―――運営権限……基礎ステータスの上下変動が不動で変わらない。


 仮面木人シェイク 

 冒険力――9

 成長性――2

 総合力――18

 弱点―――火

 特性―――仮面召喚……仮面木人を召喚する。特性はカードを基準にする。


「ステータスの名前そのものが変わっちゃったわね」

「説明いるか?」

「また変わるかもしれないから、とりあえず落ち着くまで保留で」

「さいですか、折角数式作ったのに……。でも今回は簡単じゃぞ」

「ほう、どんな? 折角だから聞いてあげる」

「どっちじゃよ……。まあ言うて簡単じゃ。冒険力がたし算ひき算、成長性がかけ算わり算。総合力がイコールじゃ」

 農林水サンで言うと。7×2=14となっているだけだと言いたいらしい。

 面白いのは特性の方で。例えばヤエザキの特性『エンジョイ勢』だと、メインシナリオ以外だと成長性が+1される。

 つまり、今のヤエザキの計算式は。8×3=24なのだ。

「ふむ、つまり。ド〇ゴンボールの戦闘力を3倍にしただけってことね」

「難しさ5倍は、このゲームじゃ限界突破じゃったというオチじゃな、まあ大人数でやるソシャゲじゃ。簡単な方が良いに越したことは無い」

「ついでにレベルも消えたか……了解」

 と、言うことで散々無言を貫いた湘南桃花に話しかける。


「あんたらさあ、私NPCじゃないのよ? 何でそういう立ち位置かなあ?」

「めんごめんご」

「諦めてください」

 湘南桃花の仕様上どうしてもそうなってしまうのだ。

「まあいいけど……あんたらこの後何やるの?」

「それが決まってないんだよな~」

「ね~。こんな時は桃花さんが次のクエストを案内してくれる立ち位置だと思うんだけど」

 桃花は首を傾げて悩みながら困る。

「……て言われても。……じゃあいよいよもって【新しいゲーム】に挑戦してみるとか?」

「というとアレか」

「?」

「そう、アレ。つまり『最果ての軍勢』討伐クエストよ」

 今の今まで絶対王者として度々出現してきた、ギルド『最果ての軍勢』。個にして最強、束ねて無敵。をキャッチフレーズにその強さは多のプレイヤーを大きく引き離している。

 まず、チームとしての完成度がずば抜けている。

 簡単に言うと……。


 【力は知に勝ち。知は理に勝ち。理は未に勝ち。未は愛に勝ち。愛は力に勝つ。】


 最果ての軍勢ルールの原文はこっち。

 【人は宗教に勝ち、宗教は論理に勝ち、論理は未知に勝ち、未知は愛に勝ち、愛は人に勝つ】

 という巡廻プレイが徹底されている。この流れは逆にも廻る。

 【物質は人を生じ、人は愛を育み、愛は宗教を作り、宗教は忘却し、忘却は物質を生ず】

 


 例えるなら、火水土でそれぞれ最大攻撃力を叩き出している各プレイヤーが、束になって連係プレイをしているようなものだ。

 だからどう足掻いても非の打ちどころが無いのだ。それぞれが長所も短所も補い競う。

 いわゆる最果ての軍勢の中だけで、社会巡廻が出来上がっているのだ。だから、変なよそ者や。奇をてらった俺ツエエ要素が出てきても。だいたい自然の論理に当てはめて論破してしまう。

 文系だろうと理系だろうと、戦う気すら失せるぐらい。戦わずに勝ってしまうのだ。


 強化系第3位に君臨している『数字絶対主義カウントインフレ』のアインなんかが良い例だ。彼女は数字という名の常識を破壊してしまう。

 例えば、「私の総合力を【53万の所を1とする】。そこので能力発動! その1を99にする!」とかやられると。

 53万×99=総合力5247万! とか叩き出されてしまう。

 コレなんかまだ軽い方だ、数字の限界点を破壊することを目論む彼女だったら無量大数以上の数字を叩き出してぶっ壊すのを喜々としてやってしまう。

 ……それが強化系。『力は知に勝ち』の部分だ、明確な必勝法は『愛は力に勝つ』の部分に有るので。これまた最果ての軍勢の中で完結巡廻してしまう。


 戦う気すら失せる。

 それが絶対強者たる由縁だ。


 桃花はそんなクエストを受けようとする2人アドバイスする。

「ま、各個撃破だろうね。普通に考えて『あいつら30人ぐらい』をまとめて相手にするとか、この世界じゃ誰も勝てないわ」サノスを30人相手にするようなもんだし

「ちなみにそのトップが、この前の闘技場で審判をしてくれた。不動武な」

「あぁ、あの人ね」

「じゃ、私からのクエストはこれね」


《クエスト発生! とりあえずギルド『最果ての軍勢』の誰か1人でも撃破してみれば?》


「やるぞヤエザキ! 新しいゲームの駒だ。挑戦しない手はないぞ」

「てゆうかそれ以外に遊び道具が無いだけでしょ」

 「まあやるけど」と言って、ヤエザキは決定ボタンを押す。


《はい。を選択されました、クエストを受注します》


 こうして、無茶無謀なクエストが開始された。

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