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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第9章「ザ・エンドオブ・アリスストーリー」西暦2034年11月1日

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第193話「1日目」


 現実世界。西暦2034年11月01日15時00分。

 エレメンタルマスター・オンライン。イベント名は『ザ・エンドオブ・アリスストーリー』。訳すと『アリスの最後の物語』となるらし。


 天上院咲は困っていた。そりゃあもう盛大に困っていた。

「は!? このイベントだけ【攻略組ガチ勢】に入って欲しい!? しかもリアルタイムで!? 誰が得すんねん!? 私エンジョイ勢だよ!?」

 天上院姫は平謝りしていた。

「お願い! 今回だけ!! 【攻略組ガチ勢の最後尾】でいいから!? 全力でフォローだってするし」

「当たり前だ! 私を何だと思ってるんだ!?」

「いや~だって~でも~今回のラスボス【天上院咲のAI】を積んでるし~。【リアルタイムで学習しちゃう】からさあ~。無視するわけにもいかないし~、今回逃したらまた面倒な事になる!」

「プーサンケルナアー!!!!」

 思わず「ふざけるな!」を露語が悪くなり、明後日の方向を向いている姉にチョップをかました咲。

「ごめん! 今回だけ! 今回だけずっと付き合ってほしい!」

「はぁ~……。付き合うっていつまで? イベント中?」

「約84日ぐらい?」

「絶対サバ読んでるだろそれ……」

「えっと~……。冬の期間中?」

「……」

 苦しい言い訳だった。

「お願い! 歩くだけ! 見るだけでいいから!」

「嘘つけ! 絶対それ以外の厄介事に襲われるだろ!?」

「いや! でも! こればっかりは! やってもらわないと困るんだ! リアルで! 私が!」

「お前がかよ!? お姉ちゃん言ってる意味解ってる!? 【初見ルーキーが攻略組ガチ勢の最後尾でリアルタイムで進行を見届けろ】ってイベントなんだよ! 私だけ!」

「いやでも咲だって微妙にセミプロじゃん? 半分運営じゃん? 大丈夫! こっち側がフォローするから! これでトドメだから!」

「何のトドメだよ!?」

「たのむ! 頼む! タノムー!!」

 天上院姫は平謝りしていた。心の中では土下座も同時にしていた。

「……一応聞いておく、それって【冬の終わりまで?】それとも【春の始まりまで?】」

 微妙な言い回しが帰って来た。姫は咲の現状を踏まえ、ちゃんと答える。咲のためを考えて、振るえる声を噛み殺しながら……。

「さ、咲が冬の最後尾のゴールテープを切って、春の始まりまでゴールしてほしい。……これでどうだ?」

「む~……」

 もう謝りっぱなしの姫である。さっきから頭下げっぱなしである。


「は~。わかった、じゃあ【春までね】。そっからは知らない」

「助かる! ありがとう!」

 ちょっと間を開けて。

「……ちなみに、このゲームの私の難易度はどれぐらいなの? S?」

「【運営どころか社長の手に負えないレベル】だから、もう。難易度SSSで良いんじゃないかなあ~?」

 もうちょっと間を開けてから、天上院咲はため息をする。

「春までって、私中学2年生じゃん。これじゃ新学期からも大変だ……」

 先の先まで気にする妹だった。

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