第248話「第3層エリアボス」
第3層、東京駅エリアボス部屋。
▼電車型の大山羊『ネオ・ゴーストドライブ』が現れました!
▼電車型の大山羊は、今ある全ての持ち物をお見通しだ!
▼電車型の大山羊は、足下に重加速現象がかけめぐった!
▼電車型の大山羊は、永遠のエネルギーがチャージされ。永遠に止まらない!
最前線攻略組が喋りだす。
「こいつを倒せたら本当に『次』へ行けるわけか」
「現実か幻想かで言ったら、結構現実寄りのモンスターね」
「電車の幽霊だけどな!」
「まあ、エスパーとか格闘とか。欲張ってないだけ謙虚だと思う」
「以上で、第三層ラスボスのデータは全部か?」
「全部っぽいな、後続に伝えよう」
「おっしゃー! 最前線組! 今のうちに情報かき集めるぞー!」
『おおー!!』
◆
新宿駅のモンスターは、本当に他のプレイヤーが何とかしてくれたらしい。
そんなことで、本当に順調に秋葉原駅まで蒸気機関車は到着してしまった。
「あっきはばらーで! セーイーブー!」
ヤエザキは意気揚々と秋葉原駅で、そう叫んだ!
《秋葉原駅でセーブしました!》
で、最前線組から情報を聞いたヤエザキと戦空は……。
「う~ん、どう見ても大物っぽいわね~」
「そいつの質量って、重いのか? 軽いのか?」
やはりそこが重要になってくる。
「えーっと……消える・消すの対義語何だっけ?」
「ん? 知らん」
他の人に聞けばいいものを、【自分の力で】ネット検索する。
「……点ける・現す・灯す、……この場合は点けるかな……」
「?」
「つまりこうして、こうして……。こうだ」
《ヤエザキはとくせいパッチを起動した》
《ヤエザキは〈不可視の灯火〉を戦空に覚えさせようとしています》
《〈不可視の灯火〉を覚えますか? はい/いいえ》
「いいえで」
「何でだよ!?」
「いや、だって名前長いし……」
「そこかよ、……ん~じゃあ」
ヤエザキは思考を流しに流して繋げて見つける。
「点火、イグニッションでどう?」
「やだ、うち風使いだし!」
「わがままだねー、う~ん……」
ヤエザキは更に思考を加速させた。
《ヤエザキはとくせいパッチを起動した》
《ヤエザキは〈極点〉を戦空に覚えさせようとしています》
《〈極点〉を覚えますか? はい/いいえ》
「一応聞くけど、どんな効果があるんだ?」
「簡単・単純に言わなきゃダメそうね……えっと……。消滅してる相手に当たるわけだから~」
「……? いないもんはいないんじゃないのか?」
「『消滅』や『北極点・南極点』や……いや。これじゃダメか」
「?」
「『終着点』を殴れる! これだわ!」
「? 何1人で納得してるんだ?」
「相手の呼吸の終わりを殴るの! 幽霊にだってテンポや波動はあるはずだから、霊の急所を突くみたいな感じ!」(時空間に居ればの話だけど
「おお! それなら解るからいいぞ!」
《戦空は〈極点〉を覚えた!》
〈極点〉
『消滅』や『北極点・南極点』や『終着点』や『呼吸の終わり』を殴れる。
呼吸図だとメーターの極めて下がった点を殴れる感じ。
ヤエザキは一苦労を強いられた。
「まあ私はもっと単純に属性攻撃あるから〈闇属性〉で殴るけど」
「何だよそっち教えてくれよ!」
「あんたには無理。……はあ、教えるの疲れた。……スズちゃんはこんなのと毎回会話を……」
「ん?」
「いや、なんでもない。さ、わざわざ教えたんだからボス戦いくわよ」
「おう!」
《間もなく~東京駅~♪》
蒸気機関車の旅も、そろそろ終わりが近づいて来た。
ここからが本番だ。
◆
そんな中、マスター試験組の前に。最前線組に放課後クラブ親衛隊の『牙さん』は居た。
「『雑魚の子』は任せてください! 行ってくださいデス!」
「ありがと、……しばらく見ないうちに強くなったね」
「!……はいデス! オラー! 散り散りにしてやりますよー!」
と、人間の半分くらい中山羊が倒されてゆく。
ゴオオオオウン……!
ボスモンスター部屋の扉が開く。
第3層、東京駅エリアボス部屋。
▼電車型の大山羊『ネオ・ゴーストドライブ』が現れました!
▼電車型の大山羊は、今ある全ての持ち物をお見通しだ!
▼電車型の大山羊は、足下に重加速現象がかけめぐった!
▼電車型の大山羊は、永遠のエネルギーがチャージされ。永遠に止まらない!
ヤエザキと戦空は、マスター試験組陣形内に号令を出す。
「いくわよ! 戦空!」
「おう! いくぞ野郎ども!」
『ウオオオオオオオオ――――!!!!』
「カンカンカンカン!! ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
3・2・1・0!
《第3層、東京駅エリアボス戦。開始します》
――――ジャンプ!
「あんたを止められるのはただ1人! あたしだ!!」
――――サイクロン! ジョーカー!
「さあ! お前の罪を数えろ!!」
ノリが良い2人だった! 全クリ攻略組もノリ良く続く。
「皆行くぞ! 俺達のマスターに続くんだ!!」
『うおおおおおおおおおおおお!!!!』




