第129話「第1ゲーム終了」
現実世界2034年8月2日の午後18時10分。神道社、『エレメンタルマスター』制御室。数々のモニターが設置されている部屋に、15人ぐらいの研究員たちが各々の業務をこなしていた。
それぞれの部屋はまだまだあるが、この1室に最高幹部達が集められていた。
運営人たちが口々に報告をまとめながら口にする。
「9マス中、3マス白黒ついただけで大分荒れてきたぞ……」
「運営サイドの方も疲労困憊です……」
「これは軽く見積もって、豪華客船ミルヴォワール防衛戦の3倍行くぞ……」
「プレイヤーの布陣もあらかた整ってきました、もうすぐ3マス一気に始まって一気に白黒つく流れになってますよ……」
社長である姫も見てるだけだが、さっきの咲の戦いっぷり。9マスなのでハーフタイムと言っても半分に割り切れない。更にこれから始まって山場を登り走り始めるとなると、観てるこっちも気疲れする。プレイヤーによっては、いったん足を止めて休憩している者たちもいることを鑑みても。休憩時間を入れる必要性を感じた。
「仕方ない、休憩時間ってことで第1ゲーム、第2ゲーム、第3ゲームで分けよう。こんだけ居るんだ、休まないと身が持たない」
その社長からの号令により、皆一斉に動き始めた。
◆
ピン・ポーン・パーン・ポーン♪
『運営からのお知らせです。第1ゲーム終了といたします、プレイヤーの皆さんは5分間の休憩を取ってください』
『繰り返します。第1ゲーム終了といたします、プレイヤーの皆さんは5分間の休憩を取ってください』
『なお、詳細はステータス画面にて。各自ご閲覧してください』
それだけだった。同時に、出現されていたモンスターも、ボスモンスターも破壊可能オブジェクトも消えた。プレイヤー同士の攻撃も無効化され、普通の街フィールドに居る状態と同じになった。
元々戦場は戦乱都市アスカ。街中でのアイテムや武器防具の買い物も可能となった。ただ、出来ないのは。CからBランク以外の部屋の移動は禁止だった。つまり、AやSランクとの通話による会話は可能だが助太刀なのは出来ない。
ゲームはまだ、終わっていない。まだ3分の1なのだ。ちょっとしたクローズドサークルのような感じにも思えた。
サキと蒼葉と桃花は別れる寸前だったので、一旦休憩して会話して移動をする時間が与えられた形になる。
その時初めてサキは「あぁ、これはゲームだったんだなぁ」と洒落や冗談じゃないんだなと、現実に押し戻されるような形で自覚する。仮想世界の中だけど。
先に口を開いたのは桃花だった。
「休憩ね、じゃあそこの椅子に座りましょう」
「ふい~疲れた~マジ疲れたよ~」
「うん、疲れた。本当色々あったね……」
見るとスターバ〇クスのような綺麗なイスとテーブルがあった、そこで各々次の準備をする事にした。
3人とも普通に疲れてグッタリしていた。




