第152話「紅白頂上戦争2」
開戦から1分後。先頭集団が交戦に入った。今回は完全な地上戦、飛行禁止区域でのバトルとなる。
VS数字絶対主義アイン&肉体言語のコマンドー
「よりにもよって最初があんたらか! アイン! コマンドー!」
紅組、湘南桃花がそう吼えながら、ギルド『非理法権天』が前に出て。最果ての軍勢、その一部隊との交戦。
「やっと会えたわね、あんたたち!」
「これも巡り合わせか。だが次はもうない」
弾丸の嵐が飛び。巨大なパワーを持つ拳が振り下ろされる。
もっと細かく交戦を見ていたかったが、そんな余裕もなく。ヤエザキは『放課後クラブ』合流、他のギルドと編隊を組んで陣取る。
理由は、農林水サンが大将だからだ。だから最前線をよそ目に、指揮系を統括する役目と相成る。まずは両陣営大将である王将を囲んで守る。
「フィールドはアメリカ大陸一個分なのよね、広すぎるのも対外だけど。それって日本大陸何個分?」
「約25.5個分じゃな」
「広い! そんなにいらない!」
「まーまーまー」
バトルフィールドの地形は。独特な地形と浸食と風化で形造られた岩山が、ユタ州南部からアリゾナ州北部にかけて広がるこの地域一帯をモニュメントバレーにそっくりだった。
道一本が地平線の彼方まで続くこの広大な大地で、空を飛ぶのは禁止されているので。車での移動となる。ゲームの車なのでバリバリに運転免許とかは要らないし。体格が不十分でもお構いなしだ。
道端には今まで出会ったことのある【ボスモンスター】がうようよいる。あまりにも広いので、道中にハイジャンプ装置が設置されている。
一回のハイジャンプで日本の面積一個分をジャンプできるという、とんでもない装置と豪快さだった。ちなみに、ワープではなくジャンプ。
大将、農林水サンは改めて。このゲームの指揮をとる。
「さて、紅組部隊は大体陣形を固めてくれたので、そろそろ動こうと思う。皆の者! 我に続け! 白組大将のところまで突撃じゃ!」
10人ほどでハイジャンプをしたその先には。
またも最果ての軍勢が待ち構えていた。その数5人。というか白組の最果ての軍勢率は8割ほど居て。ほとんど最果ての軍勢VS参加プレイヤー全員の貞操が強かった。
人名は把握しているが、大将戦まで力は温存しておきたい所。
「お姉ちゃん、どこで本格的な戦争に入ろうか?」
「まあ、無難にニューヨークとかのビル群地帯じゃな。壁もいっぱいあるし」
オセロ型領土抗争に発展してきた。だが中々に今回は最果ての軍勢との死闘はぬぐえない。
「よし、じゃあ作戦を考えましょう」
放課後クラブのメンバーが集まって作戦会議を始めた。




