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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第10章「2年生編・EXイベント」西暦2035年4月15日

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第234話「難易度Bクエスト2」

 現実世界。神道社。

 ビルの屋上おくじょうから。空を見上げる天上院姫は、休息の合間に呟く。


「形は見えた。視認も出来た……、そして。言葉が観えた」

 

 一拍間を置き。――風が来る。


「こっからが本当の勝負じゃぞ……、空!」



 仮想世界。ハイファンタジー・オンライン。ギルド冒険者広場の前。

 ギルドの広場から出るときに、ギルド『四重奏』とすれ違った。

 四重奏は攻略組ガチ勢に再度合流したようだ。詳細はよくわからないが、ヤエザキはスズに胸をコツかれて。笑顔で何も言わずその場を去って行った。

 彼らは彼らの道を行く、いつかまた交わる時が来るだろう。そう遠くない未来に……。

「私も私の道を行こう」

 そう気を改めた。



《クエスト名:NPCの霊魂の行方を追え!》

《難易度:B》

《条件:冥界の霊魂のいく末を見送り、現世へ辿り着かせる。》

《目的地:彼岸花の冥界》

《依頼主:ギルド受付嬢・湘南桃花》

《報酬:ハイファンタジー・オンライン辞典》

《内容:NPCとかAIが死んだ後の魂って何処に行くんだろうね? と言うわけで、今回はカルマタイプ『極悪』。自分のことを「新世界の神だ!」て言い切った大量殺人者の魂を追ってね! 彼は地獄に落ちるのかな? 正義のルール執行人になるのかな? はたまた転生して赤ちゃんになるのかな? 冥界からスタートして現世がゴールだよ。彼の行く末を見守ってあげてね。》


 ヤエザキは彼岸花の冥界へ飛ばされる。

「開幕がいきなり冥界に行けるのは、何か急にゲームっぽくなったわね。私の体はどうなってるのかしら? 生きてる? 死んでる?」

 そこには彼岸花が辺り一面咲き誇って、中心には枯れ木が一本生えていた。そこには形のない黄色の霊魂が何をするでもなく遊泳していた。

「ここがスタート地点ね、間違えるはずがない」

 そしてその名も知らぬ霊魂に話しかける。


『僕は……新世界の……神……』


《名も知らぬ霊魂を追いますか? はい/いいえ》


「ゲームするために来たんだから、はい。で」

 そしてゲームがスタートした。

 霊魂が西へゆっくり、ゆっくりと浮遊してゆく。と、途端に姿が消えた。

「む? スキル〈魂眼こんがん〉発動」

 すると、辺り一面黄色の霊魂が線となり。巡り流れる川が数多に漂っていた。すると再び、〈名も知らぬ霊魂〉を発見。視認できた。

「これでついていけばいいのね?」


 その後、地面に潜られ逃げられたり。大気圏を突破され逃げられたり。光速で巡廻をされて見失ったり。クエストが何度も失敗されると、再び枯れ木の場所に戻される。

 その繰り返しを十数回続けるうちに、体や眼も慣れていった。覚えゲーみたいである。〈名も知らぬ霊魂〉最後に、霊山の頂上らしき場所までヤエザキを連れていき。そこからジャンプして雲の下へ落っこちた。

 追うのが目標なので、仕方なく自分もジャンプして落っこちる。

 すると曇天の先は雨、雲の中は雨水だらけだった。そのまま落っこちる、ここが現世かな? と思っていた矢先。〈名も知らぬ霊魂〉は大河の川の中へ一直線に吸い込まれてゆく。

 そして現世へ降り立ったヤエザキは、大河の中に〈霊魂〉が川の奥へ奥へと沈んでゆき。仲間の霊魂と共に、遠く遠くへ消えゆくのを見た。

「現世の転生先は大河か……、魚にでも転生するのかな? いや、その前にプランクトン? エビに転生したら美味しくいただきますけども……」

 何にしても無事に現世には降り立った。ヤエザキのミニクエストはこれで終了だ。


『僕は……新世界の……神……』


《NPCの霊魂の行方を追え! クリア!》


 一応廻り巡廻してゆく世界を追体験出来たので、ギルド受付嬢・湘南桃花の依頼は達成となった。

 その後は、報酬のハイファンタジー・オンライン辞典と。ほんの少しのお金をもらって、今回はログアウトすることにする。


《ログアウトします、お疲れさまでした》


 ログアウトし終わり、現実に戻って来た咲は特に意味は無いがお腹がすいた。

「エビ食べたくなってきちゃった……」

 特に意味は無いが、空腹だけが残った。

 特に意味は無いが、ツナ缶だけ食べて空腹を満たした。

 本命の海老はまたの機会に食べようと思った。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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