第101話「連結の。1」
エレメンタルワールドオンラインのゲーム内、ゲームにログイン中の彼女は夢想する。
〈ワールドクエスト発生……!〉
〈クエスト名『今を生きるために』〉
〈セントラルタワーにボスエネミー『創造神本体』が出現しました。こちらは破壊不能オブジェクトです。〉
〈撃退するには『創造神本連結体』3体を撃退してください〉
〈全ワールドマップに『連結の軍勢・プロト』が出現しました、撃退してください〉
英霊達の住む杖の村『フェイト』
それから適当なダンジョンに行こうとする、歩き始めようとしたその直前に。待ったなしのアナウンスが木霊した。
サキは画面をタップしながら内容を確認する。
「今のところ最前線攻略組は『創造神本連結体』への接触可能、それ以外の一般プレイヤーは『連結の軍勢・プロト』がボスエネミーってことね」
その隣にいた黒の騎士ブロードは繋げるように言葉を紡ぐ。
「サキ『連結の軍勢・プロト』と戦ってるプレイヤーをライブ中継で見てるんだが」
「ん、何? ブロード」
「喋らない系のモンスター、1ターンごとに火風水土と【今も属性が変わり続けてる】」
お姉ちゃんらしいヘンテコで厄介なモンスターだなあと思ったサキ。
「それだけじゃないぞ……【今も攻撃パターンが変わり続けている】何だこれ……。学習して最適化するAIなら見てきたが、こいつはそれとも違う」
「不規則に動くことがパターンされてるってこと? 何それ……」
と、その時。
太陽という名の星から、『連結の軍勢・プロト』が流星のように世界中に降り注ぎ。ドゴン! と落ちてきた。動き続ける機械のようなトカゲ型のモンスターはうなりを上げる。
「ギューピピピピ……!」
「悠然のアイテムとか言ってられないな。サキ、やるぞ!」
そう言うと、ブロードは戦闘用の結構上等な服装にフォルムチェンジして。【二刀流】の黒の剣士に姿を変えた。
「何その姿? レンタル?」
「あぁ、レンタルだ。高いんだぞコレ」
「あっそ、まあなるようにしか成らないかッ!」
そう言うとサキはステータス画面から、黒光りする短剣。ジーラダガー・オーデリィー【深い闇】を構える。
ブロードとサキ声を重ねて叫ぶ。
「さぁ……」
「ゲームを始めましょっかッ!」




