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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第9章「ザ・エンドオブ・アリスストーリー」西暦2034年11月1日

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第209話「神道社総合委員会」

 【日本時間】11月19日14時00分。

 仮想世界。


 アナザーヤエザキとの激闘を終えて、視界がクリアになったヤエザキ。そんな中、農林水サンはログではなく。運営のみが観れる【ソースを読み取り】理解し、判断した。

「よし、ヤエザキ、あとは好きにしていいぞ」

「好きにって……まだ戦は終わってないんじゃ……」

「必要【最低限】の条件のデータ収集は達成された、【運営として】……。もうここには用は無い」

 近くではプレイヤーやNPC達の、戦闘始まりの怒声や。混乱に乗じた悲鳴が聞こえる。

「でも、まだ戦ってる人たちが」

「これ以上、無益な戦いは望まないが……。そうだな、じゃあこういうのはどうだ? 新しいミッションと言う名のクエスト」

「……?」

「《まだ暴れたりない奴の相手をしてやれ》そうすりゃ大義名分は出来る。というわけで、ワシのお供はここまでじゃ。ここから先は【上と】話し合って調整するよ。んじゃ、最後にクエスト条件だけ置いてログアウトさせてもらう。じゃ、また後でな」

「うん、わかった! またあとで!」

 冷静さを取り戻したヤエザキは納得したようにうんうんと頷く。


《農林水サンがログアウトしました。》


 そう言って、姉はこのフィールドから姿を消した。おそらく、これ以上運営権限を乱用するのは避けたかったのであろう。彼女自身の仕事である【アナザーヤエザキとの決着のデータ】は収集し終わった。


 細かく言うと、黒と白のヤエザキのデータは。運営のソースから、アナザーヤエザキのデータだけは残っていた。ログ・足跡は残っていた。勿論、エボリューション・白による『ログが残らない』はあったが。

 農林水サンは【アナザーヤエザキのデータから逆算して】ヤエザキがどういう動きをしたかはおおよその判別がついた。

 例としては将棋の棋譜で、片方側の撃ち方だけ表示されてて。もう片方の棋譜は観えない状態だったが。一撃即死の盤面でミスが許されるはずもなく。その逆算行動は読みやすかった。真偽は不明だが、たぶん。今の天上院姫なら、アナザーヤエザキにも勝っていただろう。


 ということで、あとは『無理強いはしないが、ついて来れる奴だけついてこい』と。そういう意味なのだろう。そして新たなクエストがヤエザキの前に表示される。


《新たなクエスト条件が開示されました》


 サブクエスト名『まだ暴れたりない奴の相手をしてやれ』

 難易度:B~S

 制限時間:時間いっぱい気が済むまで

 フィールド内時間速度:通常 (リアルタイムではない)

 敵モンスターランク:B~S(SSSは出ない)

 ボーナス条件:必要最高までデータ収集出来たら

 概念領域:戦闘範囲に入らない

 死に戻り:あり

 ログアウト:あり

 報酬:現地調達

 補足:無理強いはしないが、ついて来れる奴だけついてこい

 

《クエストを受けますか? はい/いいえ》


 ヤエザキは考える。

 こんな所でリザインやらサレンダーはしたくない、かと言ってここから先に深入りするのも大怪我に繋がりかねない。でもやめるわけにはいかない。そう言えば、姉の頼みで今ここに居て。連れられるようにここに来たのだ、姉の目的が終わった以上。ヤエザキもここに居る理由は無い。

 でも、今。この戦場を観ると……。なんかヒット&アウェイをしてるように見えてシャクなのもある。……、今なら。この時点なら区切りが良い。ログアウトなら丁度いい、でもここから先へ行くと。もう一度アナザーヤエザキと戦うまで終わらない気がする。……。

 湘南桃花にとってはもう終わっているイベント、不動武にとってはまだ終わってないイベント。運営にとっては、今私達が動くのはマイナスポイントでしかない。

 その時、ヤエザキの体と心とデジタルが融合した体が反応する。

「心は解らないと言ってるけど、体は終わってないと言っている……なら」

 相方あいかたからだ、を信じるしかない。

「まだ終わってない」

 ヤエザキの指先は《はい》を押した。


《クエストを受けました。サブクエスト名『まだ暴れたりない奴の相手をしてやれ』を開始します》


 一回深呼吸をしたあと。

「はあ、……こうなりゃあとはどうにでもなれよ!」


 この祭りを、ガチ遊びすることに決めた。



 【日本時間】11月19日15時00分。

 現実世界。


 神道社総合委員会しんどうしゃそうごういいんかい


 今更かと思われるであろう解説であるが。

 神道社内に置かれているメインサーバー、『世界樹シスターブレス』のシステムは。

 真のゲームマスター、天上院姫/神道社社長/農林水サンの操作以外では。

 8人の審判者による多数決で決められている。というより、姫がそういう構成にした。

 運営長2人・政治家2人・最高人口知能2人・トッププレイヤー2人。そして天上院姫1人。合計9人。

 これら合計9人の意思決定を反映したものが『世界樹シスターブレス』に【命令】として出される。勿論、世界樹にも拒否権は与えられているが一度も拒否したことは無い。

 悪意ある意思決定はそもそも、真のゲームマスター、天上院姫が継続しないからだ。決定したとしても続かない。そういうことだ。


 参加する9名は以下の通り。


 運営長、猿山坂尾さるやまさかお

 運営長、舞姫まいひめ

 政治家、今泉善次郎いまいずみぜんじろう

 政治家、ジョン・サーガ。

 最高人工知能、天命アリス=スズ。

 最高人工知能、ヒルド。

 トッププレイヤー、不動武ふどうたける

 トッププレイヤー、湘南桃花しょうなんももか


 神道社社長、天上院姫てんじょういんひめ


 これらを総じて【神道社総合委員会しんどうしゃそうごういいんかい】と呼ぶ。

 神道社社長は元気よく始める。

「じゃあ、会議をはじめようなのじゃ」

 今後の方針を決める会議が始まった。

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