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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第11章「浮遊城の夢」西暦2035年4月24日

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第235話「ルールの世界」★

挿絵(By みてみん)

 西暦2035年4月24日、放課後。

▼咲は『フラクトライトキューブ・リストバンド』を手に入れた!


 天上院姫は、天上院咲に実際にある現実世界の貴重品を渡す。

「ほれ、やる。重要なアイテムじゃから大事にな」

「ん? どれぐらい大事なの?」

「『世界樹』のデータと、超・寄り道した『吸血鬼大戦』のデータと、『デート戦争』のデータが入ってる。まぁ平たく言えば。【世界中のデジタルデータ全部】じゃな」

「ちょー!? そんな大事なモノを!?」

「もちろん大事なもの過ぎるからお前のは『コピー』じゃ、『オリジン』は私が預かっとるが、内容は全部一緒じゃ」

「そんな大事なものを……!」

「大事じゃから託すんじゃよ。これでわしらを縛るものは何もない、好きに世界をエンジョイできるというものじゃ。さぁ! 行ってこい! 世界がお主を待っている!」

「……うん! わかった!」

 そう言って、天上院咲はゲームの世界へと。再び暗転した。



 ハイファンタジー・オンライン『A1エリア』

 ギルド中央広場、そこにはいつもと変わらず。変わった受付嬢が立っていた。ある意味罪深い、けろども罰せられた。湘南桃花嬢だ。

「よ! 元気してる?」

「ま~ギリギリ元気かな、で。目ぼしいクエストあるかな?」

「んじゃその前にコレ。新しい地図ね」

 言って、湘南桃花は地図を渡した。この世界の地図だ。

「お、ありがとうございます。えーっと、今居るのがギルド中央広場ですよね?」

 補足するように桃花は言う。

「闘技場があったのもこの中央地区となります」

「ほうほう」

「んで、現実世界だけで運営と会話するのがめんどくなったので。今回はデジタル空間内でも運営が応対をしてくれる配置となっております」

「ほうほう」

「ついでに言うと。エレメンタルマスター・オンラインだとワ〇ピース系の街から街へ転々と旅をする形式だったのに対して。今回は拠点系。じっくり腰を据えて冒険するためにプレイヤーの家は基本移動はしません」

「ほうほう」

「で、目玉の浮遊城ダンジョン『スターバーストストリーム』は第1層から第100層まであって。これの正式クリア者は未だにいません」

「このゲームって何年前からやってるんですか?」

「えっと~10年前からだね。あーでも、ん~解んないけどその実10年間は無理ゲーなのか、何なのか解んないけど放置されちゃってるダンジョンだね。普通に皆『できるわけねぇ』て、サイを投げちゃってる感じ」

「まあ、そんなに老朽化しちゃあねぇ~……」

「ま、ライフワークとか。気長にやるのが吉だろうね」

「このダンジョンの特徴って何ですか?」

「ふむ、よくぞ聞いてくれた。ズバリ! 『ルールの世界』よ!」

「ルールの世界?」

「格闘ゲーム、恋愛ゲーム、人生ゲーム、パズルゲーム。そういうジャンルが1層ごとにルールが変わるの。不変な時もあるらしいけど」

「ゲームが変わる……ですか」

 ちょっと間を取ってから。

「んで、受けてみる? この100層ダンジョン。もちろん途中破棄もありだし、楽しむ分にはもってこいだと思うよ」

「ふーん。ま、受けますけど。当たって砕けろが心情なんで」

「おっけい! んじゃ、行ってこい! 若者よ! 少女よ! 旅をして強くなるのだ!」

 そう言って、浮遊城ダンジョン『スターバーストストリーム』第1層にワープみたいなもので、いきなりふっ飛ばされた。



 ~第1層、デスゲームのルール。~

1:第1層でHPが全損した場合、プレイヤーはスタート地点からやり直しとなる。中間地点はない。

2:HPが全損した場合、上昇したレベル・手に入れたアイテム・加工した装備品は無くなり。初期化される。

3:HPが全損しやり直しとなった場合、デスペナルティが発生する。ペナルティはHP・MP・攻撃力・防御力・素早さの基礎ステータスのいずれか1つが半分になる。

4:クリア条件は、第1層のフロアボスを倒せば上の階層へ進める。

5:全プレイヤーの弱点は自己申請し、それらは平等に公開・閲覧・攻撃ができる。何を弱点とするかは自由である。


 ヤエザキは。第1層の始まりの街へいきなり転移されたら、この様な文言がステータスに浮かび上がった。

「なるほどね、ルールが明確化されてるから『ルールの世界』と言うわけだ」

 この浮遊城の始まりの街のプレイヤーを見ていれば解る。

 何と、自分と言う名の初期ステータスより低いパラメーターの人が居るのだ。しかも5つ分。HP・MP・攻撃力・防御力・素早さ。これら全てのステータスが半分になっている。そのプレイヤーは意識消沈でもはや諦めモードになっている。

 デスペナルティを受けた回数まで表示されている、この冒険者は5回。デスぺナを受けていることがわかる。

 自身のステータス画面をみるとこれまた驚愕。今までの経験値が全てゼロ。レベル1からのスタートとなっている。

「うわあ、最初から飛ばしてるなぁ。他のゲームからのデータコンバートも不可ってことか」

 なお、このエリアに入ったらレベル1に初期化されるらしく。A1エリア全体では、そういうことではないらしい。

 ちなみに、クエストをリタイアして浮遊城ダンジョンから離れれば。元のステータスや装備に戻るらしい。

「ちゃっちゃか進みたいなあ~、まあ初心に帰って遊べるのはいい事ですけどね」

 そしてヤエザキは視野を広げる、何と周りは湖だったのだ。左右が湖で、南の入口から北の出口まで石大橋が一本道で繋がっている。陸地は無く山も大地も草原も無い。ただただ石と水しかないフィールドだった。

「一本道じゃん……」

 石大橋の遠くのほうを目を凝らしてよ~く観ると、モンスターが群れを成してプレイヤーと交戦しているではありませんか。

「うっぴーが多すぎて通れない。を思い出すわね」

 何にしても、何にしてもだ。この初期装備の貧弱そうな剣一本で進むしかない。

「ま、いくか。まずはモンスター退治でレベル上げね!」

 そう言って駆けだしてゆくヤエザキであった。

挿絵(By みてみん)

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