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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第11章「浮遊城の夢」西暦2035年4月24日

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第251話「スキル〈リ:スタート〉」

「そんな気合入れなくても良いじゃない、まだ第4層なんでしょ?」

「いや、それは。ごもっともなんですけどね」

 姉妹間の私情しか入っていなさそうである、間接的な姉妹喧嘩と言っても良いかもしれない。

 今は、攻略組・最前線攻略組・全クリ攻略組がマスター承認試験用ステージを散策中である。

 しかし、ヤエザキは。

 攻略を優先せず、浮遊城ダンジョンから転移門で抜け出し。ギルド中央広場の湘南桃花受付嬢の所へ戻っていた。まさにエンジョイプレイヤーである。

「ちょっと第1層から第3層まで一気に駆け上がったから疲れた」

「そりゃそうだ、生ライブ観てたけどありゃそうなるってばさ」

「……今度から観るなら、時が止まってる動画にしてくださいね?」

「……善処します」

 生々しい話はこの辺で終了して、いつもの平静な話題に戻ることにする。

「で? 何したいの?」

「何しよっかな~」

 まさかの考えてない、である。

「そういえば受付嬢桃花さんって、普段何してるんですか?」

「何って……、普通に「クエストくれー」てプレイヤーにクエストあげてるだけだけど? あ、ちなみにNPCも普通に来ます」

「それ以外は?」

「あとは暇つぶしに、他のプレイヤーの動画を観てる程度よ。〈鷹の眼〉みたいにそのままリアルタイム干渉なんてしないわさ」

 そりゃそうだ。

 いきなり高校最高の男と高校最速の男がバスケットボールでゾーンに入ったって他のプレイヤーがついて行けない……。

 なんて偶然が、そんなホイホイ300円ぐらいで売り飛ばされて良いはずがない。

「ヤエザキっちもみる?」

「う~ん。じゃあちょっとだけ」

 そしてライブ画面を覗き見る。観るとそこには第1層に居る鳥頭プレイヤーが、何か上級者プレイヤーに囲まれて祭りになってる……。いいのかコレ?

 ヤエザキはその高速な剣捌きを目で追うのが精いっぱいだった。

「明らかにレベル差がありますけど。1レベルの人の方が場慣れしている……?」

「あーそれは最前線組がやり直してるのよ。強くてニューゲーム? というか、転生というか。【リ:スタート】ってやつ?」

「リ:スタート?」

 リスタート。再開させること、再出発すること、または再起動。

「たまに起こるのよね。原作小説が漫画化してアニメ化して映画化してっていう、同じ内容をもう一度繰り返す時間や時期が」

「ほほう」

「他のゲーム作品では『ウェーブ』とも呼ばれてるわね」

 ループモノの作品にはあまり詳しくない、桃花とヤエザキだったので。ここでは詳しく説明せず、そういう単語が出回ってるという認識だけは記憶しておくことにする。

「〈リ:スタート〉や、〈ウェーブ〉の強みは。物凄く速度が遅い人が、高火力を出せる所よね。鈴ちゃんの奥義【過去に戻って誤差修正】も、この〈リ:スタート〉とは相性が良い。どっかの誰が作ったオリジナルスキルか知らないけど。過去を斬る剣、〈裏斬ウラギリ〉を見た時は唖然としたわね。まさに『誰がそこまでやれと言った!?』……よ!」

 何故かプンプン丸になる受付嬢桃花。ヤエザキは目が点になる。

「個人的な怨みはその辺にして、その〈リ:スタート〉はどういうスキルなんですか?」

「う~ん。覚えられる人も居るでしょうけど、私やヤエザキちゃんじゃちょっと習得できないかな。技術的にかなり難しい難易度ってことは判るけど。詳細は不明。たぶん第50層以上から来た実力者のプレイね、あんまり参考にしない方が良いわよ」

「それを、マスター承認用ステージ……。縮めて『マスターステージ』第3層攻略組が囲んでる……と」


 あとは他の画面をみて観ると、どこだかは判らないが。盗賊のジョブにしてる人が。悪技を大量に使って、聖職者に永遠と『痛い目』に合わされているライブがあった。

「アレはどうしてああなったんですか?」

「世間ではアレを自業自得と言うのだけど……本人は真剣に盗賊を極めようとしてたわけだから……まぁやっぱり自業自得ね」

 身も蓋もない内容だった。

「他には他には? あ、アレは親衛隊の人達……」

「数えきれないほどプレイヤー画面があるから、それ以上はやめておいた方が良いわ。観て追うだけで1日が終わっちゃうから」

 と、そこまで見せて。桃花はそのカメラを切った。

「ま、先駆者の動きが気になるのは解るけど。ほどほどにね。 で? これから何するの?」

「ちょっとプレイヤー街で自前の部屋を置こうと思てます。まだゲームを始めたばかりなので、マンション系を拠点に動こうかなと」

「なるほどね、んじゃ今回はクエスト発注はなしで。好きに行ってらっしゃい」

「はーい」

 言って、ダンジョンには向かわず。西側のプレイヤー街へと足を伸ばすヤエザキであった。



 ヤエザキは西側プレイヤー街にやって来て、まずはマンションを探す。お手頃な安い場所が欲しかった、一人暮らし用の一部屋分さえあればそれでいい。ちなみに、空母エヴァンジェリンは世界観に合わないという理由からデータコンバートは不可能だった。ので、世界樹ホームにデータとして保管している。

「スキル〈リ:スタート〉かぁ。覚えてみたいけど、あれはたぶん真似しても無理そうだなあ」

 とか考えて行動している内に一時間ほどが経っていた。

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