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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第9章「ザ・エンドオブ・アリスストーリー」西暦2034年11月1日

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第206話「15+α日目」★

挿絵(By みてみん)


『社長、ちょっと気になる声がありました』

「ん? 何じゃ?」

 エレメンタルマスター・オンラインのゲーム内にダイブしていた、天上院姫/農林水サンは。運営側との電話でその声が伝えられた。

『Bランク以下のプレイヤーがついて行けてないそうです、今回のSSSイベントは期間も長いですし。軽めのイベントを用意してはいかがでしょうか?』

「なるほど、確かにそうじゃな。……じゃあ今からイベント作るから、それを『世界樹シスターブレス』に組み込んで変換してバラまいてくれ」

『かしこまりました』

 言うと農林水サンはカタカタとデジタルのキーボードを打ち込んで、イベントを生成する。


【アヒル隊長と温泉に入ろう!】難易度E

 《温泉旅館イイユダナ》で、アヒルのおもちゃと温泉に入ろう!

 ルールは簡単、アヒルのおもちゃと一緒に温泉に入るだけ!

 温泉卵も食べられるよ!


「はい、これで送信。っと」

 簡単に済ませたこのイベントで、どんなドラマが待っているのかはプレイヤーのみぞ知ることとなる。

「Bランク以上の奇天烈な動きは楽しませてもらってるが。ゲームに参加できないのは死活問題だからな~」

『社長がα忘却あるふぁぼうきゃくなんてトラップ作ったからですよ』

「それは舞台裏や非公開シナリオまで組み込む輩がいるからじゃろーが! まあ難易度を上げたのは事実じゃが……」

 実際、この前もSランククエストを作っておきながら。その存在をすっかり忘れていたサン社長。

「んじゃ、引き続き面倒な雑務を頼む」

『かしこまりました』

 運営と社長との通信はここで切れた。 



 仮想世界。

 【日本時間】11月15日22時00分。


「いったん引け―! 隊列を立て直せー!」

「後衛で地図が出来たらしいぞ! 陣形を組み直せ!」

「やっと今戦ってる場所が解るのか、ありがてー」

 どこかで誰かの声がした、人の波とは自分では制御できないほど無力で滑稽である。その流れに身を任せないと戦場では死を意味するので、勿論、その他B~Sランクの冒険者もそうする。

 そして1時間もすれば、全てのプレイヤーないしNPCは。各々の布陣に身を固めた。


 英雄の村、ギルド長会議室。

 会議と言っても【あまりにも人数が多すぎるので】ギルド長の中から更に選ばれた。【長の中の長】の4名に集まってもらった。最も、今回のみの例外も居る。

 ギルド『放課後クラブ』ギルドマスター、ヤエザキ。

 ギルド『最果ての軍勢』ギルドマスター、不動武。

 ギルド『カイガイ』ギルドマスター、メダル。

 ギルド『非理法権天』ギルドマスター、湘南桃花。

 あとついでに、ゲームマスターである農林水サンは見守る立場でそばにいる。後ろで壁に腰かけている。

 ギルマス桃花は考える「さて、何処から話したものか……」と長すぎる話を他のギルドメンバーから聞いた後に。「なるほど、そういうことね」と、ほぼさっき自分の中で整理できた状況である。

「まず、この戦争は【もう終わってる】のよ。だから……」

「【終わってない】」

 不動武が、世界をフカンしながら言う。

「いや終わってる」

「まだ終わってない」

「……」

「……」

 重たい空気が流れる。

 ヤエザキは自分の状況を言う。

「えっと、私はこの戦争を見守りに来ただけで。別に戦いに来たわけじゃ」

「んなこと言ったって、ラスボスお前じゃないか。ラスボスの情報を教えてくれよ」

 メダルが「当然だろ?」とばかりに言う。

「いやそんなこと言われたって本気で困るんですけど……しかも何気に主軸の配置にされてるし」

 4人が4人問題が山済みで、各々勝手に主張する。

「まずマム姉貴とカイ兄貴が!」

「死の戻り」

「崖谷で!」

「温泉旅館!」

「ラスボスの情報!」

「英雄の剣士!」

「飛竜や空母!」

 ワイのワイの言ってても全然話が前に進まないので、ヤエザキが音を上げた。

「お姉ちゃん。いや、ゲームマスター。頼むから進行指揮して! 全然進まない!」

 仕方がないので、ゲームマスターの農林水サンが妹のお願いと言うことで。口を挟むことにした。

「しょうがない。じゃあ勝利条件だけ言おう」

 4人が静寂の中見守る。


「勝利条件は、アナザーヤエザキの撃破。あとは自由、以上。」

 

 単的で短く結論を述べた。桃花がシリアスなツッコミを入れる。

「……作戦は?」

「どうせ作戦作ってもお前ら破るから意味ない」

 全ての結論が集約されていた。

 でもそれだけでは不安なので武が続ける。

「わかった。それでも良いが、この戦争……イベント中は折角連絡がすぐ取れるんだ。連絡は密に取って欲しい」

 そこは全員同意出来た。ゲームマスターが最後に気の抜けた号令を出す。

「はい、んじゃ皆自由にぶっ倒せ。解散~」

 会議に意味があったか無かったのかはわからないが、一応認識の齟齬は確認できた。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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