番外編15「大型アップデート」
◆予告告知◆
大型アップデート:バージョン1.4.1について。大きく増えた改造点は3つ。
・非公開にしていた全ワールドマップの開放。今までの7倍ほどに拡張され、全てが地続きのオープンワールドに。
・第4世代機、MFC000(ミラーフォースコンバートオーズ)との連結機能の実施。
・『世界樹の種』が課金アイテムとして手に入る。リアル電子マネー1万円でシェアワールド、別作品として勝手に改造することが可能となる。
人は失敗から学び、成長する生き物というが。デジタル世界だと案外簡単に地理や歴史を変えられるから、気分は楽だ。と思っているのは天上院姫である。
エレメンタルマスターオンライン、略してEMOの世界観をオープンワールドにする。というのが今回の最大の売りだ。
オープンワールドになるとどうなる? という話になるわけだが、今まで大航海時代のように。海の先にまだ見ぬ新大陸が発見される、ということがなくなり。全て地続きで空や陸地が、繋がっている。というのが最大の特徴だろう。
プレイヤーは好きな国に『ワープジャンプ』で飛んでいけて、好きなように旅が出来る。ワープ出来る理由としては、感覚的に現実の地球と同じ広さだから。歩きや自転車や車で移動するのにも限度があるというもの。
◆
「まだ地図も出来てないのに、予告の告知を出すんかい」
咲の姫へのツッコミが現実世界で小さく木霊する。
「ん―ま―。そのうち出来るだろう、時間の問題だ」
今回の目的は社長、天上院姫の作業量を今後。楽にするためのものと言っても過言ではない。広がりすぎる家、街、国、世界を一繋ぎにするのが目的である。なので今まで隠していたデータは全て重なり、結合される。テーマは冒険であり『旅』その広大さを知ってもらうのも一つの手だった。
咲が考えもなしに呟く。
「なんという自信」
姫も考えもなしに呟く。
「まあ、元の歴史が完成しててしっかりしてるからな。あとはそれをナゾリながら地形を作るだけだ」
デジタル世界だから許されそうな話題だった。ファンタジー世界だと天地改変とか、SFものだと地殻変動とか天変地異的な何か大規模な変動が起こってしまいそうな荒業だけど。元から安定とは程遠い世界観だったから大丈夫だろう。
「予告を取り消して会社が謝罪。の未来しか見えない……」
確かにそうだなと思った、個人の領域を超えていると天上院姫。ちょっと冷や汗を一つ垂らした後に。「そ、それもそうじゃな……」と考え直して。正式な予告はまた後で発表することにした。
◆定義確認◆
【第4世代機:MFC000(ミラーフォースコンバートオーズ)】
【世界樹の種】が展開され、自然放置し【世界樹シスターブレス】となった事を。後の祭りで知った天上院姫は、それ専用の次世代機として『天上院姫・完全監修』の名のもとに作られた。
「完全ダイブ(フルダイブ)」を可能としたVR技術を搭載したスマートホン型のマシン。
形としては、第0世代から第3世代まで姫は未監修でVRマシンは作られていた。姫は会社とは別の時計型マシンを開発中だったが、それを今風のスマートホン型に変え、更に会社が運営しているオンラインゲームにも耐えられるように改良した代物。
ミラーは物理、フォースは特殊、コンバートは変化。000はプレイヤーの感情を数値化して表してくれる。
◆裏設定としての数値の意味合い。
0:本音
1:建前
2:強化
3:賢術
4:陰陽
5:精神
6:未覚
7:借りる
8:変換
9:帰る




