第96話「ラスボスの鱗」
「キシャアアアアゴオオウウウウンンン!!」
▼ラスボス【天災ゴッド・ジーラ】
レベル30マックス
属性:炎・ドラゴン
状態異常:深い闇
「「お前かあああああああああ!!!!」」
サキと蒼葉が誠に遺憾な最大限な表現でツッコミを入れる。
▼サキ:レベル13:初期装備:状態勇猛
ヒメ:レベル13:運営兼社長:状態適当
蒼葉:レベル20:サキの装備のおふる:状態混乱
エンペラー:レベル13:おるすばん:状態沈黙
「まぁ上限がこいつより上が居ないから自然とこいつしか居ないっていう」
ヒメは冷静に分析をする。サキと蒼葉はヒソヒソ声で恐る恐る聞く。
「再会速いなおいほみゅう」
「ちなみにどのぐらい強いの?」
「『最果ての五帝』の5人を足して割らない感じ」
「足して割らない感じ……勝てねえぇえー!」
サキが情熱的にノリと勢いで突き進む。
「うろたえるな! 私はこいつの鱗をはぎ取って武器を作るんだよ! ほみゅう!」
「始めて聞いたよ! このお姉ちゃん頭おかしい! てか剥ぎ取りに来たんかい!」
サキはもう何でもござれとゲシュタルト崩壊的に言う。
「神話級伝説と戦うんだぞ! ラスボスの1匹や2匹や3匹じゃ足りん!」
「足りるよ! 絶対ゲーム崩壊するノリだよそれぇー!」
サキがゴッド・ジーラの状態異常を気にかけて指をさす。人? に指をさしちゃいけません! とか言われそうだ。
「あの深い闇って何? ほみゅう?」
「ギャグ空間状態だな、うまくイケば1撃で倒せるかもしれない」
「一撃で!? その条件って何!」
「【天災ゴッド・ジーラ】をニャーンで愛でる」
「ニャーンで愛でる、おっしゃ! やってやんぜ! ほみゅう!」
蒼葉が誠に遺憾な最大限な表現でツッコミを入れる。
「ニャーンって何だよ! ギャグ空間って言っちゃってるし! そもそも深い闇ってグラブってるネタじゃねーか!」
そして天災ゴッド・ジーラは野太い声で蒼葉に向けて口を開ける。
「うるせえニャーン! グラブって何が悪いニャーン!」
「キャアアアアしゃべったああああああ!」
「そうだよ! グラブってるなら許される! 何故ならグラブってるからグラブるん!」
「言葉がゲシュタルト崩壊を起こしてるー! 」
天災ゴッド・ジーラはそうこうしている内に攻撃態勢に入る。攻撃対象はサキだ。
「そうこうしている内にか〇はめ波ドーン! だニャーン!」
「か〇はめ波ドーン! だニャーン!?」
蒼葉が誠に遺憾な最大限な表現でツッコミを入れる。
サキは仕方なく何処からともなくぬこ鍋を引っ張り出し盾にする、するとどうだろう。ミラーコートのように「か〇はめ波ドーン! だニャーン!」を反射させてるではありませんか。
「はいニャーン! だドーン! だほみゅう!」
「あ”ぁ……! 可愛いィー……!」
ジュゥ!
もうお前じゃ役不足だよ、と言わんばかりに。神の咆哮が唸りをあげた。30層の魔法障壁も粉々に砕け、ドラゴン本体もその破壊力から見る見るうちに焼け焦げてゆく。
▼天災ゴッド・ジーラは真っ白な灰となった!
パパパパーパーンパッパパーン!
▼ラスボス、天災ゴッド・ジーラを倒した!
▼『天災ゴッド・ジーラの鱗【深い闇】』を手に入れた!
「瞬殺しちゃったあああぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
蒼葉が誠に遺憾な最大限な表現でツッコミを入れる。サキが何事も無かったかのように転移門のほうに帰ろうとする。
「さーて帰って武器作るぞー!」
勝利のグーのガッツポーズを天高く掲げて、もと来た村『フェイト』へ帰ってゆく……。
「本当に勝っちゃったよ……、順序がでたらめだ……」
「やっぱノリと勢いでクリアもイケちゃったよ。サキだし、サキだし」
『天災ゴッド・ジーラの鱗【深い闇】』はサキに向かって語り掛ける。
「見事だったよサキニャン、でも僕を倒しても第2第3の天災ゴッド・ジーラがスタンバって……」
「知ってる、素材集めのマラソンコースでしょ?」
「ゲーム的感覚がゲシュタルト崩壊してるィー!?」
蒼葉が誠に遺憾な最大限な表現でツッコミを入れて、今回の事件は無事黒歴史となって幕を閉じたのであった。
完結。
エンディングだぞ、ほら泣けよ。
だけどもうちっとだけ続くんじゃ。




