第227話「子供の夢に。雑談1」
四重奏と放課後クラブ、互いの損失を全回復させて。再び、受付嬢・湘南桃花の所まで帰って来た。
「おっかえり~」
何やら楽しいものが観れたと、にっこにこの桃花だったが。巻き込まれた2ギルド約12人は言った。
「エレメンタルマスター・オンラインでやれ!」
「何もハイファンタジー・オンラインの開幕1発目からやるイベントじゃないだろ~!」
「まあ、楽しかったけど!」
「まだキャラクリも終わってねえよ!」
桃花は軽く、「まあまあまあ」と他人事のように軽く手をふる。
「このあとどうする? 宴会でもする?」
皆でああだこうだとわちゃわちゃ話した結果、ヤエザキが皆の言葉を代弁して言う。
「そこのギルド広場を借りて、雑談会を開きたいんですが。いいですか?」
「どうぞどうぞ~好きなだけ使って~、ゆっくり休んでいいよ~」
どうやら約12人が雑談出来るスペースは作れたようだった。
◆
ギルド雑談広場
軽快なジャズの音楽が流れてきて、場を和ませる。机にはドリンクと近くにドリンクバーがあった。雰囲気だけ楽しめる。
ギルド受付嬢、湘南桃花。
【じゃあくつろいでてね、私は別の用事をやってるから。んじゃ~】
放課後クラブリーダー、ヤエザキ。
【と、言うわけで雑談タイムを始めます。皆さんくっちゃべってください、よろしくお願いします】
神道社社長、農林水サン。
【イベントお疲れ様なのじゃ~】
四重奏リーダー、ブロード。
【掲示板は相変わらずの賑わいだな、まあいい事なんだろうけど。掲示板じゃなくても、チャットや日常会話でも話題になってる】
愛すべき貴重なショタっ子、ナナナ・カルメル。
【皆、あの技はああだこうだとか言ってるね。中には全く別の事をやってる人もいるけど】
ツンデレ美少女、スズ。
【良いじゃない、皆適当で。私達も適当にやるわよ】
ド天然な神の巫女、レイシャ。
【始めましてな方も居るね、初めまして。試合が終わってから言うのもなんだけど】
神道社社長、農林水サン。
【そう言えば遊牧生くんを誘い忘れた。まぁ、あの子は生産職だったから。戦闘中で何か出来たわけじゃないが】
湘南桃花の親友、オーバーリミッツ。
【呼んでみたら? 戦闘は終わっちゃったし無理だけど。雑談なら参加出来るし】
窓の外からヤエザキの飛竜が顔を覗き込んでくる。飛竜の飛焔だ。
コワモテな装甲飛竜、飛焔。
【だったら俺も入って良いか? 装備品を充実させたのに、ものの数回しか出番が無かった】
ロマン砲を撃ちたい黒魔導師、ミチビキ。
【んなこと言ったら俺だって出番無かったしな~、むしろ出番は斬られ役のみ?】
最果ての軍勢リーダー、不動武。
【まあ、僕はレンタルだったので特に何もしませんでしたが】
攻略組ガチ勢の廃人、エンペラー。
【よく言うぜ、目立たないように自重してただけじゃないか】
素早さ極振り、グリゴロス。
【俺も似たようなもんだしな、ま。俺は自分で出番を作ったが(どやあ!】
強さ最強な戦闘民族、リスク。
【なあ、ここ飯を頼んでもいいのか? あ、でもここバーチャル空間だからメシ食っても意味ねぇ】
出番が来ない生産職、遊牧生。
【お待たせしました~。って言うか終わった後に呼ぶとかひどくないですか?】
放課後クラブリーダー、ヤエザキ。
【あはは、ごめん。本当に存在忘れてた。この埋め合わせはいつか必ず! 一緒に生産手伝うからさあ~ごめん】
ロマン砲を撃ちたい黒魔導師、ミチビキ。
【あれ? その前に俺のロマン砲探しを手伝ってくれるんじゃなかったの?】
四重奏リーダー、ブロード。
【やることが多いなヤエザキ】
放課後クラブリーダー、ヤエザキ。
【あーそうだった。でもまずは一度ログアウトしてから、現実世界の外の空気を吸いたいかな。疲れちゃった、散歩したい】
神道社社長、農林水サン。
【その時はわしもついて行っていいか? というか何処に行くんじゃ? 何なら神道社へ行くか? 運営の仕事は山ほどあるぞ、打ち合わせもあるぞ。会議もあるぞ】
放課後クラブリーダー、ヤエザキ。
【いや、私は休みたいだけだし……】
愛すべき貴重なショタっ子、ナナナ・カルメル。
【出番多かったもんねぇ~、今試合のMVPだね。最後に勝ったし、目立ったら目立ったで疲れるんだね】
湘南桃花の親友、オーバーリミッツ。
【桃花は何をやってるの? この雑談に参加しないの?】
神道社社長、農林水サン。
【あいつは盗賊関係のギルド『カイガイ』と、今後の打ち合わせをやってるよ。あとでイベントに参加するとか、宴会は行くから後で時間を合わせるとか。宴会は何ヶ月後になるかわからないとか。そんな話をしてた。あとギルド『能筋漢ズ』とも打合せしてた】
攻略組ガチ勢の廃人、エンペラー。
【あいつ本当に顔が広いよな、広すぎる】
ロマン砲を撃ちたい黒魔導師、ミチビキ。
【ヤエザキも結構、顔が広くなって来たよな。よ! 有名人!】
放課後クラブリーダー、ヤエザキ。
【いや、私は別に名声とか興味ないし……、あ~そう言えばそろそろ新入生来ないかな? 何も知らない素人さん】
ド天然な神の巫女、レイシャ。
【私達って。AランクからSランクの集まりだしねぇ~、随分遠くの所まで来たものだ~】
素早さ極振り、グリゴロス。
【極める所まで極めちゃったしな、レベルリセットか?】
コワモテな装甲飛竜、飛焔。
【レベルはそのままで、初心者を教えるというエンジョイプレイもありだと思うぞ】
ロマン砲を撃ちたい黒魔導師、ミチビキ。
【俺みたいなガチ勢はお呼びじゃなかったってことかよw】
強さ最強な戦闘民族、リスク。
【新入生って強いのか? 弱いのか?】
ツンデレ美少女、スズ。
【意味解んないけど、十中八九弱いわよ】
素早さ極振り、グリゴロス。
【進級して下級生と上級生の両方が居るようになったんだ。それが自然な流れだと思うぜ】
強さ最強な戦闘民族、リスク。
【なあバトルの話とかしねえのか? うち眠くなって来たぞ】
湘南桃花の親友、オーバーリミッツ。
【むしろバトルはもうお腹いっぱいなんだけど……】
放課後クラブリーダー、ヤエザキ。
【避けてた話題が堂々と……、むしろバトルの話は考えただけで疲れる。楽しいけど】
神道社社長、農林水サン。
【用法容量を守って正しくバトろうじゃな。何にしても、こんな高レベルのバトルはしばらくないじゃろうな。というか人が増えれば増えるほどワシの会議が多くなっていく気がする】
湘南桃花の親友、オーバーリミッツ。
【運営さん頑張ってね……】
愛すべき貴重なショタっ子、ナナナ・カルメル。
【スズお姉ちゃん、このあとどうする? やること無いなら一緒にちょっと遊ぼう!】
ツンデレ美少女、スズ。
【ん~? まあ、特に用事は無いから闘技場で他プレイヤーの観戦かしら。タイミング的にギルド『九賢者魔団』の試合が観れるかも、運が良ければ。ね】
放課後クラブリーダー、ヤエザキ。
【やることが、やることが多い……!】




