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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第7章「EMO~心のエレメンタル~」西暦2034年9月13日

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第155話「紅白頂上戦争5」

 勝てない……。

 天上院咲は自分の死を覚悟した、否。愚かさを自覚した。

 だからこそ、思う所があったのだろう。その弱音を口にする。

 彼女の心がこもった、精いっぱいの弱音という名の本音だ。


「使命もなく、道理もなく、覚悟もない。私の力は痩せ我慢だ、火事場の馬鹿力だ……」


「何も知らないまま、社会の歯車に振り回され。上手くギアを合わせようと足掻いて失敗して……」


「沢山の嫌なものから、目をそらしてきた結果が私だ。私の大事な個性なんだよ……。慎重じゃない私が私なんだよ」


「私は。湘南桃花じゃない、天上院姫でもない。天上院咲なんだ……。過去の遺産なんて私には関係ない、それは私じゃない」


「導きとか、神託とか。予知書がどうとか揺らがぬ信念とか、絶対の意思とか。そんなものは私にはない」


「空だって飛びたくないし。空っぽかといえばそうでもない。ここに来るまでに色んなものに触れあった。中身はあるけど薄味で」


「劇的な役者を最初は演じたさ。でも、そしたら傷ついて、傷つけられての繰り返し。現実と虚構の狭間で足掻いて」


「気づいた時には身勝手の自業自得で片付けられて、掃除される。皆の未来の、手助けになったかな? なれたかな……?」


「でも……、上出来とは程遠い完成度の贋作でも。ここまでこれた、認知は知らない。でも知ってもらえた」


「天上院咲の生きざまは。どこまで行っても中途半端で、美味しくもなく不味くもない、よくあるただのジャンクフードで」


「今が楽しければそれでいい。無理にテンション上げ下げせず。なあなあに生きてきたのが本当の私だ」


「ねえ、お姉ちゃん。私、楽しめたかな? 役に立てたかな? 迷惑かけなかったかな?」


「ネットの世界はよかったよ。広くて面白くて。皆がその中で一生懸命生きている」


「偉人の名声は、それを得るために用いられた手段によって評価されるべきである」


「わたしはもう限界だ。打ち切りエンドだ。だってそうだ、長期的目標は見つからなかったもん」


「でも、最後にどうしてもやらなきゃいけないことがある。最強になんて興味はない。名声じゃ腹も膨れない」


「でもでもでも! 目の前の片づけだけはいつもやってきた! 因縁なんてどこにもないけど! 最果ての軍勢に挑んで散れるならそれで本望!」


「今ある花は咲いて散るから美しい? そんなもん知るか! 悪いが私は、永遠に散らない夢の国の花だ!」


 最果ての軍勢、Mは今ある全てを悟って。彼女の自我を称賛した。

「それが答え……。いや、お前の『道』か……」


 ヤエザキは剣をブンと前に振り下ろして相手目掛けて言う。

「特に理由はないけど、最終決戦のつもりでいかせてもらいます! Mさん!」


 名前:ヤエザキ

 心の感情値:1000

 心のMAX値:1000


 ……。

 農林水サンは妹の成長と覚悟を知って、改めて応援する。

「……咲の花道、一瞬たりとも見逃したりはしないのじゃ」

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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