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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第5章「戦乱都市アスカ」西暦2034年8月1日

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第123話「2bシシ地区4」※ターニングポイント3

 フェニックスに攻撃を仕掛けて数秒が経過。

 〈白チーム〉と〈黒チーム〉はフェニックスのHPを半分にした。貢献度はほぼ互角、まだまだどうなるかはわからなかった。

 と、その時フェニックスが炎の渦を纏ってボウッ! と変身した。

「なんだ!?」

「第二形態か! 燃える展開だぜ!」

「人型の獣人に変化した!」

「変身爆破だ! 皆避けろー!」

 炎の渦の中で爆炎が起こる、サキだけ取り残されて。皆は渦の外にハズレてしまった。外から内に入れない。サキとフェニックスの二人だけになってしまった。

「蒼葉っち! 桃花さん!」


 すると今まで喋らなかった獣人化したフェニックスが、呆れたようにしゃべり始めた。

『サキさん、あなた、叫び足りなさそうな顔をしてますね』

「へ? はい? 何言ってるのこの獣人?」

『嘘はいけません、心のままに叫んでみてください』

 サキは、ちょっと待ってこの獣人電波なんだけど……とも思ったが。あながち的を外してない内容だった。

『何か心の中で引っかかる、そうでしょう。自分だけ過保護にされて、ゲームを楽しみたいと言ってごまかして。こんなぬるいゲームに退屈で。もっと出来ると思ってても出せなくて、煮え切らなくて。人の顔色をうかがって、あっちでビクビクこっちでビクビク叫びたくても叫べない。考えただけでもダメ出しされて、叩かれて。となりばっかり目立ってて。それでも自分は剣一本しか無くて。名声何てどうでもいい。目の前の事を楽しみたい。孤独が好きでなれなくて。二人でいることを強要されて。答えも問題も自分で探して。自由を偽って真実を吐けと脅されて。それでもカッコつけながら綺麗ごとを並べて。当たり障りのない言葉を並べて』

「…………!!」

『まわりが速くて歩幅を合わせてくれない? 違うだろうが! あんたの人生の最終決戦はそんなにぬるかったのか!』

「い、言いたい放題ね。虚勢をはったって何も出てこないわよ?」

『まわりに振り回されるのはもうおしまい。もう自分でも解ってるでしょ? なら、改めて。カッコつけずに言ってみな』

「へ、へぇー。なんか私、喧嘩売られてる、売られてるわよね? 勘違いじゃないよね? なんかムカっと来るんですけど、かかって来いよって言われてるわけよね? 売られた喧嘩は買うのが道理って言うわよね。だけど口車に乗るほど私は馬鹿じゃないし~……」

『…………、ふぬけが!』

「ふ、ふふふ。久々にプッツンきそうだわ、いきなり喋り始めたら何? 叫べ? それ自体何番演じよ、残るのは何の骨だかわからない馬の骨でしょ? 目に映るのは永遠の犬ばっかりだし、あっちこっちうるさいし。上のクラスは良いわよね、はっちゃけて。舞台裏ではしゃいだり。楽しそうで影の中に隠れて。ええそうよ知らないわよ! 知らなくて知ってるわよ! 魔法剣士って中途半端な職業でもなんとか自分を維持して楽しもうとして! 全然楽しくない! 姉が作ったゲーム? だから何だって言うのよ! 運ゲークソゲー? 知らないわよ! この世界を愛してるとは言わない! うわべだけの真似っ子愛に何回踊らされたと思ってるの!? 愛がなければできない、じゃあ愛がない私はどう動けばいいのよ! あのクモ男にも言ったけど、あいつには勝てないって解ってる! 力の世界で生きてきたのも解る、でも今の私には声しかないのよ何の揺らがぬ信念なんてないわよ! ない心振り絞って心探してるのよ! 最終決戦のつもりで行くとか! 語尾にほみゅうをつければいいとか、そんなうわべっつらだけの冒険で! 何が楽しいって言うのよ! 下には下の奴が居るけど、上には上の奴らが居るのよ! ゴロゴロいるし皆上手いし先を行くし! それが善意の塊だってことぐらい察する事は出来るわよ! だからなに!? 私は何なさ! 何が私なのさ! いちいち上下して! そりゃ最初は動揺したわよ! 知らない罪だって知らない間に償って! それが私の冒険と何が関係あるの!? ええそうよ反発が怖いわよ! バツが悪いわよ! でも私違うじゃん! 愛関係ないじゃん! 心はあるけど愛なんて無いし! それでも戦い方模索して、大丈夫だって言いながら安心できないし。胸の鼓動だっておかしいしけどずっと隠して! 見て見ぬふりだし! これは私の物語なのよ! どっかの誰かが変換した物語に踊らされて! 私の主張は無駄無意味スルーで届かない! 最低限が出来てない!? テメーが決めんなや! 何で全力出した心苦しいのが日の目をでないのよ! 何がハズレアタリよ! あんたにあたしの何が解るって言うのよ解るわけないじゃない! 私が解らないんだから! 勝手に私の言葉に値札つけてんじゃねえ!!」

『…………、80点』

「ふーふーふー!」

 すると獣人のフェニックスは炎の剣。フラムベルジュを叩き出した。

『じゃ、あとは剣で語りましょう。今のあなたの全身全霊の力、私に【ぬるい】世界を見せないでよね!』

「いきなり喋ったと思ったらそれかい。良いわよ、私の最終決戦見せてあげるわ!!」

 この世界の主人公は蒼葉でも桃花でもない、天上院咲なのだ。だから叫ばずにはいられなかったのだ。誰も居ない一人カラオケで叫んでいた。【この世界は私のだ!】と、違うことは解ってる。それでも彼女は、お前のものは俺のものだと。ジャイヤニズムで押し通すことに怖気づいている、意気地なしな自分が何よりも嫌っているのだ。

「2bシシ地区は私がもらう!」

 2bシシ地区後半戦。炎の闘争渦巻く戦場に、いきなり二人だけの魂と魂がぶつかる世界が始まった。


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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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