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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第7章「EMO~心のエレメンタル~」西暦2034年9月13日

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第149話「マンネリ化」

 空母エヴァンジェリン。船内の個室。

 ヤエザキはやりたいことが無くなったと思い。途方に暮れていた。気の力を抜いたダラダラタイムである。

 と、そこへエンペラーがやってきた。

「よう、久しぶり」

「久しぶり? 久しぶりか……? まあいいや」

「何を悩んでいるんだ」

「やりたいことが無くなった。いや、今は無い、か……」

 ちょっと彼女は鬱っぽかった。人に見せびらかしながら鬱を披露するような子ではないので。どうやらその落ち込みようはマジらしい。

「適当に今までやったことを羅列していけばなんかあるんじゃないか? こんだけ世界が広いんだし」

 エンペラーが尋問のように、Q&Aを投げかけ始める。

「〈紅白頂上戦争〉はやらないのか?」

「アレはもうちょっと先に取っておきたい」

「ラスボスに挑むとかは?」

「もう倒した。ギャグっぽかったけど」

「……。武器の強化とか」

「気分じゃない」

「……。空母エヴァンジェリンの船内を見て回るとか」

「コロボックルとすれ違った気がするけど。タイミングを逃した」

「……。四重奏とかSランクギルドに会いに行くとか」

「大体の人たちとは会って話はした」

「……。ガチャを回す」

「興味ない」

「……。新システムの試し斬りを」

「さっきやった」

「……。バトルじゃなくて生産を」

「何も感じない」

「……。ん~……そんなに今ゲームの中でやることないなら。ログアウトして現実世界を謳歌したらどうだ? 無理にゲームする必要もないだろ」

 ヤエザキは「確かに」とここで初めて同意した。

「ん~そうね。一回ログアウトするわ。ちょっと外の空気を吸ってくる」

 ヤエザキは一回試し斬りをして、それで満足してしまったようだ。そう言い終わった後、彼女はログアウトしようとした。

 強者の実力を知って絶望した、とか。ゲームに飽きた、とか。仲間たちとの戦闘に飽きた、とか。そういうのとも違う気がした。

 まだまだ遊び足りないものはあるはずなのだ。それなのに心が燃え上がらない。不完全燃焼気味だった。一言で言えばそれは……。刺激が強すぎたがゆえの。

「……。マンネリ、か」

 今度身内だけのギルドトーナメント戦でも企画してみるか。と、考えたエンペラーであった。


 と。ここで一つの疑問が浮かび上がる。

「待て、ヤエザキ。ちょっと疑問に思ったんだがさあ」

「ん? なに?」

「【このゲーム】の中での最強って、誰なんだろうな」

「んん? そりゃあ。Sランクギルドの『最果ての軍勢』の誰かでしょ? もしくは『四重奏』あたりとか」

 エンペラーがそれを、疑問に思いながら否定する。

「んや。それは【無差別級】の話だ。この【ルールがあり、チートになりにくいエレメンタルマスターオンラインで最強の一個人は誰か?】て問いだ」

「んん? そりゃ戦ってみないと解んないでしょうよ。システムも変わったんだから。総当り戦でもやったら完璧に解るでしょうけど……。まあ現実問題トーナメント戦でしょうね」

「農林水サンにさ、ガチでやらねーかって伝えてみねーか? 〈紅白頂上戦争〉の祭りの前に。1対1のトーナメント戦」

「それは……面白そうね!!」

 どうやらやる気に火が付いたようだ。

「よし! じゃあお姉ちゃんに言ってみる!」

 そこからの行動は速かった。


 こうして。 西暦2034年9月14日、午後。Ver.1.7.1『心のエレメンタル』

〈第1回『エレメンタルマスターオンライン』公式トーナメント大会〉

 という告知が、9月14日から開催された。ちなみに、あくまでも〈紅白戦〉の前夜祭。余興である。

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