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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第7章「EMO~心のエレメンタル~」西暦2034年9月13日

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第157話「紅白頂上戦争7」

「いくよ! ……私の技はみんな、もう一段階進化する!」


 Mは敵の情報を知りたくてスキルを発動させる。

「スキル〈サーチヴィジョン〉相手のステータスを看破しろ!」

〈〈サーチヴィジョン〉が行われましたが、〈エボリューション・極〉発動中の相手には許可申請が必要です。プレイヤーヤエザキ、許可しますか?〉

「許可します」

 スキルの使用権限さえも〈エボリューション・極〉発動中の相手には可否を問われるのか。と驚愕するMだったが。ステータスの中身でも驚愕せざるおえなかった。


〈エボリューション・極〉

 全てのステータスがMAXになる。全てとは、攻撃力・防御力・特殊攻撃力・特殊防御力・素早さ・賢さ・幸運。

 所持している。称号・装備・アイテム・スキル・システム外スキルが限界無く進化し続ける。

 12秒経過すると、神威召喚に成功し。勝利が確定。

 心のエレメンタル 最終決戦さいしゅうけっせん

 心の感情値:1000

 心のMAX値:1000


「なるほど、確かに驚くべき力だが。心のエレメンタルのルールの上位には行かないらしい。ことだけは幸運た。クロックアップ!」

 0秒の中で動ければどうということは無い。Mはそう思った、あとは心のエレメンタルを最高値に達し続けておけば。力負けはしない。そう思っていた。

「私は負けない! 不敗! 無敵!」

 心のエレメンタル:不敗

 心の感情値:3000

 心のMAX値:3000


 その時、0秒の空間の中で。オーラを纏ったヤエザキは口を開いた。

「確かに。この技は、ステータスをマックスにする代わりに。大きな誓約がかけられている。だけど、どんな能力だろうと。心のエレメンタルの上位権限には届かない。それはこの技が、ゲームが、違法ではないという証なの」

 ――12・11・10・9・8――。

「!?」

 その時、0秒の時間の中で確かに。数字とヤエザキの口だけは動いていた。

 と、同時に。Mの心の感情値も3000・2500・2000・1500と。どんどん下がってゆく。

――7・6・5・4――。

「ク……くそォ――――――――――――!」

「あなたに恨みはないけれど、私に動機はないけれど、たかがゲームで片付けられるかもしれないけど。私の思い出はくだらないかもしれないけれど……」

 その時、Mの攻撃力∞と。ヤエザキの防御力∞がかち合った。Mの感情値は1000まで削り取られていて。完璧な互角になって。無限の力を持った盾と槍は相殺された。そして。その時が訪れる……。

――3・2・1――。

「あなたに、勝ちます!」


――0――。


〈神威召喚成功、神速。発動します〉


 ドドッドドドドドドドドドドドドdッドドドドドドドドド!


 0秒の時の中。無限の時間の中。ソレは水を得た魚のように駆け回る。走速を超えて、音速を超えて。雷速を超えて。光速を超えて。

 神速は、どの時代、時空、次元だろうと。正確に標的を射抜いた。


「そして、時は、動き出す」

 ドオン!

 同時に、遥か遠くでも物凄い衝撃波が波紋を帯びて駆け巡った。また、四重奏の誰かが何かやらかしたのだろう。だが、こっちの方でもやらかしてしまった。

 ステータスのようなナレーションの声と共に。今回の〈紅白頂上戦争〉の結果が全員に伝えられる。


〈紅組が勝利しました!〉


 ヤエザキは深呼吸とため息を同時にして。その場に立ち尽くした。倒れもせず、気絶もせず。

 どこまでも中途半端に。オールラウンダーがゆえに。何処にも極振りせず。全てに極振りして得た勝利の答えがこれだった。


 確かに、出来は良くなかった。


 適当な姿勢がそこにはあった。


 そう、あるがままに。だからこそ。


「自分で掴んだ、勝利な気がする」


 彼女が欲しかったのは、実感だったのかもしれない。

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