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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第10章「2年生編・EXイベント」西暦2035年4月15日

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第223話「四重奏VS放課後クラブ4」

 実況のジャンプと解説の桃花は驚く。

『あぁーっと! グリゴロス選手、ヤエザキ選手を庇ってリタイアだー!』

『ほぼ出番なしで終わってしまいましたが、誰かしらはなることです。むしろ良く健闘しました』

『好プレーと言ったところでしょうか、なんにしても。もうグリゴロス選手の活躍を観れないのは残念です!』

『さて! 力の均衡が崩れます! ピンチの放課後クラブ、チャンスの四重奏! 先の展開が全く読めなーい!』

 農林水サン・オーバークォーツァーがヤエザキの方へ駆け寄って、放心状態と言う名の状態異常を解く。仮想世界へ引っ張り戻す。

「サキ! しっかりしろ! 気持ちを切り替えるんだ!」

「は、は、は……!」

 肩を上下させながら、深い深呼吸音が聞こえる。本当は「お前は悪くない!」とかの気持ちを伝えたかったが。逆効果だと判断し、今は兎に角。感情を我に戻すことを優先させる。

 Sランクギルドのリーダー不動武が、陣形の指示を取る。

「中央に集まれ! 東側と西側に陣形を固めるんだ!」

 

 西陣形側:スズ&レイシャVSヤエザキ【飛竜】&オーバーリミッツ&農林水サン&ナナナ・カルメル【ロボット】

 東陣形側:リスク&ブロードVS不動武&エンペラー【ロボット】&ミチビキ【空母】


 西側の二重奏デュオが出来上がったところで。スズが好都合とばかりに、電気ビリビリ・電撃の網を作った。レイシャは地面を強くダン! と衝撃波を繰り出し、地震による揺れを発生させ。電撃で囲んだ相手を地震で怯ませる。

 東側の二重奏デュオがそれに続く。リスクがフィールドを嵐にして、電撃の網の外の逃げ場を無くす。同じくブロードは風で放課後クラブ全員を浮かし、風縛を作り上げる。

「「これが……」」

「「四重奏カルテットだ!」」

 

「「「「殺劇・森羅万象のワルツ!!!!」」」」


〈始まりの風! 暴龍の牙! 無秩序な冠!〉

 東側は。滅びの呪文をかたどった光風を纏った拳撃。その拳撃は太古の恐竜のように強固な雷牙と化す。その拳は規則正しい理を無視して貫通する。

〈無音の永眠! 古の黄金! 最果ての大地!〉

 西側は。無音による斬撃は敵を永遠の眠りへと誘う。黄金に輝く斬撃はマトリョシカの装甲おも削ぎ落とす。雨が滴るダメとなった大地を背景に再び剣は抜刀される居合いの型。

〈幻視の魔弾! 断罪の紅月! 平穏の終焉!〉

 東側は。ジェット機のごとく放たれる拳はガトリングガンのように非現実的な幻想への扉を開く。熟練せし罪深き拳は波紋を纏い極限の正拳突きを叩き込む。いつも通りの日常が終わりへと誘われるスローモーションの拳撃。

〈再誕の嵐! 癒しの源泉! 想装の果実!〉

 西側は。古より伝わりし斬風は灰と化し再誕する、悪夢はやがて一つの真実へと辿り着く。温水の剣は傷つけるためではなく相手を思いやる癒しへと変わる。時が逆回転する白刀は斬るものを1分前に巻き戻させる、斬ったものには何故か目の前にリンゴが現れる。

〈無二の殺陣! 心終の零! 千幕冒魂の意志!〉

 東側は。後にも先にも二度とない、一つの人生が終わりへと誘われるほどの拳撃は、始まりの一歩を踏み出させる。四肢を回転させた拳は心無き相手に死の感情を芽生えさせ、モノとなったと幻覚する。

〈影業の散歌! 多重分身の蒼雷剣! 千幕冒魂の意志!〉

 西側は。影を纏いし業深き剣は散歌を響かせ拡散する、自身も傷つく諸刃の剣。旅重なる雷撃は、蒼き竜の意志を継ぎ進化する。


 そして最後の技は。ゆめうつつうつつのゆめを体現した者が放てる剣撃と拳撃、自身に響いている千もの魂を相手の心に響かせる。


 全ての攻撃をまともに受けた放課後クラブは――全滅した。

 かに観えた、HPが0になったままでもムクリ、と起き上がり眼前に立ち上がるプレイヤーが1人。不動武だ。ブロードは驚く。

「何!?」

「しょうがない。スキル発動〈皆均しく平等に〉」


《スキル発動を確認。全てのプレイヤーのHPを平等にしました》


 自分PTのHPと相手PTのHPを、合わせてそれを自分PTと相手PTで仲良く分けた。

 結果、四重奏のHPは大幅に減り。放課後クラブのHPは半分まで回復した。四重奏は話し合う。

「どうする?」

「不動武が邪魔だね」

「じゃあ優先して倒そう」

 リスクが最速、前に出る。全力で走る!

「うし! じゃあウチが相手だ!」

 と、その前に立ちはだかるのは。ロボットに乗っているエンペラーだ。エンペラーはロボットアームでリスクを掴む。

「ちょ! 離せ!?」

「さっきのは俺の責任だ……俺じゃどうやったって勝てねえ。だから……!」

 ロボットの自爆ボタンをポチっとな。と押す。

「へ?!」

 ――キュイーン! ――――チュドーン!!!!

 道ずれ。大火力によって、リスクが白目をむいた。


《エンペラー戦闘不能、退場します》

《リスク戦闘不能、退場します》


 実況のジャンプと解説の桃花は唖然と驚く。

『あーっとここでエンペラー選手とリスク選手が脱落―!!』

『リスク選手が敗れる所なんて初めて見ました……』

『それほど武選手のHP半分化とエンペラー選手の自爆が幸運にも効いたのでしょう!』

『これで3対6ですね。なんとか放課後クラブも持ちこたえてます! でも、まだ勝敗はわかりません』

 まさかのリスク退場、波乱の幕はまだまだ続く――。

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