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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第8章「FRO~幻想VS現実~」西暦2034年10月18日

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第184話「ボスラッシュ17」

「出し惜しみは無しだ、行くよ《神速》!」

 ナナナ・カルメルが本気を出して蒼い炎を燃え上がらせる。

「来るぞ! 皆構えろ!」

 ――、一瞬にして後方に周り込むカルメル。

「か~ら~の! 《空繋そらつなぎ》《三柱臣トリニティ》《心果ここはて》!!」

 後方陣に蒼色の《空繋そらつなぎ》が、右方陣に紅色の《心果ここはて》が、左方陣に金色の《三柱臣トリニティ》が、それぞれ天から真下へのダウンバーストとなって降り注ぐ。全員が衝撃波をもろに受け、ひるみ状態になる。

「ガハッ!」「うわあ!」「チィイ!」

「みんな!」

 グリゴロスは左から後ろを振り返る。カルメルも超気同様に、またしても空中に浮かぶ。

「ネタ切れ? ノンノン、ここから先はまだ見ぬ世界ってやつさ! んじゃ行くよー!」

 3人のナナナ・カルメルの内、左右2人が剣を振り上げる。攻撃態勢になり、2本の日本刀の3玉はクルクルと上昇する。

「アップ! 《六ヵ国・不斬ふざん》!!」

 不知不痛不視の斬撃が中央陣に飛んで来る。知らぬ痛みさへ、解らぬうちに魂を開放しようとした。その斬撃を前衛陣、マガジン・サンデーが盾となって護る。

「ふんぬー!」

「筋肉なめんなやー!」

 遅れてチャンピオンがジャンプして、中央のカルメルに向かって飛んできた。チャンピオンは拳を振り上げる。

「せいやー!」

「《三ヵ国・破魔矢はまや》!!」

 中央カルメルは魔法を破滅させる真の矢でもって、チャンピオンに攻撃を当てる。光の矢が3本、チャンピオンに突き刺さった。ズキズキと筋肉細胞が悲鳴をあげる。

「ぐ、抜けねえ。下手に抜くとやべえな」

 左側のカルメルが笑みを浮かべたが、ソレをグリゴロスは見逃さなかった。「俺のセットはまだといてねえぜ」「え?」と《早駆け》と《軽業》の合わせ技で右カルメルの顔面に当たり、上体が浮き。後ろへ吹き飛ぶ。

 それと同時に左、中央の影分身がポン! と解かれる。グリゴロスは追い打ちをするために駆けるが。カルメルは【存在ごと消えた】。瞬間、自分たちが何故ここに居るのかさへ解らなくなってから。

 そしてもう一度ナナナ・カルメルの【存在が現れる】ガチン! と歯車が噛み合い記憶が元に戻るが、自分達が何故ついさっきまで記憶の齟齬が発生したのか解らず。混乱する。ただの混乱ではないことは明白だった。

 グリゴロスがそれらに気づき、空中に浮かぶカルメルに言う。

「姿を消すだけなのに、イヤに警戒してるじゃねえか」

 一瞬で消えるでもなく、気配が消えるでもなく。存在が消える。誠に人間のやることではなかった。

「普通はここまでしないよ、でも天皇杯だしねぇ。陛下のお眼鏡に叶わなかったら。それこそ残念だ」

 ナナナ・カルメルの放つオーラには、脅威ではなく敬意がそこには見え隠れしていた。

「セット!」

 グリゴロスは、空中に浮遊しているナナナ・カルメルを指していた。同時に散り散りになった陣形を急いで元に戻す。

「んじゃ、皆。対策してると思うからそろそろ行くよ!」

 言って。

「『よくわかんないけど《真紅》《審判》《断罪》《銀》《竜尾》《文法》』!!!!」

 中央以外の。前方後方右方左方の四方に、天空からごちゃ混ぜに遠雷が轟いた。文字通り周りを気にしている暇もないので、ファランクスに指示を出す。

「ファランクス! 《解読》!」

「了解! 《解読》! ……ほいきたあ、弱点は『特異点』です!」

「は!? 特異点」

 一瞬混乱したその隙に、カルメルが急接近して斬りかかって来たので。ギリギリで回避した。

「おっと!」

「人のこと心配してる暇は無いよ!」

「その言葉、そっくりお前に返してやるぜ!」

 中央陣地内に深く斬り込んできたカルメル。互いに互いを見つめ合い、構える。

「気負付けろ! 同士討ちになる!」

 囲んでるのか囲まれてるのか解らない布陣となった。王将と王将が盤上で並ぶ、お互い射程範囲内だ。

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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