表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第11章「浮遊城の夢」西暦2035年4月24日

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

274/789

第238話「オークション」

 ギルド受付嬢前。

「桃花さん、このチケット。オークションにかけて売ってみても良いですか」

「ん? い~よ~」

(軽いな~この人……)



 オークション会場、その相談室。怪しいおっさんにこの『第50層無条件通過チケット』をオークションに出したいと言ってみた。

「バッ……バカ言ってんじゃあねえ! それがどれほどのもんかお前解ってるのか!?」

「え? わ、わかってません……」

「……はー。おいカモ!」

「か! カモ!?」

「まずなぁ! その『無条件通過チケット』と言う情報が今まで無かったってだけで大情報なんだよ! 今後そのチケットがあるって情報だけで。どの階層でも1万ファンは下らねえ値段になる!」

「へー、この世界の通貨はファンって言うんですね」

「だからカモなんだよ! バカ!」

「ハヒッ!?」

「いいか! これも商売だから商品としては出す。だが今後そのチケットを持ってるってことはお前は絶対に口外するなよ! 第10層レベルどころか第80層の連中すらそのチケット狙って襲って来る! 間違いない!」

「ほほう」

「まず入手場所や入手条件だって金になるし。単純に第50層のチケットなんだ、上手く売り買いすれば。第30層ぐらいはそのチケット欲しさに護衛付きで〈姫プレイ〉できるぞ」

 姫プレイとは要するに、超楽が出来るよ! と言いたいのだが。この際割愛する。

「どうせ、表会場でオークションしたら大騒ぎになる。ここは商人の身内だけで取引させてくれ。それでそのチケット、1枚で1人通過が可能か?」

「え? はい13枚で13人通過出来ます」

「じゅ!? 13枚ィいいいいいいいい!?!?!?」

「はひ!?」

「や! 今回は1枚だったな。オイ誰からもらったとか言うなよ! 俺だって狙われるのはゴメンだ! 現実世界で殺されるのはゴメンだ! 変に口滑らせるんじゃねえぞ!」

「は、はい!」

「だから出品者の名前は出さない。わかったな、残り12枚あるってのも絶対に、この先絶対に言うなよ! お前は何も言うな、ただ黙ってオークションを見てろ!」

「は、はい! 解りました!」

 本人はこの世界の通貨。ファンの物価やら価値やら価格やらを知りたかっただけなので。それ以上は何も言わず。黙って舞台裏で隠れることにした。



 一般プレイヤーお断り。情報・商人達によるオークション会場。

【というわけで、今回の品はこれだ『第50層無条件通過チケット』……。1万ファンから開始する】

【え!? ふぁあ!? オイちょっと待てここ第1層のオークション会場だよな!?】

【掘り出し物ってレベルじゃねえー!?】

【これ第50層で売ったら物凄い値段がつくんじゃねーか!?】

【と、とりあえず欲しいから2万ファンつける!】

【……、お前らもちろん知ってるよな? 第50層の前半終了までで物凄い事になってるって事実に】

【もちろんさぁ~】

【愛がなければ通過出来ない。つまり、このチケットがあれば『愛がなくても通過できる』そういう代物だ……】

【よ! 4万ファン!】

【ちなみに結婚指輪っていくらだっけ?】

【……平均40万円】

【よ! 40万ファン!!!!】

 どよ……! どよ……!!!!

【だ、だってそうだろ!? エンゲージリングの平均値段だ。これ以下じゃ示しがつかねえ!】

【まぁ、まずは最低ラインだろうな】

【結婚資金って、100万円はいるわよね?】

【……】

【100万ファンで買うやつ居る?】

【いないことは無いだろ……】

【よし、じゃあ。100万ファン出すわ!】

【101万ファン】

【102万ファン】

【104万ファン】

【110万ファン】

【……】

【他に居ませんか?】

【つってもこれ。愛がなくても金さえ積めば通過できるって代物だろ?】

【品だけを見ればな、だが。これを手に入れたやつは確実に愛を証明して。通過して、何らかの方法でチケットを手に入れったって事だ。情報元の方が高値つきそうだな】

【入手方法は教えてくれないのかい?】

【生憎、今回はそれ単品でのオークションで頼むぜ】

 それ以上は商人達も聞かない。

【111万ファン】

【……】

【噂が流れ始めたら、もっと大騒ぎするするプレイヤーいるよな?】

【あぁ、確実に居るな】

【その時はもっと騒動になって。もっと高値になるよな】

【……なるだろうなぁ~……。120万ファン】

【……】

【他に居ませんか?】

【いきなり出された品だ。金も準備も用意もねえ……】

【なあ! これ1枚しかないのか!? 次は無いのか!?】

【それについての答弁は。黙秘でお願いする】

【……】

【他に居ませんか?】

【130万ファン】

【ダメだ、手元のファンがねぇ。でも、もしこれ一回こっきりだったら? 相手に譲るしかないのか? 借金してでも……】

【131万ファン】

【132万ファン】

【お、競りっぽくなって来た】

【欲しい】

【欲しい!】

【135万ファン!】

【俺には愛がないんだ! 金しかないんだ!!!!】

【150万ファン!!】

【どよよ……!!】

【まあそういう奴らは居るわな……】

【……】

【他に居ませんか?】

【……】


 ――――カアン!!!!


【以上により! 『第50層無条件通過チケット』は150万ファンで落札されました。反論は認めません!!】

【まじか】

【まじかよ……】

【うわあ、こりゃ波乱の情報戦だなあ~……】

【今後が恐ろしいね】 



 ヤエザキはびっくりしていた。そりゃあもう仰天していた。

(えっと1枚で150万ファンだから……。残り12枚で……。1800万ファン!?)

「その計算で行くと。お前の軽く喋ろうとした情報源。俺だったら【情報源に2000万ファン】は出すぜ」

 カモ呼ばわりされた怪しいおっさんにそう言われた。

「にせ……!?」

「だから言うなよ? 俺もお前も、【残り12枚ある】ってことは! 絶対に言うな! わかったなカモ!」

「は! はい!!」

 こうして怪しいおっさんは30万ファン。ヤエザキは120万ファンを手に入れて、オークション会場を後にした。



【お前ら】各世界で神様として君臨する私達が集まって喋るスレ【自重しろよ!】


 ※注意※

 ここで話している人物は全て同一人物の思念体であり、だいたい各世界観のラスボスです。(違う人もいるけど

 凄く中二病なので生暖かく見てあげましょう。

 なお、この掲示板を閲覧できる人は神様レベルか。各世界を管理している運営レベルまでです。各世界の私、気おつけてね☆


天上院姫【お前ら……、元々ややこしいのがややこしかったからスレ形式にしてみた。どうせ私であっても有象無象の集じゃからな】

ミュウ【多重影分身の術みたいな感じじゃな!】

星明幸【私じゃ! 私じゃ! 私じゃ!】

茅場【こんな所で話をすることになるとわな】

星王【あぁ、もっとシリアスな所で話せると思ってたよ】

忘却の存在X【200年ぶりの因縁とか! 持ってくるな】

オティヌス【そんなこと言うな、こちとら風王とは三千世界ほどの世界で激闘を繰り広げた因縁がry】

アレイスたん【おお、もう集会が始まっていたか。ちょっと遅れたな、一億総活躍私達よ!】

天上院姫【お前の世界観だけだろ! 一億人の私達を増やしまくった私は!】

天壌の灼眼【で、神の契約者である私も呼ばれたと】

祭礼の蛇【我もか】

ミュウ【テメエらは愛愛言ってればいいだろ。信仰深い信者が愛 愛 愛 アイ アイ 言ってくれるから】脳が震える

安心院さん【ボクは安心院さんとキメ顔でそう言った☆】

天上院姫【それキャラ違う……。お前ら以外の登場人物キャラ達を把握するのも難しい……ゾ! 主人公キャラすら霞むぜ!】

子兎音【おい! 何で私まで呼ばれてんのさ!? わたしWチューバーだぞ!】

天上院姫【良いじゃん、そういう世界観の私。あー、一応言っておくけどここは私の世界観だから私が司令塔として進行指揮するぞ】

ミュウ【おい私達! ちゃんと私に従え!】

星明幸【お前が言うなよ元凶の私!】

天壌の灼眼【ねえ、話進まないんだけど……】

マスター私【今、全ての時間の私が集う……!】

夜神【ヤメロオ!!】

天上院姫【ではそろそろ話を戻したいんじゃけど……何の話じゃっけ?】

オティヌス【おい、指揮者があまりのメンツの濃ゆさに内容を忘れたぞ】

子兎音【私もう帰っていい?】

アレイスたん【だめ……で、何の話だっけ?】

マスター私【ボケ老人がいっぱいじゃ!】

ミュウ【私達のど忘れが発動して連鎖反応でボケてゆく……】

星王【ゲーム世界観の俺達の話題にすら戻らないな】

茅場【そうだな、彼らの前では私達2人のいざこざなど。些細な事象。と言うことなのだろう】

ベアト【そういえば姫。お主の対戦相手は誰じゃ?】

天上院姫【そうなんだよ。私の世界観のゲームの対戦相手は天上院咲で。茅場でも星王でも無いんじゃよ。ついでに言うと時王でもないからな】

時王【お、おう……】

星王【じゃあそのことを俺達の共通認識にして欲しいってことだな】

天上院姫【そう! そう言うこと! 『私のゲームの対戦相手は天上院咲!』そのことを間違えないように! 以上!】

ミュウ【なるほどな。私達、解ったな?】

茅場【ああ、了解した】

星明幸【じゃあ、そのうち! また適当に会おう! 私達!】

天上院姫【あぁ、じゃあこの回線は切るぞ】

安心院さん【乙】

子兎音【おつ】

忘却の存在X【おつー】


 ――――天上院姫がチャットからログアウトしました……。



 天上院姫はVRゲーム機から目を覚まし、ゲーム機を外した。

「つ……疲れる……」

 気苦労が絶えなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
・よければブックマーク、評価、感想などよろしくお願いします!
・こちらも観ていって下さるとありがたいです。
名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ