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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第9章「ザ・エンドオブ・アリスストーリー」西暦2034年11月1日

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第205話「13+α日目」

 仮想世界。

 【日本時間】11月13日03時15分。


「おい、ヤエザキ。とりあえず幽体離脱もう良いだろ。頼むから戻ってくれ」

 姉の農林水サンに言われたので潔く体内に戻ってから、再ログインする。


《ヤエザキがログインしました》


 突然のアクシデントとも呼べるこの状況に社長である農林水サンは運営と協議して、こう結論付けた。

「ヤエザキ、今回の件はイエローカードな」

「え”」

「あれは冷静さを欠いて出していいような代物じゃない。少なくとも、《エボリューション・白》を使ったらリアルタイムで1日《待て》をする覚悟をもって使って欲しい。そのくらいの代償は良いだろ?」

 ギリギリアウトっぽいニュアンスだった。というより……。

「待てなかったから3時のおやつ抜きみたいなイメージ」

「そんな~」

 VRゲームを魂を行き来できる機械、とするならば何ら問題は無いだろう。やってることはアカンのだが。別にファンタジーやSFで魂が行き来できるからサーバーの中に入っても良いよね? てのは悪い事ではないし、出来るし、可能だ。しかし……。

「自社のゲーム作品の中に、無断で魂を突っ込んで侵入するのはアカンかった」

「あ~~……」

 どうやらVR機を通さないでゲームに参加したのがあかんかったらしい。セキュリティの問題もある、皆が真似出来なくて遊べないのならそれがゲームとは呼べない。

「このエレメンタルマスター・オンラインはゲームの領域を超えちゃいけないんだ。だからログアウトも出来るし、デスゲームでない。今後の運営に支障をきたすので、ちょっとソレをやるのは自重してほしい」

「あ、あい。わかりました……」

「やるときは時間を空けて冷静にな?」

「うん、わかった」

 というわけで、仕切り直しだ。

「というか能力自体はアウトじゃないんだね」

「まあ《ステータスオールゼロ》は良いだろ。そこは要検討だな」

 ここは無法地帯じゃない、法治国家なのだ。


 仮想世界。

 【日本時間】11月13日21時00分。


 別に自重してたわけではないが。現実世界で、ももの天然水を飲んだら眠くなって来たので寝たら爆睡。疲労が貯まっていたのだろう。

 なんやかんやの仕度をしてからなので、今日のログインは21時という遅い時間となってしまった。やっぱりこの時間速度には慣れない。

 ヤエザキは後方で待機していた農林水サンと合流する。

「状況は?」

「わーたしの見立てでは綺麗さっぱり不安は解消されてるわね、皆良くやってると思う」

 つまり十二分に良い仕事をしてるなぁ、と思っているわけだ。

「ここらでまた予定を立てるか」

「予定?」

 それはリアルタイムで動くフェーズの問題だ。

「仮に、第12フェーズあったとしたら今は第3フェーズ2日目。速く見積もって第8フェーズにラスボスを倒せるところにしたい所だ、ていうかそうしないと運営側の体がもたない」

 メタメタである。


 12日目。11月12日、第3フェーズで準備。

 24日目。11月24日、第6フェーズでラスボスと戦闘開始。

 36日目。12月10日、第8フェーズでラスボス撃破。

 50日目。12月24日、第10フェーズで祭りごと。

 64日目。1月7日、第12フェーズでイベント終了。


「こうすればグランドフィナーレだろう、じゃが」

「じゃが?」

「ワシらは運営側の人間、クライマックスの戦闘シーンとエンディングは先行して確認しとかねばならない。よって、本来のフェーズの2週間前には決着をつけて。最後の2週間はのんびりしてればいい。運営側は死ぬが」

 例えばアニメの納品は2週間前に済ませるのがデフォルトらしい、アニメの知識だが。

「想像しただけで死にそう……(主にアニメの作画的な意味で」

「よって、ラスボスとの戦闘は。私達のサーバーは第4フェーズと第6フェーズで先行してスタートする」

「言ってる意味は解る」

「じゃから私達のイベントシナリオはこうなる」


 12日目。11月12日、第3フェーズで準備。

 13日目。11月13日、今ここ。

 19日目。11月19日、第4フェーズでラスボスと戦闘開始。

 33日目。12月02日、第6フェーズでラスボス撃破。

 47日目。12月16日、第8フェーズでのんびり過ごす。

 61日目。12月30日、第10フェーズでのんびり過ごす。

 75日目。01月13日、第12フェーズでイベント終了。


「こうなるので。まあ極論イベント33日までやればわしらのお仕事は終了じゃな」

「お仕事……」

 思わず苦笑と共にはにかむエンジョイ勢ヤエザキ。

「笑ってられるのも今の内じゃぞ。ラスボス戦まであと6日しかない」

「う~んシビア……あの、アナザーヤエザキさんとは6日後に再戦か……」

 農林水サンも通信で運営に伝達する

「そう言うことだ。総員6日後、衝撃に備えよ」

『了解しました、社長』

 そして、不安材料があったヤエザキは農林水サンに聞く。

「ゲーム機を経由してれば、《エボリューション・白》は使えるんだよね?」

「使えるが……ログが残らないのどうしよっかなあ~。まあ面白そうだから今回は見逃そう。今後の参考資料にする」

 何とか今回は使えるらしい。

「わかった!」


 ラスボス戦イベントまで、残り6日。

 舞台は整いつつある。

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