第112話「戦乱都市アスカ」
道中でまたモンスター、連結の軍勢・プロトと出会ったので【そこにいた皆で】倒した。一人では倒せないのがこのモンスターの特徴でもあるのかもしれない。プレイヤーが一人の時は無敵。
今度はアイテムではなく技、スキルを手に入れる。
〈古今無双〉
過去から現代まで、比べるものが存在しないほどすぐれていること。
一旦引いてから特大の衝撃波で一閃して貫く奥義。50パーセントの確率で即死効果のギャンブル。ただし1度使うとHPが半分減る、したがって2回使うとHPが0になるということだ。
そして道を歩く、気持ちはさざ波のごとくまろやかで浮き沈みがある。自然と素のままに、危なっかしい歩き方だった。
◆都市データ◆
地名:戦乱都市アスカ
国のどこにあるか:セントラルタワーから見て、8時の方向。
地形・地理:平地、大きく9ブロックに分けられており、領土がオセロのようにコロコロ変わる。
人口・住んでいる種族:戦闘民族と超人族。
四季の有無・天候:季節は夏、日照り。
政治:大抵の決定権は腕相撲で決まる。
交通手段:馬や竜を移動手段として使うと「軟弱もの」として扱われるので、基本徒歩。
信仰:スパルタンな強い男性、英雄が祭られている。闘いこそが生きる意味。
秀でた技術・文化:力・筋肉・武器防具
他国との関係:争いごとが起こった時に、嬉々として兵隊を送り出す。
過去の大きな出来事:50年前、魔王を勇者が倒した。
抱えている問題:乗り物に乗ったほうが速いのは百も承知なのだが、使わないので力はあるが速度が遅い。
その他の特色:とにかく力の都市。
この街は京都の碁盤のように、または将棋盤のように9つの領土が分けられていて。『オセロ型領土戦争ゲーム』が出来るようになっている。
3×3面で構成されており、一種の祭りが定期的に行われ。戦闘民族と超人族の間で領土争いが絶えない。
1aサソリ地区、1bオオカミ地区、1cテンビン地区、2aオウシ地区、2bシシ地区 、2cヘビツカイ地区、3aカメレオン地区、3bワシ地区、3cカジキ地区。
その真ん中、2bシシ地区にサキは宿屋『ゆっくり』で自分たちの宿を確保して、ここを拠点にあちこち見て回ろうと思った。何せ何日ここで活動するか解らないので休憩所が必要だなと思ったわけだ。
「どこい行こうか蒼葉ちゃん」
「ん~じゃあ折角だから闘技場~!」
サキと蒼葉は2cヘビツカイ地区へ移動し、腕自慢が集まる格闘闘技場『コロッセオ』にやってきた。蒼葉は観戦席で会場を見渡し、サキがPVP戦をすることになった。腕試しである。受付嬢が話しかけてくる。
「いらっしゃいませ、どのようなコースで挑戦しますか?」
PVP戦にはランクがあり、見ると。『初心者コース』『中級者コース』『上級者コース』『最前線コース』があった。サキはちょっと迷って選択をする。
「んじゃ、最前線コースで」
「対戦相手はランダムにしますか? ご指名しますか?」
「ランダムで」
「……、……。対戦相手が決まりました。対戦相手は『復讐鬼』です」
ずいぶん挑発的な名前だなと思ったサキであったが、自分の腕を試すためには丁度いい。全力でやろうと思うサキであった。
土ボコリ舞う闘技場中央に両者は並び立つ。観客は結構いて、最前線で活躍する腕利きのプレイヤーばかりがゾロゾロとその場を観戦していた。そんな中一人ちょこんと席に座る初心者の蒼葉。
すると、サキの前に対戦相手がやってきた。
「へ、へへへ。よろしくです……」
「ふーん……よろしくお願いします」
審判がホイッスルを鳴らす。
「これより! 『サキ』バーサス『復讐鬼』の試合を始めます! 制限時間は3分、どちらかがHP全損するか降参するまで行われます! それではレディ……ファイ!」
お互いに武器を構えて土を蹴って走り出した。




