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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第13章「少女は異世界ゲームで名を上げる。」西暦2035年7月3日

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第279話「最終回。ヤエザキ杯:咲VS戦空」 

 モブ看護師に「全回復させます」と言われて。ステータスが初期状態に戻った。

 

 実況者ジャンプはVS桃花の事を説明するのも忘れ。次の戦場へ切り替える。

『さー! 泣いても笑ってもこれが最後だ――! 最終戦は天上院姫VS浮遊戦空です! 選手入場――――ッ! レディイ――! ファイト!!!!』


「大丈夫、大丈夫……。いつものように最終決戦のつもりでいけば。勝機は……、可能性はまだある……!」

「…………」

 ――瞬間、葉っぱが1枚フィールドに舞って来た。その葉が咲と戦空の間に映る。その瞬間――。



 チッ ドゴン



 え? 何が起こった? 咲が? 宙を舞って? 殴った? 誰を? 戦空が咲を? 激闘は? 終わり? てことは? 一撃? ワンパン? あの姫と桃花に勝った咲が? 一撃? もっとあるでしょ? 手に汗握る何かが? え? 無いの? 終わり? 完結? ジエンド? HP0だ? え? ……え?


 背景が白く発光する中。少年は立ち、少女は倒れていた。一瞬で数多の死闘があったわけでは無い。ただの一撃。それで終わったのだ。咲と戦空の心と心のぶつかり合いが。勝敗は戦空の心が強く、咲の心が弱い。その結果だけが、闘技場に映っている。それだけだった、それが全てだった。

「――…………!?」

 咲の身体が地べたに張って動かない、瞳の中のハイライトだけがかろうじて動く程度の虫の息。

(私の心が、今の攻撃で……折れた……?)


「根性は認める。正直負けてやろうかと思った」


「?!」

 動かない体を必死に振るわせて、気絶寸前の魂でそれを聞く。

「けど『やめたくない』、て想ってる奴が『やめたい』て言うのは。


(やめて、それ以上は。そこから先は言わないで……)

 心で思っても、体が、口が震えて動かない。


「やっぱ、良くない」


(あ、あ、あ……)

 力が、心が脱力した。


「誰も言わないならうちが言う。ゲーム、やってて良いんだよ。続けてて良いんだよ。遊んで良いんだよ。人気? 知るか。うちもお前もそんなの本当は求めてないだろ。欲しいのは、この知らない世界を隅々まで遊び回りたい。て心だけが『大事』なんだ」


「あ……。」

 天上院咲の『理解者』が今ここに現れた。

「本気の戦い! 楽しかったぜ! へへ! またゲーム誘ってくれよな! んじゃ今日はうちもう帰るわ。じゃあな!」

 言って、観客の視線何て気にも止めずに。彼は光の粒となって消えた。

 

《浮遊戦空がログアウトしました。》



 ――終わった。

 ――プレイヤーそれぞれが、それぞれの想いを胸に終幕した闘技場を後にする。

 ――彼らは彼らのプレイが待っている。

 ――そんな中、闘技場へ駆け寄る天上院姫が天上院咲の上体を起こす。

 

 そして姫は言う。

「あいつは、最強の壁として。君臨し続ける。そういう存在であり続けることを、選んだってことなんじゃないかな」

「お姉ちゃん……」

「他のプレイヤーはともかく。私や桃花や、戦空の想いは。伝わってくれたかな?」

 姫は咲の手と手を握り住めて言う。

「うん、伝わったよ。全力の3人の想いや。強さってやつが……」


 ――生かされた。それが正しい。

 ――だから彼女、咲の物語は終わらない。

 ――皆がいる限り、終わることは無い。

 ――そう受け取った。


「あぁ、楽しい……」


「そうか、それはよかった」

 ちょっとはエンジョイプレイを貫いた甲斐があったというものだ。と、思った。



 現実世界。西暦2035年7月4日 放課後。

「さーて! 今日もログインするぞー! こっからはEXステージだ! もうちっとじゃけ続くんじゃ!!」

 俺達の戦いは続く。で、終わっちゃったけど。まあいいか。

 私達の旅は、終わらないんだ。


 これからもずっと続いて行くんだ――。


 少女は異世界ゲームで名を上げる。 

 ――完結。


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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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