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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第2章「雲の王国ピュリア」西暦2034年5月1日

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第24話「遊びじゃねぇんだよ!」

「うん! わかった」


「あー……サキ念のために言っておくぞ…絶対に本気で遊ばないこと、これを誓ってくれ」


「どゆこと?」


「この前言ったように遊びじゃねえんだよ状態に、エンペラーみたいにならないでくれって言ってるんだ」


「おい、遠まわしに僕を否定してないか?」


「はーいわかりましたーサキは本気で遊びません、あくまで軽く遊びます」


「本当にわかってるのか? 絶対じゃからな? フラグじゃないんだぞ?」


「あーい、あ! ねえねえ折角3人集まったんだしアレやらない! チームの勝利の掛け声練習!」


「何じゃそれ」


「簡単に言うと「俺達の武器は愛と!勇気と!友情!」とか「俺達の武器は地位と!謀略と!だまし討ち!」とかの掛け声あれ一度でいいからやってみたい」


「ふむ……よくわからんが自分の個性を武器として発すればいいんじゃな」


「なるほど……じゃあ僕はあれだな……」


「じゃあぶっつけ本番だけどやってみるよ……! 私達の武器は! 勇気と!」


「妹と!!」


「遊びじゃねぇんだよ!!」


「「「………」」」


「なんか…まともなのあたしだけ…」


「わしはいつも通りじゃが?」


「僕もいつも通りだ」


「あぁ、うん……なんか違うような……まあこんなもんなのかな?」


「ちなみにこれは何のゲームの影響なのかな?」


「……テイルズオブジーニアス……」


「直訳すると天才物語か…なんだか賢くなりそうな作品だな」


「ったくサキはなんでもすぐ影響を受けやすいんだから」


「うぬう……」


「よし、んじゃあそんなわけでなまた今度!」


 そういってヒメはどろんと煙を立てて忍者らしく去っていった。


「さてと……」


「んじゃ……」


「雲の王国ピュリアの攻略……」


「始めますか……!」


 そう言いながら悠然とたたずむ雲の王国ピュリアを草原から見上げるサキとエンペラーの二人であった。これから起こることを雄大に浮いている島はただ黙して語りはしなかった…。風も、ただ穏やかに流れるだけで何も語ろうとはしなかった。

 雄大に浮かぶ雲の王国ピュリアに再びトンボを使ってやって来たサキとエンペラー。


「さてメインクエストはどこにあるのかな~っと」


「僕も前一人で探したけど、めぼしい所はもうあらかた探したよ」


 場所としては中世ヨーロッパの古城をイメージした建物が所せましと並んでいる。ハーブグッズがたくさん売っていてそこら中からハーブの香りがする。あとはノルウェー西岸の玄関ともいえるペルゲン。そのペルゲンの顔とも言えるブリッゲンの建物、のようなものも見える。

 かわいらしい3角屋根の建物は当時を伝える商館跡で、ユネスコの世界遺産にも登録されている…、ような建物が並んでいる。ここでの貿易は全てトンボを使って経由している、ドラゴンに乗ることは貴族や上流階級の人たちが乗るだけで一般の民間人には値段的に高値の花のようだ。日本だと乗りやすくて安い軽自動車、スーパーカーと言われる高級車はお金持ちしか買わないとかそういう風に考えてくれるとわかりやすい。


「えーじゃあもっとめぼしい所を探すしかないじゃない」


「ここ思った以上に広いからな~」


「とりあえず探しますか……」


 とりあえず探してみる二人、しかし見つからない。


「どこにも居ないね~」


「サキ、そんな事してると落っこちるよ」


「平気平気、落ちたとしても地雷に当たった時の痛さくらいだって」


 そう言ったのがフラグだったのか雲の王国ピュリアの端っこ、で人間やじろべいをやっていたサキは足を滑らせ天空から真っ逆さまに落ちた。


「きゃー!」


「サキ! うおっ!」


 と途端に下をみるエンペラーだったがその時突風がエンペラーの前を通り過ぎた、そう通り過ぎたのだ、風と共にいや、風と一体化した人のようなものが真っ逆さまに下へ向かって吹き荒れる。


「きゃあー落ちる! 落ちる! 落ちるー! 助けてー」


 急降下しているサキ、だが得体のしれない風によりその速度はみるみる内に減速し空中で静止した、風の絨毯がサキを覆い包むように守っている。


「危ない所だったな」


 見ると知らない男性が空を飛びながら話しかけてくる、サキはそれを見て(飛んでる…)と思った。


「ど、どうも……」


 場所を移して再びピュリアの崖の前、崖の所には柵がついているのに咲はせっかくついている柵の上を歩いて人間やじろべいをしていたので落ちたわけだが、それを見知らぬ風を操る少年に助けてもらったという形だ。


「た……助けていただいてありがとうございます」


「いいっていいってたまたまひと騒動終わってフェイの実家にやって来た所を「助けてー」って声で駆けつけただけなんだから」


 見知らぬ男はそう言う、謎の少年の名前は未だわからない、そもそもフェイってだれ? この少年の横に付き添っているお姫様みたいな恰好の人のことだろうか?っとサキは思った。


「あ 初めましてフェイと言います、こちらの人は風の精霊ヒルドさん、私の命の恩人です。私もさっき助けられた所だったんです」


 サキは疑問に思ったことを普通に口走った。


「へえ助けられたってどんな?」


 と、その時機械的なファンファーレが鳴った、どうやらメインクエストの発生条件を満たしたようだった。


「え!? 何ここから落ちたらイベントが発生するの!? 通りで見つからないわけだ…」


 唖然とするエンペラー、普通街中で村人とかが襲われてそれを助けてイベント発生とかならわかるのに『危険飛び降り禁止』の看板がある横で飛び降りたらメインクエストのイベント発生とかどんな嫌がらせだよ。こんなのよっぽどのイカれた人か陽気でバカな人しか落っこちないぞ高度千メートルから紐なしバンジーをやろうなんて酔狂な輩は…。やっぱり運営の方も相当頭がイカれてる…そう思いながらエンペラーはメインクエストの内容を確認した。


 メインクエスト『風の国での大合唱』ストーリークエスト

 風の精霊ヒルドと雲の王国の姫様フェイと出会った、彼らの過去話を聞き彼らと協力せよ。

 雲の王国ピュリアは悪政により崩壊の危機に直面していた、冒険者の諸君手段は問わない、雲の王国ピュリアを平和にせよ。人口AIとの選択肢のない高度な会話劇を楽しみながら、悪党ケンチャを追い詰め倒すことが果たして出来るのだろうか?柔軟な思考と知力、体力、もちろんレベルも一定以上なければ進めない、冒険者よ覚悟して進め。


 表示されたメインクエストの一覧を読み終わるのを待ってくれているのだろうか、ヒルドとフェイはそのことについては一切口出しせずにただ黙って待ってくれている、まるで固まったかのようだ。表示された一覧とヒルドとフェイを見比べるサキとエンペラー、エンペラーはまず最後の「覚悟して進め」の所に妙な違和感を覚えた。


(覚悟して進めってことは何か決意にも似た選択を迫られるということなのだろうか?何にしても気を引き締めて進めと言う意味だ…油断せずに行こう)


 対しての思考はと言うと。


(おい……お姉ちゃん悪党ケンチャって思いっきり出てるんですけど…こいつ倒せば国は平和になるってことよね、簡単じゃない)


 エンペラーは気を引き締めている所で咲は思いっきり気をゆるんでいた。


「俺がフェイを助けた話を聞かせればいいわけだな、ちょっと長くなるけどいいか?」


「ヒルドさん、私もお手伝いします」


 そう言うヒルドとフェイをしり目に、サキとエンペラーは作戦会議の意味を込めて二人でひそひそ話を始める。


「どうする? 私は聞いた方が良いと思いけど」


「僕もそう思います、ここは一つ乗っておきましょう、この街の情勢のことも知らないし何より悪政って言葉も気になります」


 二人の意見は一致した、何しろあのEMOだ。【はい】と選んで即死する可能性もありうる。なので石橋を叩いて渡るくらいの気構えで話に応じることにした。


「おっけい長くなろうが全部聞きましょう!」


「はい、よろしくお願いします」


 こういうポンポンと話が進むのはRPGではよくあるな~っと思いながら二人は話を聞く体制に入り、そしてヒルドとフェイの物語は幕を開けた。


「と言う話さ!」


 風の精霊ヒルド達の物語を聞き「良い話だったー」っと涙を流し手をパチパチさせる咲、もうこの時点で満足してしまっている、これからそのヒルドやフェイ達と関わるのにもう終わったかのような心境だ。


「良い話だねーこれで世界は平和になった、よかったよかった」


「よくないよ」


「へ?」

 エンペラーが冷静なツッコミを入れる。


「サキ……メインクエストの内容もう忘れちゃったのかい?」


 サキとエンペラーはメインクエストの内容を思い浮かべる…。


「ん~っと……がっつりケンチャ生きてるね、この分を読むに」


「そう、だからこれは終わったんじゃない、始まったんだ、次はこの街雲の王国ピュリアで何かが起こるってことさ」


「何かって何が?」


「さあ……そればっかりはわからない」


 サキとエンペラーが何やら話し込んでる中フェイが顔をずいっと近づけサキに言う。


「ねえ、あなたはどこから来たの? この辺の服装じゃないと思うんだけど」


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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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