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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第4章「フラワーガーデン」西暦2034年7月1日

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第104話「7月5日運営陣会議」

「どうしてこうなったし……」 

「咲は聞いてるだけで良いから、大丈夫わしが居る」

 現実世界2034年7月5日運営陣の定例会議に咲も参加していた。何故か縦長の机の頂点に咲と姫が並んで居座るという疑問文が付く格好だった。

 理由は明白で、天上院姫が代表取締役社長になり。その妹である咲もゲームに深くかかわってしまっていること。ちなみにセミプロだったことは姫と咲との口約束だったので正式な契約書などは無かった。ちなみに契約社員としての書類に一度目を通している咲だったが。

「ずっと一般プレイヤー目線でプレイしたい」

 という明確な意思があったので、会社の社員という名の一線は超えないことは明言している。だが、社長である姫が「今回の定例会議には来てほしい」ということで渋々ついてくることになったわけだ。


 事務的な書類を各社員に渡されて座る咲、書類は結構分厚い。あの壮大なゲームの運営報告書だ、時間がいくらあっても足りないだろう。

「では定例会議を始める。『世界樹シスターブレス』は今日も通常通り稼働している」

「ワールドクエスト『今を生きるために』は現在も継続中です、状況は3ページ目を見てください」

「『創造神本体』へたどり着いた者は居ません、ですが『創造神本連結体』へたどり着いたギルドがそれぞれ3ギルド発見されてます」

「どこのギルドだ?」

「『人間ゲーム同盟』『九賢者魔団』『地図化到達し隊』」

「聞いたことないギルドだな……どんなギルドなんだ」

「個々の活動情報はほとんど不明です、でも我々なら【察する】事は出来るでしょう」

「まぁ……ゲーム内だから、解らないでもない」

「これによりAランクのギルドに変動がありました。Aランク以外の変動はありません」


◆Aランクギルド◆

 1位『四重奏しじゅうそう

 2位『人間ゲーム同盟』

 3位『九賢者魔団』

 4位『地図化到達し隊』


 咲は姫にヒソヒソ声で質問を語り掛ける。

「お姉ちゃん『世界樹シスターブレス』って何?」

「あぁ、咲は知らないのか。わしが5歳の時。遊びで作ったゲームシステム、別名【世界樹の種】が『世界樹シスターブレス』となり、つい先日【全世界のゲームの核】になったんだ」

「へーあっそう……全世界のゲームの核ね……はい?」

 当然のごとく頭の処理が追い付かなかった咲、どこからツッコメばいいのか解らず放心状態になる。ここはツッコム所ですよと言われてもツッコム気力すら吹き飛ぶ世界規模というパワーワードである。天才な姉だとは知っているけど、何をやらかしたらそんなことになるのかは全く想像できなかった。だがここで一つの疑問が浮かび上がる。

「それ、一人で管理できるの?」

「無理。自然放置だ、誤解払しょくには務めるが」

「それ、お姉ちゃんが望んでそうなったの?」

「時間はかかったが望んだ形にはなってきたかな、エンディングも作ったし。一応動くだろう」

「……フーン」

 一応、理想と現実の狭間から頭の処理が追い付いてきて、理解できるぐらいにはかみ砕かれた。


 社員たちが再びゲーム内の会話に戻す。

「以上のことを踏まえて、今後の活動方針や。何か意見はおありでしょうか?」

「はい、一応修正パッチとしての神様なのにプレイヤーに退治させちゃって大丈夫なの?」

「性格も成長してほぼ確立してますし、弱点もありますので攻略は可能かと。倒されてもデータなのでまた元の定位置に戻ると思います」

「昔クリアした時と内容は変わってるが、良くなったと考えようぜ」

「確認なんだけど、今でも最初にクリアした人に1億円ってまだ生きてるの?」

 そこは姫社長が継承する。

「生きてるぞ。渡す気配は毛頭ないが」

「我々の間だけでも、いつクリアされて1億円渡すかの算段ぐらいは検討しておく必要があると思いますが」

 姫が腕組みをして悩む。

「ん~3年後か5年後かな、ざっくり理想を掲げるなら」

「他に質問は……、そうですね折角来てもらってますし天上院咲さん。何か質問とかありますか」

 話をいきなり振られた咲は動揺する。

「えぇ……と。ゲーム的な心配は皆さんがしっかりしてるので気にしてませんが。お姉ちゃんは大丈夫なのでしょうか? やることが一人オーバーワークになってたり……予測ですけど」

「そこは政府関係者が調整中だ」

「せ い ふ か ん け い し ゃ ……」

 咲は唖然となる、ゲーム会社だけじゃないの? この会議の話って……。

「何でだかよくわからないが『世界樹シスターブレス』の存在が世界政府にも飛び火してるんだ」

「…………は? だ! 大丈夫なんですかお姉ちゃんの身の安全とか!?」

「心配するな、俺たちはプロだ、安心しろ。もちろん咲君にもこのことは当てはまる」

「え、えぇー……」

「大丈夫、道は皆違っても。ハッピーエンドに向かいたいっていう志は、皆一緒だから」

「そ、それなら良いんですが……」


 それから先は長々と会話が続いた。そして最後に天上院姫が締めくくる。

「では、今回の会議はこれで終了じゃ。皆、張り切って、楽しんでいこうなのじゃ!」

『はい!』

 話が現実世界の世界政府にまで及んでいることを知った咲、1プレイヤーとしてゲームを遊んでられるのだろうかと不安になりながら会社を後にした。

 ちなみに、日給1500円はこのまま継続する方向で強引に押し通した。一般プレイヤーにも無理が出てきた咲は、プロとアマと一般の狭間で揺らぎながら進む……。

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