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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第11章「浮遊城の夢」西暦2035年4月24日

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第242話「原価の3倍値は基本」

 ヤエザキとマゼンタの会話は続く。

「さて、お金……。ファン持ってる場合じゃねえ! てことが解った以上、ファンを他のものに物々交換しなきゃ始まらないことがわかったわ」

『じゃあさっさと物々交換しようか』

「そうね、120万ファンをさっさと溶かしましょう! 店員さんすみません! あれとそれとこれを下さい!」

 そう言うことで、まずはファンをアイテムに交換するところから始まった。街の中に売っていた自分の持ってる道具を買った。決して身売りをしたわけではない。


 星剣『朝過夕改ちょうかせきかい』、10000ファン。

 聖服『鏡花水月きょうかすいげつ』、10000ファン。

 兎靴『足跡追及そくせきついきゅう』、10000ファン。

 〈エボリューション2〉、10000ファン。

 〈森羅万象のワルツ2〉、10000ファン。

 〈合唱プリンセス2〉、10000ファン。

 〈正確な地図製作〉、30000ファン。

 〈殺劇・森羅万象のワルツ2〉、30000ファン。


 身売りをしたわけではないが、これでモノに値段がついた。安く買えたかははなはだ疑問だが。あとはこれらに付加価値を付けて売れば。安く買って高く売るを実現できるわけだ。

「とはいえ付加価値か~、どうやって売ればいいんだろう?」

『簡単ではないが、需要がある人。それらを求めてる人に今の値段より高く物々交換すればいい』

「なるほど……、生産系の装備品でもスキルでもないから。やっぱり闘技場の近くかしらね?」

『逆じゃないか? 闘技場の近くではヤエザキが持ってる装備品やスキルは必ず他の人がもう売ってる』

「ということは……『求む、〈エボリューション2〉15000ファンで買います』とかの掲示板を見つけて、その人に売る。て形かな?」

『そうだな、それだったら5000ファンの利益だ』

「ふーむ……でも5000ファンの利益だといつまでたっても1億ファンには遠いよ?」

『まずは100万ファンエリアに行くことが目標だからな? こういう時は、まとめ買いしてくれる冒険者に売ればいい』

「まとめ買い……なるほど」

『この場合〈Aランク3位のプレイヤーヤエザキの装備品セットが今なら何と360万ファン! お買い得だよ~!〉とかで売ればいい」

「値段が3倍になってる」

『原価が120万なんだから、市場ではこの値段で売ってなきゃおかしい。世の中100円の唐揚げは30円の原価だったりするからな、でなきゃ利益出なくて赤字だ。生活できない』

「ふーん……。じゃあまずはその値段で売ってみる」

 というわけでヤエザキは〈戦闘用Aランク3位装備セット360万ファン〉としてで売り始めた。……しばらくするとすぐにNPCに1セット売れた。


「ありがとうございましたー!」

『これで240万ファンの利益だ』

「へーなるほど。こうやって売るのね」

 《買う》しかやったことが無いヤエザキにとっては新鮮だった。

『どれぐらい需要があるかわからないが、需要がある内はこの方法で売りまくってみろ』


 ということで、この方法で5回。売り買いをしたら。純利益は1440万ファンになっていた。

『これで1000万ファンエリアに行けるな』

「100万ファンエリアを飛び越えて、1000万ファンエリアかー。なんだか新鮮ね」

『今まで努力してAランクまで行ったんだ。ありがたく進もう』

「……、それもそうね」

『さーて1000万ファンエリアってことは、1品1000万ファンってことだ。こっからが勝負だぜ?』

「う、うん。わかった」

 第2層、マネーゲームは続く……。


 ところが……。1000万ファンエリアにアナウンスが流れる。

《ピーンポーンパーンポーン! 1000万ファンエリアからアナウンスです! 1億ファンエリアから、3億ファンのモンスター『幻影のコウモリ』が脱走しました! 民間人の皆さま避難してください! 冒険者は退治してください!》

 冒険者は叫ぶ。

「イヤイヤ無理だろ俺達1000万ファンエリアの人間じゃ勝てねえって!」

「キシャアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 暴れる幻影のコウモリ、民間人が逃げまどう中、ヤエザキの方に向かって攻撃を仕掛けてくる!

「む? なんだタダの影を使うモンスターですか……」

 コウモリがヤエザキに襲ってきたので……。


〈森羅万象のワルツ2!!〉


「ギッツギシャアアアアア!?!?!?」

 ズドオン!! とその巨体を薙ぎ倒される幻影のコウモリはなすすべも無かった。ヤエザキは修羅場をくぐって来た数が違う。

「昔の私ならともかく。今更『影使い』や『アナザー』なモンスターが来たところで、負ける気はしません!」

 民衆は度肝を抜かれた。

「……!?」

「う、ウソだろ!?」

「3億ファンのモンスターが……!」

「たった1つのスキルで負けるのか……!?」

 ザワザワと騒ぎ立てる、民間人。冒険者たちも騒ぎ出す。

「おい! 彼女の実力をファンで調べられる奴は居ないのか?」

「待ってろ! 1億ファンで手に入れた、この《戦闘力ファン化装置》で……で! ええええええええええ!?!? な!? 何でこんな奴が第2層に居るんだ!?」

「なんだよ!? 何が観えたんだ!? 言ってみろ?!」

「どうせ幸運が良かっただけだろ? 5000万ファンくらいの実力で……」


 ピピピ……!

《極限纏う電脳の花騎士『ヤエザキ』 戦闘力10億ファン》


「じゅ!? 【10億ファン】!?」

「ウソでしょ!? 第2層で!?」

「10億ファンって言ったら、第50層レベルの実力者じゃないか!?」

「それが、何でこんなところに!?」


(……、その計算で行くと。桃花さん20億ファンほどありそうだなあ~……やっぱ戦闘系のゲームをすればよかった……)

 と、ちょっと後悔するヤエザキ。


「な、なああんた。さっきのスキル〈森羅万象のワルツ2〉だっけ? 伝授料、いくらで売ってくれる!?」

「ん? あぁ、アレだったら今は1万ファン……」

 ……と、それだとさっきの倒したモンスターがかわいそうなので……。ヤエザキは値段を大幅に吊り上げる。

「に……2億ファンくらいで~」

「買った!」

「お、おれも俺も買う!?」

「それであのモンスター倒せるんだな!?」

(倒せるかは自分の実力しだいだと思うんだけどなあ~……)

 やっぱり数字ってめんどくさいな、と思うヤエザキとマゼンタ。


 ……――――!

 ……!

 ……。


 場所、第2層1億ファンエリア。フロアボス部屋前。

《1億ファンを支払いました、フロアボスへの挑戦が可能です。受けますか? はい/いいえ》


「ねえマゼンタさん、1000万ファンエリアに入った瞬間、一瞬で1億ファンエリアのフロアボス部屋の前まで来ちゃったんだけど……」

『ヤエザキ、それは日ごろのお前の行いが悪い』

「そこ普通、褒めるところじゃない?」

 何にしても、次はフロアボス戦のターンだ。


 ギイイ……。重いドアが開く……。

 現在のヤエザキの所持金、3億1440万ファン。

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